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3日目:別れのLarrasoanaララソアーニャ

本日。目的地まで約25km。

ロンセスバージェスam7:00頃。愛嬌たっぷりお喋り好きなマシューと待ち合わせをしてまだ薄暗い山中にあるアルベルゲを出発。少し下った町に出た所でスーパーに立ち寄る。ドリンクと朝飯的なものを購入。

熱い!暑い!ドリンク確保!

この旅、本当にドリンク大事!途中で好きな時に買えないから。日本なら、結構な田舎に行った場合でもコンビニが無かったとしてもなんとか小さな個人商店が見つかりますよね。でも大半が自然の中を徒歩でいくこのスペインの旅路は本当に商店は見つからない。そして更にご存知の様に海外は路端の自動販売機が皆無。

むしろ凄まじい大陽に照らされるスペインの大自然を歩く最中に自動販売機がある方が怖い。電気は来てるのか?大体、誰が置いて管理してるんだ?いつ補充するんだ?と。ポツンと置いてある方が怖いわけだ。秋にさしかかる時季でもスペインは暑い。そして単純な理由として、ヒトハ歩キ続テタラ喉渇ク。果物や菓子等チョコチョコつまめる物も有ると助かります。

オマケ話に。『なんでオレンジが出るんだ!』

道中小さな町で、たまに見かけたのだが、超レトロで昭和っぽくて先頭に来ている見本商品からガチャコンッ!みたいな自動販売機。しかしある時、情熱の大陽にさらされているとはいえ、小さな商店の外壁に沿って置いてあるので、その自販機を信用して買った。しかし、1ユーロコインが飲まれる飲まれる。僕がドリンクを飲んだという意味ではなく、自販機が不調でコインを飲み込み続けるのだ。3枚は持っていかれた。こんなボロ機だし店に言うのはそもそも諦めてたが、意地になって4、5枚目まで突っ込んだところでやっと出てきた。違うファンタが。色が違う。オイ!グレープ押して、なんでオレンジが出るんだ!補充の時どこ見てたんだ!それともこの見本はそもそもフェイクなのか?そもそも意味はないのか!こんな酷い仕打ちを受けても、この自販機の古めかしく迫力のある姿が、まだ見ぬこの持ち主であろう店の主人に僕の想像の中で重なってしまい怖くて言えなかった。逆に飲みこまれる気さえした。主人になのか、自販機なのかは判らない。『こんなになるまで頑張ってんだ。文句あるなら飲むな。また飲み込むぞ』位に怖かった。

きっと暑さのせいもあったのだろう。ちょっと正常な思考が出来無かったんだ。スペインの大陽と暑さは時にそこまで僕を、いや、誰をも追い込む。そしてその飲むつもりの無かったファンタオレンジの味さえも。暑さのせいだろうオレンジではない、正常ではない何かに進化していた。文句なんてない。暑さのせいさ。いつ補充したんだなんて、もうそんな愚問が不要なんだ。僕は含んだばかりの1口目を吐き出し、オレンジ色には見えない液体を路端の土にしみ込ませ、空き缶はキチンとゴミ箱に入れてやった。やっと缶としての仕事を終えてゴミ箱に会えたなと祝う様に。

でも気まぐれにあるオアシス(笑)

と言いながら、山中進むと、いきなり気まぐれ移動販売に出くわしたりもします笑。実際それぞれ各地の旅路に、こうした移動販売やテントを張った無人の投げ銭販売などがあるのも事実。頻繁にあるわけではない。そして旅人が各々でその日毎に目的地が違うし、ずっと草原の中を歩く場合もあるという事を考えて準備すれば良いのでしょう。

いや、もう、しかし、文章にするとあっという間だけど、本当にひたすら歩いてるので日中だろうとこうやって目にした途端にいくらでも冷えたビールを欲っします。身体が、脳が、口元が。どっぷり座って休むのも良いですが動けなくなりそうだしまだ十数km山道を歩くのでビールをグワァッと喉に流し込み勢いつけて再び歩き出します。毎日15km〜25km、多い時は30km前後を。4〜6時間程かけて歩きます。

岩肌が剥き出しの山道は足裏への負担もちろんですが、足首を捻らない様に注意が必要です。歩き易さ、軽さ、足首までホールドしてくれる等の自分に合った靴が重要。

さて下の写真。順路の目印です。ABAJO = アバホ = 下ですよーと。こんな目印パターンもあります。

見えてきましたララソアーニャの入り口。

小さな町。泊まったアルベルゲはとても質素な造り。1階がシャワー、トイレとダイニングだったかな。2階が20畳位でしょうか。メチャクチャシンプルなパイプ2段ベッドが10台弱並んで。夜中トイレ行くにも"軋むベッドので上で優しさを持ち寄り"他の宿泊者を起こさない様に気遣います。

この質素なアルベルゲの入り口前には細長い洗濯干場兼、庭があったのでそこで猫とじゃれつきます。なんとなーくヨーロピアンだからか顔つきが掘り深い気がする?

夕食はバルにて。ディナーをガッツり食べる人や、酒場メニューで済ます人とそれぞれに。僕は生ハムのサンドイッチ = ボカディージョと生ビールで英気を養います。今日はドイツ人が多い。あれ?ドイツ人英語ってなんか聞き取り易かい気がする。なんか、あのグーテンモルゲン!的なバキバキしたしたイントネーションや滑舌の良さみたいのだろうか。その辺りが関係してるような。。。。個人の見解です。個人差あります。

出会いがあれば別れがある。

マシューよ。僕の日本語ニックネームがちゃんと発音出来ずにヨシュと呼んでくれたマシューよ。人懐っこくて愛嬌のあるお兄さんの様なマシューよ。君はいつでも色々な旅人とお話に夢中になって楽しそうに歩いていたね。お話に夢中な君に気づかず、歩くのに夢中だった僕はいつの間にか君を振り切って先へと歩いて行ってたんだね。本心じゃない。悪気も無いよ。ただうっすら、うーっすらだけど、、、

お話が好きな君と一緒のペースだとララソアーニャに到着するのが夜になっちまうじゃないか!

それはうっすら無意識に思ってたかもしれない。悪気は無いよ。気づかなかったんだ。僕の足は前を求めてただけさ。マシューよ、君は違う宿に泊まったのか、手前の町に泊まったのか、次の町に行ったのか。でも、今頃はフランスの空の下で元気に働いてると願っているよ。ヨシュも元気にやってるよ。ありがとう。

旅人同士はこうしてうっすらと出会い、うっすらと別れを繰り返します。

4日目②-1: サイコな森を抜ければ城塞都市Pamplonaパンプローナへ続く

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