ホリー

心の世界に興味があります。幼少期の母親との関係で作り上げた思い込みを、書くことで少しず…

ホリー

心の世界に興味があります。幼少期の母親との関係で作り上げた思い込みを、書くことで少しずつ外せてきている気がします。言葉に出せないことも、書くと心が整理されるように思えます。

記事一覧

自我

私はことのほか自我が強い。これまでしてきた事を振り返ると、よく分かる。 負けるのが嫌いだし、人の事は気になり欲張りだし、認めて欲しい気持ちは強い。思いやって譲る…

ホリー
2年前
1

愛される

母に愛されない自分はダメと思い、愛される妹に嫉妬したのは、「愛されることがいいことだ」という思いがあったからだった。 でも本当に、愛されるのはよくて、愛されない…

ホリー
2年前
2

問題解決

妊娠中、お腹が張って苦しくて歩くのがやっとだった時、何でもない横断歩道を信号が青のうちに渡れきれず、本当に苦労した経験がある。まさか、あんな簡単なことができない…

ホリー
2年前
3

意識のゆくえ

集中力には自信があった。 試験前日の夜中の12時から、主要科目以外の美術などは、一気に何十ページもあるノートを、数時間で丸暗記できたし、期限までにやらねばならな…

ホリー
2年前
1

小さい頃、母に妹のようにべたべた可愛がられなかった私は、愛されないと思い込んで、自分を否定してきた。 このままの私では駄目、といつも成長しようと頑張ってきたのに…

ホリー
2年前
3

コート

おしゃれだった母のお気に入りのコート。 こんみりした、焦げ茶色のバックスキンは本物で、首にファーがついている。 品の良いすらっとした、オーソドックスな形のロング…

ホリー
2年前
1

口が重い

私はあまり話さないタイプだ。 自分を出さないできたこともあって、話下手が劣等感でもある。気持ちを上手く言葉にできず、歯がゆい思いばかりするので、いっそのこと何も…

ホリー
2年前

完全

もともと完全だった神はある時、自分とは何かを実感したいと思った。いつも愛に満ち溢れていると、それが当たり前になり、わからなくなってきたのだ。 そのための最良の方…

ホリー
2年前

私は

私はステンドグラス。 はるか昔にこの大きな教会ができてからずっと、薄暗いこの場所に唯一、明るい光を入れるのが役割のひとつでもある。 活気ある外の世界を感じること…

ホリー
2年前

こころ

嫌なことが起きると、マイナスの感情が湧く。それが昇華できないままエネルギーブロックとして残ると、ものごとをありのままに見られなくなる。 その傷は人それぞれで、生…

ホリー
2年前

褒められたい

認められたいと誰もが思う。 人を思いやることが苦手な私は、本当はとても人の評価が気になる。人はどうでもいい、というほどに、自分のことしか考えられない自己中なのだ…

ホリー
2年前

同じ

ジャガイモをたくさん入れ物に入れて、ごろごろかき回すと、お互いが揉まれて皮が剝けてくる。 私達も同じように、人との係わりの中で成長していく。被害者になったり、加…

ホリー
2年前

おしゃれ

おしゃれ、と聞くと母を思い出す。 若い頃、好きで美術館に通いつめ、世界中の有名な画家の絵をいっぱい見て色を覚えた、とよく言っていた。 もともと、美的感覚も優れて…

ホリー
2年前
2

パン

子供の頃からパンが大好きでずっと食べ続けてきたけれど、このところやめている。 専門店の飛び切り美味しい本格的なパンはもちろん、スーパーにある手ごろなものまで、私…

ホリー
2年前

足の指は、いつも忘れがちだ。 靴下や靴に凝っても、足の指にはあまり注目しない。お風呂で体は入念に洗うのに、つま先や、足裏まで同じようには洗わない気がする。 でも…

ホリー
3年前

エチュード

ショパンのエチュードを本当に久しぶりに弾いてみた。 練習曲なので、いわゆる指慣らしだけれど、さすがショパンだけあって、それぞれの曲が、美しくドラマチックだと思っ…

