社会ではなく地球に生きる女性
3日目の授業はAndrea Hejlskovという方がゲストスピーカーとして2,3時間に及ぶ講演をしてくれた。
彼女の著書「Escape to Wilde(社会からの離脱(意訳))」が多くの人々の共感を呼び話題になっている。
彼女はなんと4人の子供と森に住んでいる。物にあふれた社会から逸脱することを約8年前に決断し、車以外のものをほとんど捨てて森のコテージに住んでいる。
彼女が伝えたかったメッセージは、「人生を抜本的に変える事は可能だ」と言うこと。(you have choices for radical changes in your life)
初めは、自然と共に暮らす事が人間にとっていい事という論調にはあまり興味が持てなかった。しかし、講演の後振り返ると違う視点から見る事ができた。
全てを捨てる勇気なんて僕にはない。僕の場合学生だから在学やそのための勉強を捨てることは怖い。しかし、彼女はそれを捨てた。
彼女の抜本的変化のための選択は全てを捨てて社会から逸脱することだった。これは、「禅」の考え方に似ている。
禅の最終目的は「凡夫が作ったゲームを、ゲームだと気が付き終わらせること」である。彼女の場合、凡夫の作ったゲーム=モノで溢れた資本主義社会だ。それ自体に意味はなくプレイヤーとして生まれたという理由でゲームに勝たないといけない。しかし、多くの人はそれが無目的なゲームであることすら気が付かないまま死んでいく。
彼女にとって、その凡夫のゲームを終わらせるために取った選択が物を全て捨ててゲームから逸脱することだった。そして彼女はそれに満足している。
私が受け取ったメッセージは、自分の意思に素直に従おうということ。何をするか、どう生きるかに優劣はなく、やりたい事を実現する力が必要。ゲームの外の人間にとって一般的な正しい生き方は無意味であり、例えば学歴や収入など社会のステータスは意味を持たない。なぜなら社会にいないから。
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