青木純平

青木純平

最近の記事

自由なキャリアデザイン

このホイスコーレの卒業生、ミケルさん(34歳)に話を伺う機会があった。 彼は、在校中に下半身麻痺の車椅子生徒、ヤコブさん(当時22歳)を北ヨーロッパで最も高い山ノルウェーガルフピッゲンの登頂の経験をした。その様子はドキュメンタリーにもなり、日本でも一部で放映された。 私が興味を持ったのはミケルさんの人生設計だ。彼はホイスコーレを卒業後、漁師として1年間働いたが楽しみを見出せずもう一度ホイスコーレに戻ってきた。また一年後に卒業し今度はアルバイトをして貯めたお金でバックパック

    • デンマーク人と喋る時の感覚🇩🇰

      デンマークのエグモントホイスコーレにしばらく滞在することになった。 そこはデンマークでも少し特殊な場所で、全校250人のうち4割が障害を持っている。ダウン症などの精神的障害や半身麻痺、前身麻痺など身体的障害を持った人々がいる。日本との違いがわからなくなってしまう前に、ここで感じた違いをたくさん書き留めたい。 私はひねくれていて素直に物事を見れない悪い癖がある。ここに来る前、障害者を助ける人を見ると、この人たちは障害を持った人を助けているとても偉い人で、本人もそれを自覚して

      • 他言語での生活で感じた幸福に必要な能力

        デンマークに来る前に、ある程度英語を勉強したので、外国人と話すこと自体そこまで困らないと思っていた。実際、思ったことが綺麗に言えなかったり、何回か聞き返すことはあっても、さっぱりわからないことや、全く伝わらないことは少しずつ減ってきた。 そんな生活を1ヶ月、また3週間のフォルケホイスコーレ(デンマークの学校)で続けて英会話について気がついたことがある。そして、それを幸福のために必要な能力と関連づけて考えてみた。 英会話で必要な能力は英語で自分の考えを表現する英語力だけでは

        • デンマークのホームレス事情

          今日はデンマークの社会について、特に経済格差やデンマークにいても幸福になれなかった人々について講義があった。 幸福の国デンマークにも仕事を失い、家族や家も失い路上で生活する人々がいる。実際にコペンハーゲンの中心地に行くと、簡単にホームレスの人々が目に入り、それらを無視して歩く大衆との対比が印象に残っている。日本の街の片隅でひっそりと暮らすホームレスと違いデンマークのホームレスは社会への怒りを剥き出しにし、中指を突き立てて何かを叫んでいたり、鬼のような形相で自分の手を殴りなが

        自由なキャリアデザイン

          対話がなぜ重要だと言われるのか

          今日の授業はライティングの授業。 作家さんが来て、書き方の基本を伝授してくれる。書き方の基本は直接的な説明ではなく描写する、主人公のミッションを決める、など至って普通だったが、その後の実践が面白い。 同じ絵をそれぞれ一枚配り、それから喚起した物語を書くというもの。使った絵は写真のもの。薄暗い、散らかったキッチンの絵。 2人組で物語を考えるのだが、正直、数時間で大したものはできないと期待していなかった。 しかし、この授業で対話の重要性を知ると共に、思いもよらない面白いものが

          対話がなぜ重要だと言われるのか

          デンマーク感じたコロナに対する考えの違い

          写真は今行われているEuro Cup 2020の写真だ。去年はコロナで開催できなかったから一年遅れでの開催という意味で2020カップである。 驚くべき事はビックスクリーンでの観戦が写真のように普通に行われている事だ。 日本のオリンピックは首都圏での無観客が決定したようだがデンマークでは全くそんな気配はない。 これらは北欧研究所のnoteにも書いてある事だが、政府のコロナ対策「コロナパス」が市民の行動の安全圏を拡大している。 デンマークの集団で生活して感じる事は、みんな自

          デンマーク感じたコロナに対する考えの違い

          デンマークの国内では郊外の方が幸福度が高い??

