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「<かわいい緑のにおい>の改訂の仕方」

 まず、上記にある「覚え書き・メモ」のような「創作」を書いた。大分、粗削りで目が粗い、短絡的なものだ。プロットらしいプロットはない。「覚え書き」であっても「創作」として書いたのだから、読者から読んでもらわなくては意味がない。
 最初は、メモとして男女の性愛における交わりを書くつもりでいた。
 数行書いて、2日日間ほど放置しておいた。
 次に、小屋、それも暗い廃墟になっていて誰もがいかないところ、というのが思いついた。それから、最後のメッセージとなる、雑草、緑、かわいい緑という発想に行きついて、それを材料にして書き終わらせることにしたのだ。
 終わりは、無理やりきれいに終わりにしたというところがある。
 それが、裏話である。
 その原稿は、下記にある。
 太文字になっているのは、先ほど手を入れたところである。
 わたしは、いつもこんな調子で2万字数以上からショートショートまでを書いている。
 もちろん、「メモ」から長い作品ができることもある。

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空が薄青く、雲がほとんど見えない、日差しが優しく差し込む中、仲の良い男女が公園の椅子に腰かけていた。
 お互いの膝が触れたり、当たったりするぐらいの距離で向かい合っていた。
 彼女は、麦わら帽子をかぶり、しろのノースリーブのシャツに、ローライズのデニムだった。

女性


ウエストのくびれやおへそが色っぽく見えた。さらに、ローライズデニムなので下着のパンツがぎりぎり見えそうだったり見えなかったりと、その時の姿勢で変わった。わたしは、いつもと同じで青いボタンシャツの裾を出し、黒のデニムにスニーカーだった。二人とも軽装であった。
  彼女が、突然彼の顔を斜めに見ながら言う。
「あなた、わたしのあそこばかり見て、やりたいの? 」 
それを聴き、
「えっ」 
というと、
「わたしの胸やウエスト、おへそ、股間の当たりをなめまわすようにしてみているじゃない、視線はウソをつかないわよ」
「そうだね、言うとおりだよ。魅力的で、かわいいなって」
「隣に座りなさいよ、チェックしてあげるから」
「何をしらべるんだよ」
「こわいのね、バレちゃうのが」
「いいよ、隣に座るよ」
そういって彼は彼女の隣に座った。彼女は、彼の腿の付け根を触った。  「おいおい」
彼がそういっても彼女は止めない。
「気持ちいいでしょう、ももの付け根の当たりを触られると。大切なとこまで指が届いてしまいそうね。ここも触っちゃおうかしら? 大きくなっていたら恥ずかしいわよね。何もしていないのに、わたしの体を見て厭らしいことを想像していたということでしょう? オナニーしているときと同じじゃない」
「よくいってくれたな。やりたいのか、いいよ。あそこのビルの陰にある薄暗い木でできた小屋へ行こう。ビルの施設の道具とかがしまってあるように思えるな」
「あなたのお部屋がいいわ」
「今日はダメだよ」
と、ニヤリとしていった。
「すごいや、ここは、廃墟だな、全く使っていなかったみたいだ。
 こんな廃墟の小屋でも、ところどろこに光を浴びながら雑草が強くたくましく、そして、美しく生えているじゃないか。緑だよね」そう彼は言った。
 「誰にも見られるつもりじゃなかった雑草たちね。かわいいわ。この雑草の上に横にならない? 」
そういって、彼女は彼を誘い、二人して仲良く寝転んだ。
 手をつなぎながら、ふと、目と目が合う。
 彼が言う、
「緑のにおいがするね、本来なら、誰も見たり触れたりにおいをかいだりしない雑草、緑なんだよ、緑はよろこんでいるのかな」っていう。
 彼女は、
「あなたが、今日、偶然にも誘ってくれた朽ち落ちた廃墟の小屋の中でのデートは最高よ」
 そういって、彼女は優しく彼の頬にキスしてきた。
 彼女は、彼に強く胸を押し当てるようにしてキスしてくる。彼は、強く彼女を抱きしめ、臭いをかぐ。そして、彼女のウエスト、ヒップへと手がまさぐるように伸びる。彼女は、それに応えるかのように、彼が強く触ることができるように、彼の動きに合わせて、体を動かす。
 彼が上になり、彼女は彼の下になる。
 彼の背に廃墟の小屋へ入り込んできた光が当たるのが分かる。彼女の体のところどころへ光が当たる。彼の前の姿にだけ光が当たらず、暗く、少し怖いようなイメージする。
 その怖さは男性だけが持っている怖さであり、彼自身をよく知っているから感じることができる、彼自身特有の怖い側面と通じ合っている。
 しかし、その怖さは緑のにおいで、打ち消される。
 彼は、彼女のタンクトップをメクリあげ、ブラの上から愛撫する。
 そして、彼女のデニムパンツのジッパーを下ろし、下着の上から股間へと触る。黒い毛が見え濡れている。
 きっと、キスで感じたのだろう。
 彼女が言う、
「わたし、濡れていることは自分でわかるの、わたしの濡らせてくれたのは、あなたが背に光を浴びた時に感じるあなたの怖い暗い顔と前の姿、それと緑がかわいいにおいなのよ、この二つが調和がとれリズミカルに踊っているみたいなの」
「その緑のかわいらしさが、あなたみたいなのよ。そうかと思うと暗いあなたの前から見た姿が怖くて、その両者がね、わたしの心の中で波打つようだったの」
 彼は少しの間、黙っていた。
 そして、独り言のように言う。

「ゆっくり、目をつぶろう」
 静かに時が過ぎていく。緑のにおいの漂い。


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