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(ネタバレあり)ジェノサイド犠牲者の名前を呼ぶということ,その意味―ヴァディム・パールマン監督『ペルシャン・レッスン:戦場の教室』レビュー―
公式サイト 予告映像(YouTube) ナチスの強制収容所に入れられてしまったユダヤ人青年(ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート)が,自身をペルシャ人だと偽ってナチス親衛隊将校(ラース・アイディンガー)にデタラメのペルシャ語を教える役割を演じることで生き延びる,という筋書き。実話に基づいているという。 その設定と予告映像で見せられていたものからしてある程度コメディタッチなものかと思っていたが,そこはさすがにナチスを描いた映像,全編を通して重苦しい雰囲気のまま進められる。
【博物館レビュー】アーティゾン美術館「パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂」と「Art in Box ーマルセル・デュシャンの《トランクの箱》とその後」
東京・京橋にある、アーティゾン美術館。 マネやモネなどの印象派をはじめとして幅広くコレクションし公開活動も精力的にやっているくせに、なぜか大学生含めた学生がいつでも無料という太っ腹。なので、大学院生という立場を生かして暇つぶしがてらよく行っている。そしてだいたい、暇だった時間を超えて楽しんでしまうというところまでがお約束。 今回はまず「パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂」に。 持ち前のそこそこの人間観察力を発揮したところ、立ち方や歩き方を見る限り客層の6割程