          5回目の授業はSus Å (スサ)と言うところに2泊3日テントで暮らす授業だ。 スサは所謂田舎の街で、写真のような放牧が行われている。とても気持ちの良い野原での放牧を初めて見たの。今までオーガニック食品など、動物のストレスやかわいそうと言う気持ちがあまり理解できなかったが、壮大の野原で伸び伸びと暮らす牛や馬を目の当たりにすると、違いを無視する事はこれからできないだろう。 先日コペンハーゲンのハピネスミュージアムに行った。デンマークの幸福研究所(happiness inst

          デンマークの国内では郊外の方が幸福度が高い??

          デンマークの幸福な街は誰が作っているのか?

          4回目の授業はデンマークの街に繰り出し、突撃インタビューをしてデンマークの社会について理解を深める授業だった。 訪れた街はKronborg(クロンボーグ)のフードストリート。 デンマークには人が集まる広いスペースが至る所にある。 街を少し歩けば写真のような居るだけで気持ちの良くなるスペースがある。今いる場所はコペンハーゲンから電車で1時間北に行った郊外だ。それにもかかわらず市民のための街づくりが可能な限り行われているのは非常に興味深い。 ではいったい誰が街づくりの担い手

          デンマークの幸福な街は誰が作っているのか?

          社会ではなく地球に生きる女性

          3日目の授業はAndrea Hejlskovという方がゲストスピーカーとして2,3時間に及ぶ講演をしてくれた。 彼女の著書「Escape to Wilde(社会からの離脱(意訳))」が多くの人々の共感を呼び話題になっている。 彼女はなんと4人の子供と森に住んでいる。物にあふれた社会から逸脱することを約8年前に決断し、車以外のものをほとんど捨てて森のコテージに住んでいる。 彼女が伝えたかったメッセージは、「人生を抜本的に変える事は可能だ」と言うこと。(you have c

          社会ではなく地球に生きる女性

          ディスカッション

          今日は初めての授業だった。授業のタイトルは弾圧の演劇(Theater of the oppressed)。ここでの授業は生徒を中心に進むのが特徴だ。 4人のグループを作り、自身の弾圧の経験を共有する。それらは、人種差別や男尊女卑、体罰など権力者とそれに屈する人のワンシーンだ。その後20人ほどのグループでそれらを共有し分析する。その後のシーンを演じて5分くらいで再現する。 これらすべてを生徒主体で半日かけて仕上げていく。英語しか話せない環境に少し困惑しつつ、親から弾圧を受け

          ディスカッション

          デンマーク人の時間の過ごし方

          デンマークに来て約1ヶ月。少しづつ生活に慣れてきた。 今日からデンマークのフォルケホイスクールの夏のコースに参加する。デンマーク人と親密な関係になれば彼らの特徴的な考え方や日本人との違いがわかると思ったからだ。 今日は特にイベントはなくコースの説明と自己紹介だけだったが、今までの1ヶ月間の滞在でデンマーク人に対してなんとなく思っていたことが少しづつはっきりした。 レストランや、公園に行くとデンマーク人はいつも楽しそうで、仕事のことは忘れていわゆる「幸せ」そうに見える。そ

          デンマーク人の時間の過ごし方

          デジタル化によって何が失われていくのか?

          今回のテーマ幸福の国デンマークでのインターン中に幸福とは何かをブログを通して考える。今回のテーマは社会がデジタル化した時に失われるものは何か?という疑問 デンマークは世界で最も電子化の進んだ国で、さまざまな行政サービスがデジタル化されていることでも有名である。 題材のニュースそんなデンマークのコロナに関するニュースでこんなニュースを見つけた。(閲覧注意) 変異ウイルスの検出によって国内のミンクが全て殺処分された。 ミンクを初めて写真で見た私は、こんなにも可愛い無垢な動物た

          デジタル化によって何が失われていくのか?

          初めまして

          自己紹介 初めまして。青木純平です。北欧研究所のインターンをきっかけにブログを開設しました。私は春から東京の大学院に進学する予定です。自分の研究分野は「幸福学」です。ブログでは研究に関する新しい発見、幸福の国デンマークについて発信します。 私の幸福観 幸福学の歴史は比較的浅いですが、幸福とは何か?という疑問はとうの昔から生まれたようです。アリストテレスは幸福を「誰もが求める最高の目標である」と述べ、孔子は「目標に向かって努力をし、何事にも左右されない楽しい心を持った「君子」

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