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学歴が低い人ほど自殺率は高いことが判明―国内の大学研究チーム

ご存じのようにタレントで実業家の、ryuchell(りゅうちぇる、本名: 比嘉 龍二)さんが亡くなられました。
まだ、27歳ですか。お若くて将来もあったのに胸が痛みます。

27歳という年齢は昔から、命を絶ちたくなる年齢とされていて、
ロックミュージシャンも27歳で自死あるいはドラッグのオーバードーズなどで、亡くなられた方が非常に多く、
1970年代では、ジャニス・ジョップリン、ジミ・ヘンドリクス、ジム・モリスンの「3J」やローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズ、
1990年代のカート・コバーンもそうでした。その数は数100人以上にも上り、「27クラブ」なるファンクラブもあるくらいなのです。

芸能人でも、20代や30代で命を絶つ人がかなり多い。
彼らは「お金の苦労」などの経済的事情で悩んでいたケースはレアで、
やはり人間関係や、いわれのない中傷誹謗を苦に・・・という理由が多く見受けられます。

いずれにしても、りゅうちぇるさんはジェンダーの問題や、芸能人ならではの心労、バッシングによる心にダメージを抱えていたと聞きます。
本当に辛かったのでしょう。なぜ未然に防げなかったのか、今となってはどうしようもないのですが、今後の為に、具体的には、SNSでのバッシングを「減らす・なくす」ために、わたしたちはいよいよ本格的に考えていく時期が来たのだと思われます。
遅くなりましたが、りゅうちぇるさんのご冥福を謹んで祈りたいと思います。

さて、このコロナ下でも数多くの著名人が自らの命を絶っています。
その諸原因は不明ともされていますが、その根本にある理由はなんでしょうか。

わたしも以前、ADHDやパニック障害で、大きな精神病院に短期間入院していたのですが、そこでは日々のように自殺する20代や30代の男女の話をよく耳にしました。
退院後の服毒自殺や焼身自殺、投身自殺者がかなりいたのです。
自殺未遂で助かった人も多かった。
一方で、元気になって社会復帰した人もかなりいました。
わたしもその一人に当たるでしょう。

亡くなられた人、元気に働いて普通の生活に戻れた人。

この違いが「教育歴にあった」と気づいたのは最近のことです。

わたしの周囲で、健常者も障害者も、大卒または院卒で自殺した人は一人もいません。

20代や30代で不慮の死で亡くなられた人。
三浦春馬さん、竹内結子さん、神田沙也加さん、そして、今回のりゅうちぇるさん。。。4人とも芸能人でお若い時からご多忙ですから、大学へは進学していません。

いろいろと調べてみると、下記のようないくつか記事がありました。
今回は特に分かりやすかった二つの記事を取り上げて考えていきたいと思います。

事前にお知らせすることがあります。

昔は、例えば、作家などは東大卒で自殺した人が多かったです。
芥川賞作家で、有名な作家のほとんどは旧帝時代の東大卒です。
上記、ジム・モリソンはUCLA(カルフォルニア大学ロサンゼルス校)の大学生でした。
ですから、昔と近年とでは時代が異なるということはご理解下さい。

以下、引用文。

学歴が低い人ほど自殺率は高いことが判明―国内の大学研究チーム - ライブドアニュース (livedoor.com)

日本における大きな社会問題のひとつ、自殺。実は欧米では以前から、「学歴と自殺には相関関係がある」と指摘されていたのですが、先日、日本でもその事実が証明される研究結果が発表されました。無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』で詳しく紹介されています。

学歴と自殺の関係

2015年の自殺者総数は2万4,025人で、男性が全体の69.4%だそうです。また年齢順では40代、50代、60代の順に多く、職業別では無職、被雇用者、自営業、学生となっています。

今回さらに、学歴の低い人ほど自殺のリスクが高いことがわかりました。この関係については欧米では以前から指摘されていたそうですが、日本でも当てはまるようです。

これは、国立がん研究センターと大阪大学大学院医学系研究科、大阪医科大学の共同研究チームが明らかにしたものです。

論文タイトル:Suicide, Socio-economic Inequalities, Gender, and Psychiatric Disorders Commentary: Educational Levels and Risk of Suicide in Japan: The Japan Public Health Center Study (JPHC) Cohort I著者:Eiji Yoshioka他医学誌名:J. Epidemiol. 2016(26)June 05, 2016 P277-278