ホリー
3年前
1
自我

自我

私はことのほか自我が強い。これまでしてきた事を振り返ると、よく分かる。

負けるのが嫌いだし、人の事は気になり欲張りだし、認めて欲しい気持ちは強い。思いやって譲る事もあまりないし、できるだけ損をしないように考える。

でもそうすればするほど得は遠のき、かえって自分が傷ついてきたように思う。

そして自我は何もできない、と聞いた時にやっぱりな、と思った。私が何かをしようと強く思うと、必ず失敗したから

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愛される

愛される

母に愛されない自分はダメと思い、愛される妹に嫉妬したのは、「愛されることがいいことだ」という思いがあったからだった。

でも本当に、愛されるのはよくて、愛されないのは駄目なのだろうかと考えると、それは良い悪いの問題ではなく、

愛することも、愛を表現するのも素晴らしいけれど、愛することも、愛されないということも、ただそのことがあるだけなのだと思った。

だから、「愛されるのが良い」という思いを手放

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問題解決

問題解決

妊娠中、お腹が張って苦しくて歩くのがやっとだった時、何でもない横断歩道を信号が青のうちに渡れきれず、本当に苦労した経験がある。まさか、あんな簡単なことができないなんて、とショックだったけれど、できないものは出来ないのだ。

だから、信号待ちでお年寄りが横断歩道を一生懸命渡ろうとしていると、頑張れ、もう少しだから、と応援したくなる。

動かそうとしても足が出ない情けなさも、信号待ちで待たせてはいけな

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意識のゆくえ

意識のゆくえ

集中力には自信があった。

試験前日の夜中の12時から、主要科目以外の美術などは、一気に何十ページもあるノートを、数時間で丸暗記できたし、期限までにやらねばならないことも、諦めずにやり通した。

あのころの集中力は我ながら凄かったと思う。

しかし最近は、価値観を手放すため、湧いてくる感情をじっと見つめようとしても、いつの間にかまるで違う事を考えていて、結局浄化できないままに終わることが多い。

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光

小さい頃、母に妹のようにべたべた可愛がられなかった私は、愛されないと思い込んで、自分を否定してきた。

このままの私では駄目、といつも成長しようと頑張ってきたのに、心は満たされず、妹に嫉妬したり、そんな自分を責めたりしてきた。

意識は常に、もらえない私にあったけれど、「私はこのままでいい」と言い続けていたら、ふと、私の存在も、傷ついた母にとっては愛だったのではないか、と思った。

自分の方からで

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コート

コート

おしゃれだった母のお気に入りのコート。

こんみりした、焦げ茶色のバックスキンは本物で、首にファーがついている。

品の良いすらっとした、オーソドックスな形のロングコートは、いかにも秋の色だ。同じバックスキンのベルトもたっぷりとして、豊かな気持ちになる。

ずいぶん昔に、母が私にくれたそのコートは、私には大げさ過ぎて似合わないのではないかと、あまり日の目を見ない。

一度、おしゃれな友人の所に来て

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口が重い

口が重い

私はあまり話さないタイプだ。

自分を出さないできたこともあって、話下手が劣等感でもある。気持ちを上手く言葉にできず、歯がゆい思いばかりするので、いっそのこと何も話さないでいる方が、気楽でいい。

