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意識のゆくえ

集中力には自信があった。

試験前日の夜中の12時から、主要科目以外の美術などは、一気に何十ページもあるノートを、数時間で丸暗記できたし、期限までにやらねばならないことも、諦めずにやり通した。

あのころの集中力は我ながら凄かったと思う。


しかし最近は、価値観を手放すため、湧いてくる感情をじっと見つめようとしても、いつの間にかまるで違う事を考えていて、結局浄化できないままに終わることが多い。

読んだ本のことを考えていたり、きのう会った人の言葉を思い出したりと、消し去りたい感情に集中できず、意識はあっちこっち動き回るばかりなのだ。

スマホをチェックしながらテレビのドラマを見たり、食事をしながらテレビを見ることが多い生活では、何かに集中することはできなくなっても仕方ないのかもしれない。

大人になればなるほど、日常の雑多な出来事に気を取られ、何かをやろうとしてもそこに意識はなく、他ごとを考えているのが当たり前になってしまったのかもしれない。


ふわふわと考えが頭に浮かんでは消え、今ここに、意識を合わせ続けられないほど、雑念だらけの頭でっかち人間になってしまったのかと思うと、何だか情けなくなってしまった。





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