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コードギアス名言Vol.20「間違ってるとか正しいとか、誰が決められるって言うのよ。(カレン)」

物語と名言

ブリタニア軍が式根島に行く情報を入手した黒の騎士団は、ユフィの騎士となった枢木スザクを捕虜にして仲間に引き入れるため、仕掛けを用意して待っていた。

作戦通り、ゼロは”ゲフィオンディスターバー”というナイトメアの動きを封じる装置がある所にスザクを誘い込む。ナイトメアを降り、一対一で話をするゼロとスザクだが、「結果」と「過程」を重視する二人は、やはり理解し合えない。

そこに、ブリタニア軍からの「ゼロを拘束せよ」との指令が入る。ゼロを始末するチャンスということで、スザクにはゼロを打ち倒した功績で2階級特進を約束する。部下に死ねという指令を出すブリタニア軍を許せないゼロだったが、スザクに拘束されてしまう。そこにルルーシュの義兄であるシュナイゼルのアヴァロンが現れ、”シュタルクハドロン砲”を放つ。

その瞬間、ゼロの仮面の左目が開く。

次の瞬間、二人は神根島に漂着していた。

スザクの近くには水浴びをしていたカレンがおり、ゼロの近くにはユーフェミアがいた。ゼロの正体に薄々勘付いていたユーフェミアは、ゼロに「ルルーシュなのでしょう?」と尋ねると、ゼロは仮面をとり正体を現す。二人は数年ぶりに義兄妹として話し合うのだった。

水浴びをしていたカレンはスザクに気付くと、黒の騎士団の服で身を隠しナイフで攻撃しようとするが、スザクにあしらわれ、拘束されてしまう。カレンは裸を晒してしまう。

スザクはカレンに、黒の騎士団を抜けるよう忠告する。もちろんカレンは聞く耳を持たないが、スザクはゼロのやり方では未来はないと言う。カレンは名誉ブリタニア人になったスザクを許せなかった。

「最後の侍、枢木ゲンブの名が泣くね!私は、この間違った世界を変えてみせる!そうじゃなきゃ、お兄ちゃんが浮かばれない。だから私は戦うの!」

と、スザクの父の名を出すと、スザクは、

「カレン、僕はね、父を殺したんだ。父は自決したんじゃない。
 僕が殺したんだ。」
「ゼロは僕の父と同じだ。世界は自分を中心に回っていると思っている。」
「だから今を受け入れろって?そんなのが平和なの?命より大事なものってあるでしょ?」
「諦めろと言うつもりはないよ。でもね、僕は知ってるんだ。間違ったやり方で得た結果が何を残すか。行き場のない虚しさと、後悔だけだって。」

そこで答えるカレンの今回の名セリフ。

「じゃあ襲えてよ。お兄ちゃんが生きていた意味って何?」
「間違ってるとか正しいとか、誰が決められるって言うのよ。」

スザクの言うことに、カレンもどうすることもできなかった。

名言の本質

物語の流れで言うと、静の回と言えますが、物語は動きがない時の方が、物語を振り返って本質的な重要な会話があったりします。ルルーシュとユーフェミアの会話も、死んだと思っていたルルーシュと再会できたが、微妙な二人の距離感ももどかしいし、重要な会話でもあります。
ただ今回は、名言として取り上げると、カレンのセリフに尽きます。

父を殺したことをずっと隠していたスザクが、その事実を受け入れ、間違ったやり方で得られた結果を認められるようになりました。カレンにもそん事実を言えたことも、スザクの変化を表していますが、ブリタニアに日本を占領され、日本を取り戻すために戦って死んだ兄は、何の為に生きていたのか。カレンにも理由があり、スザクにも理由があります。だから、理解し合えないのですが、スザクが正しいと思うやり方も間違っていると思うやり方も、カレンにとって同じではありません。

絶対的な正しさは存在しない

誰かの正しさは、誰かにとっては間違いでもあるし、その逆もあります。スザクが過去、どんな間違ったやり方をして得た今だとしても、カレンにとってはそれを正しいとも間違ってるとも聞いめることはできません。
もちろん、社会的なルールや法律というものが一つの正しさではあると思いますが、それは絶対的なものではありません。

正義は誰の中にでもあり、誰かに向けた正義は、相手にとっては悪になり得ます。正義も悪も、結局は己の中にしかありません。スザクのように、戦争を止める為に父を殺してしまうという間違ったやり方によって、日本は占領されてしまい、この結果を変える為に名誉ブリタニア軍になったわけですが、カレンに押し付けることはできません。

どんなに確証があっても、正しいのか間違っているのか、その答えは自分の中にしかないと、私は思っています。そして、それを誰かに押し付けることも、間違ったやり方と言えるかもしれません。自分が思う正義を貫くことしかできないんでしょうね。コードギアスは、そういうことを描いている作品なんだなと感じます。

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