デンマークのホームレス事情

今日はデンマークの社会について、特に経済格差やデンマークにいても幸福になれなかった人々について講義があった。

幸福の国デンマークにも仕事を失い、家族や家も失い路上で生活する人々がいる。実際にコペンハーゲンの中心地に行くと、簡単にホームレスの人々が目に入り、それらを無視して歩く大衆との対比が印象に残っている。日本の街の片隅でひっそりと暮らすホームレスと違いデンマークのホームレスは社会への怒りを剥き出しにし、中指を突き立てて何かを叫んでいたり、鬼のような形相で自分の手を殴りながらこちらを見ている人もいた。

講義では、ホームレスのデータが紹介された。
現在デンマークでは登録されたホームレスが役6000人。登録されていないホームレスを含めると、推定13000人(2019年)。この数は年々増加しておりこの10年で1000〜2000に人ほど増えた。ホームレスになる主な理由は、アルコール依存症、薬物依存症などのによって家庭や職場崩壊を起こしたケースが多い。
実はデンマークのアルコール摂取量は世界でもとても多く、ヨーロッパでも最もお酒の摂取量が多い国だと言われている。

しかし、彼らの役40%は路上ではなくシェルターで暮らしており、公共の施設を利用できる。また、60%の彼らの収入源はkontanthjælpと言われる社会保障で価格は場所によって異なるが、コペンハーゲンでは約19万円(税金払う前)保証される。

これを聞くと、さすがデンマーク全ての国民を守る福祉国家だなんて思う。しかし現実は厳しい。
ホームレスはホームレスとして扱われ、一般の市民として扱われない。

2014年にコペンハーゲンの路上でホームレスが無くなった事件があった。
彼に、まだ息をして、倒れているところを通行人が見つけて救急車を呼んだ。
しかし救急の電話にホームレスですか??という質問をされたそうだ。そして通行人はそうです、と答えると救急はその場合そこまで重要な事件では無いのですぐに救急車を送れません、と返答された。そして、ようやく到着した頃にはもう亡くなっていたという。

これはこのケースだけでなく、生徒の中にもホームレスに、救急車を呼び同じ経験がある人がいた。彼はホームレスですか?と尋ねられた時、違うと思いますとあえて答える事で助けられたという。

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