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【理系研究学生×陸上競技】感じた苦しさ

私は国立大学大学院の理工学研究科に所属し、主に大強度陽子加速器施設などで実験を行う物性物理学研究者です。

一方で、ここまで大学4年間陸上競技を続け、現在も大学院生として陸上競技部に在籍を続けています。

学部生のころから、学問とスポーツは互いに高めあうことに力を入れていました。

常に順調とは言えませんが、大学4年時、陸上では大学記録等、それなりの好成績を、研究も初心者として多くの経験をして満足感のある生活ではありました。

しかし、大学院生になった今、ぬぐえない苦しみに直面したのかなと思います。

どんなに陸上競技で頑張ろうと研究の世界では関係なく、逆に研究をどんなに頑張ろうと陸上の世界では関係ない

当たり前のことです。

ですが、陸上、研究どちらかで型を崩してしまったときに改めてその苦しさを感じます。

3月末から始まった陸上のシーズン。私は今現在まで満足のいく結果を出すことができませんでした。

去年の後半期からの結果と比べれば、絶不調といえるくらいの記録の落ち込みでした。

こういう時、肉体的な体の整理、精神的な心の整理の時間が必要であり、一度休息をとるつもりでした。

しかし、2月から4月は大型施設の実験が1週間×4回ほど行われていて、すべて私の研究に関わるものであったため、陸上にゆっくりと時間を費やす余裕はありませんでした。

もちろん、研究は私にとって重要なもので決して嫌なことではなく、むしろ経験として楽しめることです。

それでも、陸上でいくら迷い、「考えたい」「立ち止まりたい」「今動きたい」と思っても、実験室へ足を運び、次の行動へすぐ切り替えなければいけない日々が何日かありました。

例え、練習や試合で疲れていても、研究の世界で休んだり、作業や思考を怠っていい理由にはならないわけです。

そこが研究と陸上をやることの本当の辛さでした。

逆もしかりで、研究をどんなに頑張っていても、陸上の世界では評価はされません。

どちらも成果主義ではありますから当たり前のことです。

双方の活動を行う中で、どちらも独立の関係で存在している。

しかし、体は1つしかないからこそ苦しさがありました。

研究をやる自分と陸上をやる自分はより独立であるのが理想

私は陸上を行う自分と研究を行う自分はなるべく別な存在として振る舞うようにしています。

もちろん完全に独立な存在であることが望ましいと思っていますが、そこまでは難しく、あくまで大枠の振る舞いでといったところでしょうか。

その理由はそれぞれの文化が違うことにあります。

私がその集団でどのような振る舞いをすることが正しいのか判断する必要があると考えています。

それぞれの文化が違う

私が研究活動を主に行う拠点は「研究室」、陸上競技を行う拠点は「陸上競技部」であることから、それぞれの拠点で文化が異なります。

そのコミュニティの中で「雰囲気」「話し方」「物事の進め方」「目的」「人間関係」…など様々な違いがあります。

特に分野として、理系の学問と体育会系の部活という、全く異なるものであることがその違いを生んでいるのでしょう。

私はどうしてもその文化に合わせた振る舞いをします。

研究室では、やはり理系の研究、ましては物理学の研究ですから、論理的かつ明快な答えを示すように議論をします。

なので話し方は、感覚的ではなく、結論を正確に伝えるために話す。一般には「堅い」と言われる話し方かもしれません。

逆に陸上競技部では、感覚的に話す部分の方が多いです。

もちろん、論理的に考えるべき場面もあるのですが、体を動かすスポーツであり、答えが明確でないものである以上、感覚というものに頼らなくてはなりません。

なので、後輩へ助言をする際や、私に対しての助言を受ける時などでは、論理的に話すことだけでなく、感覚的な視点での議論をすることがあります。

それぞれのコミュニティで文化が違うからこそ、客観的に見てどういう人間であれば接しやすく話が伝わりやすいか。そこを考慮した上で、双方ではなるべく別な人間として振る舞うようにしています。

とはいえ、陸上で研究の姿、研究で陸上の姿が出てしまうこともしばしばあります(笑)

それでも理解してくれる人がいる

研究室の教授は私を1人のアスリートとしても見てくれます。

大会や試合等で集中したいことがあれば言ってほしいと。

陸上競技部の顧問の先生も、「学問を優先に」と常々口にしてくれるほど私への理解をしてくださる方々に恵まれております。

だからこそ、そんな方々への恩返しとして双方で成果を出したい。

難しいことだからこそ

理系研究学生と陸上競技アスリートという肩書を口にすることは簡単です。

双方を行う苦しさを知った今、難しいことだとわかっていても、成し遂げなければならないと思っています。

陸上では陸上での成果を、研究では研究での成果を求め、常に前進したいと思います。

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