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日本に来たら”あの”北欧がイメージアップキャンペーンをやっていてちょっと驚いた

私が本帰国してまもなく、一時期、日本では北欧がとても素敵な国として紹介されまくっていて、ちょっとびっくりした。福祉国家であり、マリメッコなどのおしゃれなイメージで売り込まれていた。
いつだったか、旧Twitterで日本在住の北欧系の方が「犯罪が多いことを話しても、あまり信じれもらえない」というような話を読んだような覚えがあるのだが、実は私が出身国にいた頃、北欧のイメージはめちゃくちゃ悪かった。ちなみに人が悪いというわけではなく、そういうステレオタイプがあったのだ。
そのステレオタイプがどこから来ると言うと、強盗のイメージがとにかく強いのと、うつ病の多さや自殺率の高さ、そして学校などでの銃犯罪のニュースからだ。ちなみに銃犯罪については私の出身国とあまり変わらず、時々あるようなイメージだった。他にもPISAの成績が公的出資の割に合わず悪いことも報じられていた。一方で産業的には成功していて、NOKIAとIKEAのイメージが強かった。実際にはVOLVOもLEGOもArlaもあるのだが。とにかく文化面は良いのだが、「ロクでもない場所」というイメージが強かった。
実際のところどんな国なのか。すごく簡単にだが、調べてみた。


盗み

Robbery, burglary and theft, 2020-2021 (police recorded offences per 100 000 inhabitants) V2.png - Statistics Explained

上記に引用したグラフの通り、スウェーデンでは盗みが多発している。当然フランス、イタリアの方がイメージはあるが、北欧三国が両国を上回っている。スウェーデンがダントツで発程件数が多く、デンマークとフィンランドが並んでいて、ノルウェー、アイスランドがそれに続く。

殺人

Homicide Rate in Europe – Landgeist

フィンランドとスウェーデンがなぜか殺人事件の発生率が高く、それを大きく突き放してノルウェー、デンマークが私の出身国と同水準である。

車の窃盗

Car Theft Rate in Europe – Landgeist

車両の窃盗率でもスウェーデンがなぜかダントツだ。以外にもイギリス本土での発生率も高く、イタリアの各所はどことなく納得。それにノルウェーが続く。圧倒的に低いのがデンマークだ。私の出身国はそれなりの発生率で、貴重品は車に決して残してはいけないのが常識なので、肌感とも合っている。

自殺率

List of countries by suicide rate

ここは読みやすさを重視しWikipediaで済ませたい。WHOのデータをソースにしたこのマップによるとヨーロッパの中ではリトアニアとロシアが圧倒的に高く、このトレンドは昔から変わらない(Number of suicides, 2019)。日本は10万人に12.2人と比較的高めな傾向にある。フィンランド、13.4人、スウェーデンは12.4人で日本をなんと上回っている。散々「自殺の国ニッポン」みたいに言われてきたのにもはや言われ損である。日本の下にアイスランド、ノルウェー、デンマークと続いている。私の出身国もノルウェーよりは少ないくらいで、183の国と地域の中でも中間値を若干下回っている。やはり北欧の自殺率が高いイメージは誤りではなかったようだ。

補足

軽く補足説明しておくと、スウェーデンは北欧内で飛び抜けて人口が多く、アイスランドはダントツで少ない。人が少ない場所は個人的な印象として、目立つので捕まりやすいため犯罪しにくいイメージがある。
日照時間が少なく娯楽がないことはメンタルヘルスに問題が生じやすい環境につながっていると思っている。距離感もあり、特にフレーンドリーな社会でもないようだし、福祉に関しても将来不安があるのではないか。
尾崎豊は反抗精神で、北欧の若者はノリで盗んだバイクで走りだすイメージだ。パーソナルスペースも他国と比べて広いと言われているため心的距離もあまり近くないと思っている。東京の人は特殊だ。満員電車では超絶距離が近いのに近くにいないみたいで気配を消している。忍者だ。

殺人と自殺がヨーロッパ本土の私の出身国より圧倒的に多い。ノルウェーの銃乱射事件は日本でもセンセーショナルに取り上げられたが、個人的には「フィンランドならまあ…」と感じてしまう。こういった事件やメンタルヘルスの問題が「とにかくよく人が死んでいる」イメージにつながっているのかもしれない。

尚、スウェーデンでは窃盗·強盗の通報に最低被害額が設けられているらしく、これがまた犯罪率を上げている、と言うよりも犯罪を取り締まりきれなくてこのような法律を設けた流れがあるようで、相乗効果がありそうだ。
(https://kungsbackaposten.se/nyheter/handlaren-som-trottnat-pa-stolderna/)

強姦なども通報したところで取り合ってもらえないこともあるとか。(Kvinna skulle anmäla våldtäktsförsök – gav upp i telefonkön - Nyheter Idag)この記事では襲ってきた相手が外国語を話していたことに触れられているが、近年では途上国の移民が多く流入したことで、更に治安が悪化しているようだ。かつ"差別"を理由に外国人犯罪の正確な統計が取られなくなったことも指摘されている。

学校教育 -PISA2018-

日本では話題にならないが、ヨーロッパではPISAがかなり基準にされているのだが、(どのくらい正確に学力が測れているのか怪しいという話も勿論あるが)私の出身国と比較するとフィンランドは優秀で、特に2000年代はOECD加盟国以外は不参加だったため上位を独占していた。
具体的な話をすると教科によっては私の出身国はノルウェー、デンマークといい勝負である一方でスウェーデンは全体的に負けている。数学になると上位群がかなり少なく、できるできないの差が激しい。教師が数学が苦手な生徒のフォローできてないことがわかる。一方でアジアは上位群が比較的多い。アイスランドは全科目でOECD平均以下で著しく成績が悪い。ポイントは教育へ投入している税金の差で、北欧は費用対効果が全体的に良くなさそうだ。比較として、日本は金額が少ないが読解以外では上位だ。

尚、フィンランドは殺人の多さと比例して学校での無差別殺傷事件とその他暴力が多いイメージがある。

そもそも私の出身国はヨーロッパ本土にあり、その中でも電子産業に強い経済大国とされており、EUの中でも色々な意味で"レベルが高い"国だと自負しているので、企業のブランド力も含めて「北欧なんて目じゃない」ちいう気持ちはなくはない。

本件はイメージアップキャンペーンではと疑っている

私はネットサーフィンをよくしていて、外国の、特にアジアの状況について調べることが好きだ。本件については、当時韓国でも同じ時期から北欧の良いイメージが語られていたような記憶がある。余談だがタイ料理の流行もアメリカと同じ時期だった記憶がある。これは、特に悪いイメージを持っていないアジアへの対外戦略ではないかと踏んでいる。そして誰もそれに気づいてないし、鵜呑みにしすぎて北欧の本当の姿が伝わってない気が、私はしている。つまり途上国の移民/難民流入により治安が低下したことを問題視した政府が、"上質な"極東アジアの移民を呼び込もうとするためのイメージアップキャンペーンではないかと疑っている。(私としては、この疑いは「世界一受けたい授業」に駐日フィンランド大使館職員ラウラ・コピロウ氏が出演し、フィンランドがいかに幸せな国かをプレゼンしたことでほぼ確信に変わった。)

とは言っても自然も多いし、海はあるし、暖房は暖かい。トナカイもサンタさんもいる。素敵な文化もある。暮らすには微妙だけど、住むにはとてもいい場所だと思うので、住んでみたい方は是非!百聞は一見にしかず。

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