研究は、疾患と生活習慣の関係を調査するために10年以上追跡調査しているJPHC研究のアンケート調査のうち、岩手、秋田、長野、沖縄の40~59歳以上の男女4万6,156人のデータを解析したものです。

1990年から2012年までの期間の自殺リスクと最終学歴の関係を調査したところ、最終学歴が大卒か院卒の男性では、中卒の男性に比べ、自殺リスクが53%低下していることが分かりました。女性の場合も同様に、最終学歴が高卒の場合では中卒よりも自殺リスクが56%低く、特に調査開始時40代だった女性では、高卒の自殺リスクが中卒に比べ80%以上低下していたそうです。

なおこの調査では、被験者の脳卒中、虚血性心疾患、がんの既往歴や自己申告のストレス状態、アルコール消費量、喫煙の有無、配偶者の有無、雇用状況といった条件が考慮されており、かなり信頼できるもののようで、気になります。

image by: Shutterstock

出典元:まぐまぐニュース!



国立研究開発法人 国立がん研究センター の記事より引用しました。

元記事

教育歴と自殺のリスクとの関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト (ncc.go.jp)

教育歴と自殺のリスクとの関連について


—「多目的コホート研究(JPHC研究)」からの成果報告—

私たちは、いろいろな生活習慣と、がん・脳卒中・虚血性心疾患・糖尿病などの病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防と健康寿命の延伸に役立てるための研究を行っています。平成2年(1990年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部の4保健所(呼称2014年現在)管内にお住まいの40~59歳の男女約5万人の方々を平成23年(2011年)まで約22年間追跡した調査結果に基づいて、教育歴と自殺のリスクとの関連を調べた結果を、専門誌で論文発表しましたので紹介します。 (J Epdemiol.2016 Jun 5;26(6):315-21)

自殺のリスクは教育歴によって異なるか

欧米の研究では、教育歴が低い人は、高い人と比べて自殺のリスクが高いことが報告されています。しかし、日本における教育歴と自殺のリスクとの関連を調べた報告は少なく、よくわかっていません。教育歴は社会経済的状況の主要な指標の一つであり、これまでの本研究グループからの報告にもみられるように、がん、循環器疾患に加え、身体機能障害や歯の健康など、生活の質(QOL)に関わる健康事象とも関連が深い指標であることがわかりつつあります。

教育歴と健康について検討することは、どのように教育環境の整備をしたら健康増進につながるか、ということを考える重要なエビデンスとなります。
今回の研究では、研究開始時に行った最終学歴に関するアンケートから、
(1)中学卒業、(2)高校卒業、(3)短大、専門学校卒業、(4)大学卒業またはそれ以上の4つのグループにわけ、自殺による死亡リスクを比較しました。約21年間の追跡期間中に、299人の自殺による死亡が確認されました。


教育歴の高いグループで男女共に自殺のリスクが低い

中学卒業の教育歴をもつグループと比較して、男性では、大学卒業またはそれ以上のグループの自殺のリスクは53%低く、女性においては、高校卒業グループの自殺のリスクは56%低いという結果でした(図1)。

今回の結果から、日本においても、欧米と同様に、自殺のリスクに教育歴による差が存在することが示されました。また、中学卒業の教育歴をもつグループは、男女ともに、配偶者と同居する割合が低く、また、フルタイムで働く者の割合が少ないという傾向がみられました。

女性では教育歴が自殺のリスクに与える影響が年齢によって異なる

女性において年齢別に解析した結果、1990年当時、40~49歳であった女性では、中学卒業の教育歴をもつグループに比べて、高校卒業グループの自殺のリスクが79%低いことが示されました。一方でこの傾向は50~59歳ではみられませんでした(図2)。学校教育法が1947年に改正されたことによって教育制度が変化したことや、高度経済成長など社会情勢の変化によって、社会における女性の役割や労働環境が変化したこと影響しているのかもしれません。

教育歴と自殺のリスクとの関連について、今回の研究では考慮できていない収入などの社会経済要因が複雑に絡み合っている可能性があります。また、社会における教育歴の位置づけや、教育システムなどが今後変化することにより、教育歴が自殺のリスクに与える影響は変化する可能性があります。

今後も教育歴やその他の社会経済要因と自殺のリスクとの関連についてさらに検討していく必要があります。

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