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考えている人と考えていない人

働いていてよく思うこと

私はリハビリ職として日々働いていますが、ときどき思うことがあります。同じスタッフでも、色々と考えながらリハビリをしている人とそうではない人がいるなと。もちろん、自分自身も忙しかったり、なかなか効果が見られなかったりすると、いつの間にかマンネリ化したメニューを行っていたりしてハッとすることもあります。

セラピストの成長

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私が思うにセラピストとして成長が目覚ましいのは3年目位までではないかと思います。石の上にも3年と言いますが、1年目は右も左もわからず、早く一人前になろうと毎日勉強し知識も増えて成長します。2年目になると、後輩が出来て教えることもするようになるし、1年目との実力を比べられるようになり、まだまだ分からないこともあり、やはり勉強する姿勢があります。3年目位になると取り敢えず一人前という風になりますが、責任も増して組織全体が見えるようになってきたり、先輩も後輩も見るようになり、自分に足りないものも見えてきたりして、問題意識が芽生えます。でも、それ以降になると一人前と見なされ、周りからあまり仕事にたいして口を出される事も少なくなります。そうするとこの辺りから、努力を続け成長が続く人と、停滞する人が別れてくると思います。停滞する人も日常業務を手落ちなくこなしているので、周りからはあまり目立たずちゃんと仕事をしているように映ります。

考えているセラピスト

よく、思うのがなぜその運動をおこなうのか?という思考過程です。例えばある整形疾患や障害によるリハビリでは、代表的ないくつかの運動を行うことが職場内での常識だったりします。少しずつセラピストによってやることは違いますが、わりと同じメニューをどのセラピストも入れています。もちろんそれは間違いではないかもしれません。ただ、なぜそのメニューをやるのかと言うことについて、自分なりの考えはしっかりあったのかが時々気になることがあります。先輩が伝統的にやっていたから、教科書に書いてあったから、この疾患にはこのメニューをするのが常識だから…は根拠にはなりません。先輩と同じことをしているとなんだかちゃんとやっているような気がします。周りからもわりとそう見えます。でも、そのまま年数を重ねてしまっているセラピストが割合いるような気がしてならないのです。

良いセラピストの選び方

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歩行が上手に出来ないから、歩行練習をする。階段が上手く昇れないから階段の練習をする。風呂桶を上手く跨げないから、跨ぐ練習をする。おそらく特別な阻害因子がない限り、なにも考えなくても練習をすれば練習前よりも上手く出来るようになっていると思います。しかし、そこにリハビリ職としての専門性があるとは言えません。そこに考えがあるのと無いのとでは大違いなのです。例えば、ちゃんと機能的に考えている人は歩行が上手く出来ないときに、歩行のどの場面の時に上手に出来ないのかを見ます。そして、その場面に問題になっているのが、痛みか、筋力か、可動域か、重心の位置か、脚の長さか、注意によるものかなどを考えます。そして、個別にアプローチして、動きの中で修正を加えたりして、その前後を観察します。そうして、自分のアプローチが良い反応を引き出したのか、変わらないのか、悪い反応を出したのかを評価しながら、運動を進めていきます。これを動作分析といいます。良いセラピストは動作分析をして、なにかアプローチを加えて、また観察して、修正をしてを繰り返します。同じプログラムを漫然とやらせるセラピストや、動作分析を疎かにし、なにかアプローチを加えることもせず、歩行補助具をすぐに提案するセラピストはいまいちです。そういうセラピストには、動作のどの部分が、何が原因で上手くいっていないのか、詳しく聞いてみてください。

競争が健全性を生む

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努力家がいれば、そうでない人がいる。仕事が出来る人とそうでない人、頑張る人と頑張らない人が居たりするのは、どの業界でも同じだと思います。ただ、医療保険や介護保険は点数で決まっているので、業界的にも競争原理は働きづらいと思います。ただ、競争というのは、値下げ競争みたいな共倒れの競争でなく、一定の競い合いをするぶんには健全性を保つ良い方法だと思います。

近い将来、医者もセラピストも選ぶ時代が来るのではないかと思います。イメージとしては、キャバクラやホストクラブ、美容院のような指名制がいいかと思います。基本給は最低の保証として一定額を基準として、あとはインセンティブで指名が入る毎に上がっていくシステムがいいかと思います。最大で1.5倍位の差があってもいいと思います。たぶんこのシステムにすると、患者さんからは、はじめのうちは腕のある人、容姿のいい人に指名がいって、腕のない人、容姿がまずまずの人は指名があまり来なくなるかもしれません。でも、続けていくうちに腕のある人は予約で一杯になり、順番に定評のあるセラピストの予約が埋まるようになります。たぶんこの時点ではもう実力順で指名が入ってくる気がします。そうして、今まで漫然と働いていた人も、いよいよ色々と考えるようになって、組織全体として能力の底上げとなり、患者さんにとってもいい環境になるのではないかと思います。

と、今日は妄想の部分が多分にありましたが、やはりこの業界にも健全な競争と、頑張る人がちゃんと評価されるシステムが大事だと思い書いてみました。

それでは。

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