でも、そんな自分を好きでないし、言いたいことは溜まる一方だから、口下手は損で悪い事、というイメージしかなかった。それは直すべき欠点と受け止めてきた。

口下手も無口も、決して悪いことではない、と頭でわか

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完全

完全

もともと完全だった神はある時、自分とは何かを実感したいと思った。いつも愛に満ち溢れていると、それが当たり前になり、わからなくなってきたのだ。

そのための最良の方法は、いったん愛を無くすことだと思いつくと、一つであった自分を様々な角度から眺められるように、いくつにも分けた。

そして、それぞれに欠点を授け、不完全にすることで、様々な葛藤を体験して結果的に、愛の素晴らしさ、完全であることの喜びを味わ

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私は

私は

私はステンドグラス。

はるか昔にこの大きな教会ができてからずっと、薄暗いこの場所に唯一、明るい光を入れるのが役割のひとつでもある。

活気ある外の世界を感じることも、静粛な教会を眺めることも好きだ。そうやって私は明るさと暗さの両方を見る。

ミサのたび、席に座ったり、跪いて祈る人が、一度は私を仰ぎ見るときの顔を、いつも美しいと思う。

ここには、本当に様々な、たくさんの人がやってきた。

結婚式

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こころ

こころ

嫌なことが起きると、マイナスの感情が湧く。それが昇華できないままエネルギーブロックとして残ると、ものごとをありのままに見られなくなる。

その傷は人それぞれで、生まれる前の経験でできた傷と同じものを持った親を選んで、人は生まれるという。

同じ問題を持つ親を通して、自分の問題と向き合うように仕組まれていたのだ。

私の場合は、満たされない親の愛を通して、本当の愛を知ることが課題だった。

幼い頃実

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褒められたい

褒められたい

認められたいと誰もが思う。

人を思いやることが苦手な私は、本当はとても人の評価が気になる。人はどうでもいい、というほどに、自分のことしか考えられない自己中なのだろう。

「なぜ自分は認められたいのだろう」と考えていたら、それは、「褒められたい」のだ、と気がついた。

そう、私は母に褒められたかったのだ。

愛されようと一生懸命にいい子になって、逆らわないように頑張ったあの頃は、なかなか母の思い通

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同じ

同じ

ジャガイモをたくさん入れ物に入れて、ごろごろかき回すと、お互いが揉まれて皮が剝けてくる。

私達も同じように、人との係わりの中で成長していく。被害者になったり、加害者でいることもある。

魂を磨きたいから、良い人ばかりでいたいというのは不公平で、時には嫌な役も引き受けねばならない。

でも被害者も加害者も、天からみれば平等なのだ。魂を磨くには、どちらがいい悪いはない。加害者が一方的に悪くもない。

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おしゃれ

おしゃれ、と聞くと母を思い出す。

若い頃、好きで美術館に通いつめ、世界中の有名な画家の絵をいっぱい見て色を覚えた、とよく言っていた。

もともと、美的感覚も優れていて、身に着けるもの以外にも、食器やクルマまで、ハイセンスなものを選んだ。

あまり見たことない、ちょっと目を惹く、いかにもいいなぁと思う、綺麗な色と柄の生地を買っては、私達のワンピースやブラウスを作ってくれた。

それを着ていると、必

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パン

子供の頃からパンが大好きでずっと食べ続けてきたけれど、このところやめている。

専門店の飛び切り美味しい本格的なパンはもちろん、スーパーにある手ごろなものまで、私は何でも食べる。パン生地が好きなのだ。

でも、気づいたら食事もおやつも毎日パン、という具合で、さすがによくないと気づき、我慢することにした。

パンは、ご飯に比べて、胃に軽い感じがするので、つい手が出てしまう。ハードな味わいのものも、フ

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足の指は、いつも忘れがちだ。

靴下や靴に凝っても、足の指にはあまり注目しない。お風呂で体は入念に洗うのに、つま先や、足裏まで同じようには洗わない気がする。

でも、足指がなければ歩けないのはもちろん、自分の足で歩かなくなると、足の爪が指に巻き付き曲がって、爪が切り辛くなるのを、母を見て知った。

それ程足指は大切なのに、なぜそこまで気が回らないのだろう。

ぺティキュアをして、足を綺麗にみせるこ

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エチュード

エチュード

ショパンのエチュードを本当に久しぶりに弾いてみた。

練習曲なので、いわゆる指慣らしだけれど、さすがショパンだけあって、それぞれの曲が、美しくドラマチックだと思った。

昔、練習していた時は、テクニックばかりに目がいき、指使いなど面倒だなという気持ちが強く、しかも、ショパンのエチュードは、有名過ぎて面白くなかった。

でも、一度ピアノから離れてみると、今まで分からなかったことが見えてくるものだ。

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