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陸上競技者として覚悟を持った瞬間
私は理系国立大学で、研究に励み、陸上競技者としても活動する人間です。
今回はなぜ、決して恵まれないような環境で陸上競技というものに本気で取り組んでいるのか、その転機となった時のことを書きたいと思います。
大学でも陸上を続けようと思ったきっかけ
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そもそも大学で陸上をやろうと思ったきっかけは、高校であまり納得のいく結果を残せなかったからです。
私はインターハイに出たかった。
でも、県予選で負けてしまった。
地方大会にも出ることができず、せっかく夢中になって取り組んだ陸上競技を、このまま辞めるのはもったいないと思って、大学でも続けることを決意しました。
それから、受験期を乗り越え、現在私が所属する国立大学工学部に合格しました。
100mタータン2枚だけであとは土のグラウンド。他部活と共用。基本、競技場に車で移動して練習という恵まれた環境ではありません。
私は工学部だったので、2年次からキャンパスが移動し、それからはほとんど1人で練習する日々でした。
それでもこの大学に入って陸上を始めたのは、「自分の力で行けるとこまで行きたい」という思いがあったからです。
私自身の努力、思考力、行動力によって結果を残したいと考えました。
大学1年〜2年
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それなりには
1年生から2年生の間、私は高校での悔しさを原動力に努力しました。
スポーツ推薦はない、学問優先の国立大学なので、それなりにチームでは頭角を表すような結果を残していたつもりです。
対校戦での優勝、チーム内でも上位層の記録をもち、周りから見ればまずまずの成績だったと思います。
何のためにやっているのか
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しかし、標準記録を突破して出場するインカレには出ることができず、2年間のシーズンを通して「何か残したのか?」と聞かれると、何も残していないことに気付きました。
わざわざ、大学に一人暮らしまでさせてもらって、学問優先の中、陸上をしている。
なのになぜ結果を残せていないのか。
「覚悟が足りない」
一生懸命やっているつもりではいました。ですが、心のどこかで「結果は出る」と慢心していたのだと思います。
ここから、私は心を鬼にして陸上競技に取り組むことを決意しました。
今となってはですが、その慢心にここで気づけて良かったと思っています。
大学2年の冬期
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大学2年のシーズンが不甲斐ない形で終了し、「この冬期練習を経て、結果がでなければもう競技は辞めよう」と覚悟を決めて、冬期練習に臨みました。
どんな覚悟で臨んだか、いくつかの観点から記します。
①練習量
まずは、24時間のうち、陸上に集中する時間を少しでも多くするように練習日程を組みました。
それまでは大学での授業が終わって、夜に2時間ほど練習するという、1日1回の練習でした。
しかし、大学2年の冬期練習では以下のような、1日の中で余っている時間を有効活用しました。
・朝起きて授業までの時間
・授業と授業の間
・全体練習が終わった後の午後
これだけの時間を駆使して、1日の中で2部練習、3部練習を当たり前のようにしました。
これだけ練習すれば、たとえ春先結果が出なくても後悔しないと思えました。
②チームメイトとの接し方
陸上競技部に所属していますが、スポーツ推薦のない国立大学の競技部なので、価値観の違う陸上競技者もいます。
本気で陸上に取り組む者、勉強の傍らに楽しむために陸上に取り組む者、ただ健康のために陸上に取り組む者などいろんな人がいます。
その中でも、楽しむだけの人が大多数でした。
だからこそ、本気で結果を出したい私にとっては"流されてはいけない"。
様々な価値観を持って陸上に取り組む人を受け入れつつ、私自身だけは裏切らず、まっすぐ努力することを決めて練習に取り組みました。
これは決してチームメイトへの皮肉ではなく、自分に対しては厳しく、そして、様々な価値観を持つ仲間に対しては寛大な心を持つ。
これが私にとっては足りないもので、強くなるための一歩だと思いました。
(しかし、衝突することは多かったです(笑))
③モチベーション
「自分にだけは厳しく、そして裏切らない」
この言葉が常に冬期練習の間のモチベーションでした。
私も人間なので、休みたい、サボりたいと思う日は多々あります。
特に本当に体が疲弊した時は、気持ちも体も折れそうになります。
しかし、その休んだ1日がその後戦う相手との1つの差になると考えるとそれはそれで苦しいです。
だからこそ、自分だけは裏切らない。一度覚悟を決めて取り組んでいることだということを忘れないようモチベーションを保ちました。
疲労骨折
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やりきったとだけ思えた。
2020年2月の下旬まで、冬期練習に取り組みました。
本当に陸上競技というものに真っ直ぐに向き合い、ぶつかり合った3〜4ヶ月でした。
しかし、3月に左足の指が疲労骨折していることが判明しました。
私はMRIで真っ白になっている左足の指を見て、
「私はこれだけやり切れたのだな」
とホッとしていました。
普通、これだけ頑張って大きな怪我をしたら、「もったいない」とか「やめとけばよかった」とか思うはずなのに、そんな感情は全くなかったです。
それだけ、覚悟を持って陸上競技に取り組めたんだなと確信しました。
覚悟が実った瞬間
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2020年8月、疲労骨折を完治し、コロナ禍ということもあり、シーズンはじめての試合となりました。
それまでは、冬期頑張って鍛えたものを甦らせるべく、ゆっくり、そしてじっくりと練習を積みました。
正直、かなり大きな怪我をしてしまったので、それまでの頑張りは0に戻ってしまったと思っていました。
だから、8月の記録会は自己ベストなんか狙わず、それなりの記録が出ればいいとしか思ってませんでした。
しかし、結果は自己ベスト
しかも、念願のインカレ標準記録切り。
その年のインカレに出場することが出来ました。
記録が出せた瞬間、私が冬期練習に頑張ったものは決して無駄ではなく、自信を成長させたんだなとホッとしました。
覚悟を持って結果を出したことに自信を持ちました。
今も覚悟を持って
陸上競技に本気で取り組むことを知れた。
だからこそ、今も高い目標をもって、陸上競技に励むことができる。
学問があっても、両者とも上を目指して戦うことができる。
そんな自分になれたことの原点は、大学2年の冬期練習から学べたことに他ならないと思います。
本当に成長したい時、"覚悟を決める"ことで、また目標に向かって頑張りたいと思います。
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