A005_視線の有る無しで起きること【Aさんができること】
【1】あなたはどう反応しますか?
上のイラストをご覧ください。
4人が話をしています。
それぞれが思い思いに自分の言いたいことを言っています。
ときに笑いあり、ときに真剣な表情ありで時間が過ぎていきます。
これはその人の視線がどこに向けられているかを表しています。
よ~くご覧ください。
Aさん、Bさん、Cさん、Dさん。
一人だけ
孤立しています。
それは誰でしょう。
Dさんですね。
Dさんの視線だけが、一方通行です。
ここからがポイントです。
あなたがAさんだとしたら、あなたはDさんのために何ができるでしょう。
そして、
あなたがDさんだとしたら、どうしますか。
今回のテーマは「視線の有る無しで何が起きるか」です。
無視できない視線の影響力について書きます。
なお、今回はAさんに焦点を当てます。
次回、Dさんに焦点を当てます。
【2】ファシリテーターならこう反応する
BさんとCさんの反応が良いので、私の視線がBさんとCさんにばかり向いてしまっている。すぐにAさんにも視線を向けよう。そして、Aさんにも意見を伺うことととしよう。
【3】ファシリテーターならこう関わる
(視線をAさんに向けて話しかける)
Aさんはどう?
このことについて、どう思う?
【4】ファシリテーターならこう考える
BさんとCさんの反応が良くて、ついBさんとCさんの方ばかり見て、話しこんでしまっている。これでは、Aさんはこの場を楽しめていないかもしれない。Aさんにも視線を投げて、Aさんの具合をうかがってみよう。
BさんとCさんもAさんに視線を送っていない。これでは、なおさらAさんがこの場を楽しめていない可能性が高まってしまっている。私がAさんに話しかけることで、BさんとCさんの視線がAさんに向けられるかもしれない。
【5】ファシリテーターはなぜそう考えるのか
ファシリテーターは、この場に新たなアイデアが生まれることを期待しています。
そのためには、誰一人の存在もないがしろにすることはできません。
視線が一方通行で、相手から帰ってこない。
そればかりか、自分以外のひとたちの視線が双方向でやりとりされている。
この状況に気づいた人は、「孤立している」と感じます。
これによって、「悲しみ」や「寂しさ」や「不安」を感じるでしょう。
この場から離れたいと願うかもしれません。
視線は、関心の現れです。
私の視線は、相手がその場にいることを私が認めていることの現れです。
相手は視線を受けることで「私は、ここに居ていいんだ。」と思えます。
(言うまでもないことですが、ここで言う「視線」は「関心を表す(やさしい・真剣な・誠実な)視線」であって、「さげすむような視線」や「軽蔑を表すような視線」、「睨み(にらみ)」など攻撃的な視線を除きます。)
視線ひとつで、相手に不安感を与え、孤立させることができる。
それは、相互不信につながり、果ては「いじめ・いやがらせ」に発展するおそれをはらんでいます。
逆に、視線一つで、相手に安心感を与え、仲間としての結束力を高めることができる。
それは、信頼につながり、果ては「言葉を必要としない間柄」に発展する可能性を秘めています。
さて、
あなたのまわりのDさんは誰ですか?
是非、Dさんに視線を送って、助けてあげてください。
Dさんが話をしているときも視線を送ってください。
そのときの視線は、
「私は、あなたにも、そしてあなたの話す内容にも関心があります」のサインです。
Dさんが笑顔で話をしているときに、私が送る笑顔と私の視線は、
「私は、あなたが嬉しそうにしているのを私も嬉しいです」のサインです。
(ただし、相手が笑顔だからといって本心から喜んでいるわけではない場合もあるので、この点には要注意です。)
さぁ、あなたの周りで視線を浴びていない人を目で探して、
視線で助けてあげましょう!
次回は、もしも私がDさんだったら・・・をテーマに書こうと思います。
楽しみにして頂けると、ありがたいです。
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