デザインと言葉とアートと政治【6月の読書記録】
こんにちは!デザイナーのイワイです。
毎月やってる読書記録も3ヶ月目です!三日坊主理論で行けば今回が潮目ですが、次回以降は途絶えてしまうか見ものですね。
今月は特にテーマを決めて読んでいた訳ではないのですが、デザイン系の本を意外と読んでたのでデザイン系部門とその他部門で分けて書いていきます。例によってそれぞれ面白かった順です。
それでは行ってみヨーカドー!(意外と長いです)
●デザイン系部門
ブランディングデザインの教科書
「僕がやりたいことって、ブランディングなのかもな〜」と思って、じゃあ実際どういうことしてるんだろうと思って読んだ一冊。
めっちゃ面白かったし、為になったな〜(毎回言ってる気がする)。
「ブランディングってそもそもなんなの?」や「マーケティングとの違いは?」などの基礎的な話から、初めて聞く面白いワークフレームを知れてとても面白かった。
特に、ブランディングデザインの3階層の「MCC = マネジメント・コンテンツ・コミュニケーション」というワークフレームは知れてよかったなと思います。
自分が業務で行っているサービスデザインというものと経営とのモヤモヤがハッキリ示されていて、自分がどういう仕事をしているのか・そしてそれがブランディングとどう関係しているのか・自分がブランディングに携わるには何をしていかなければいけないかが整理でき、為になりました。
公式で書籍紹介ページがわかりやすくトピックを紹介されていますので、気になった人は是非!(サイトも素敵で本当にいい会社ですね〜)
ロゴデザインの教科書
また教科書シリーズですね。沢山勉強していて偉いね〜
「そういえばロゴデザインって作例集はよく買ってるけど、ちゃんと本とかで勉強とかしたことないな〜」と思って購入しました。
実際、作例集的なパートが大半なんですけど、前半に佐藤可士和のインタビューと実際のロゴ制作のフロー(クライアントのやりとりや、方向性の定め方)が記載されていてそれが為になった。(と言うよりそれ目的で買った)
新しいロゴとツール展開
こちらも、改めてロゴの勉強をしたいなと思い購入。
ロゴデザインの教科書との違いは、あちらがロゴデザイン単体をメインにして紹介しているのに対し、この本は作られたロゴが製品・空間・企業ブランディングにどう展開されているかに商店が当てられています。
作例数でいうと、ロゴデザインの教科書よりは少ないのですが、ブランドや思想を感じ取るにはとても良い本でした。また冒頭でロゴメイキングが2例読めるのも良い点でした。
DX時代のサービスデザイン
これ〜良かったですね。
DXとか関係なく、サービスデザインの全貌を把握するのにめっちゃ良いのでは。
割と内容はガッツリ詳しく書いているんですが、結構読みやすい文体だったり、章ごとのエクササイズやコラムがあったりで、とても読みやすかったです。タイトル通りサービスデザインをDXに活かす為にはという部分にも踏み込んでいて良かったです(実践できる気はあまりしてないけど……)
UXライティングの教科書
今月3冊も教科書読んでいるのか!偉すぎる!
タイトル通りUXライティングについて書かれた本ですが、メインはログインやエラーメッセージなどの、場面に応じたマイクロコピーの作例集みたいになっています。今はそういう画面を作っているわけじゃないので、タイミングが来た時に作例集的に使いたいですね。
デザインとヴィジュアル・コミュニケーション
一昨年とかにブルーノ・ムナーリ展に行った時に一目惚れして買った本を、やっと読みました。
美術家・発明家でありグラフィック/プロダクトデザイナーであるブルーノ・ムナーリが、ハーバード大学で講義したヴィジュアルコミュニケーションについて行った授業を基に書かれています。
正直、書いてある内容は全然分からなかったです。なんとな〜く、テクスチャなどの原初的なビジュアルにどう新しい意味を持たせられるか、みたいな実験的な授業なのかなと感じ取りました。
全然分からなかったのですが、後半の生徒の作品は魅力的なものばかりでした。この授業受けたかったな〜!てか確実に実際に自分でやらなきゃ分からないことずっと書いてると思う。(デザイン系の本なんて何でもそう?)
●デザイン以外部門
「自分らしさ」と日本語
これね〜、良かった。
本の内容は、社会言語学という観点からアイデンティについて考察する入門書です。「そもそも自分とはなんなのか?」という問いが生まれつつあったので、この本が読めてよかったなあ〜と。
(字数の関係でアイデンティをIdentityと書いてます。ウケるね。)
ここのモヤッとした出来事なんですが、大学時代に友人と「男性と女性とでは、明確に能力差(スカラー量ではなく、ジャンルの話。例えば理系科目は男の方が向いている、みたいなもの。)がある」という話で口論?議論?になったことがありました。
友人の主張は、「論文としてデータが出ているから能力差はある」というものでした。
確かにデータとして出ているなら事実かも知れないが、それは「社会が女性に強いている所為」で、継続で向き不向きのデータが生まれているのではないか、という主張を返したのですが、当時の議論は平行線でした。
この本では「女ことば」についても取り扱っているのですが、そこでは「『女ことば』は実際にはあまり使用されず、フィクションなどにより女性に<ひかえめで、丁寧で、柔らかい女らしさ>な印象を与えた」「それによって『女性は女らしさを生まれながらにして持っている』という誤解が広まった」「<女ことば>は『女の子なんだから丁寧な言葉づかいをしなさい』などのような、規範としての側面がある」といった主張がされています。
その「規範」って、僕が当時言った「社会から強いられている女性性」に近い部分があると思うんですね。まあ思い出したってだけの話なのでオチはないのですが……バイアスには気を付けたいですね。
(もし解釈や要約等が違っていたら、著者・編集の方、ごめんなさい。感想ツイートを編集の方に無言RTされてビビっています。)
公〈おおやけ〉 日本国・意思決定のマネジメントを問う
元東京都知事の猪瀬直樹氏が、過去の政治的出来事や、自身の作家・政治家経験を通じて、公的機関の不透明性などを綴っている一冊になります。
最近の政治への不信感や、一体どうしてこんな意思決定が行われるんだろうというのが気になっていたのと、務めている企業が古くて爆裂にデカいので公的機関と似たようなことが起きているんだろうな、とうっすら感じていたので読んで良かった。
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~
はい、僕はこの著者の方はツイッターでリコーダーとピアニカをバカにしてたからあまり好きじゃないんですが、本は面白かったです。
要は変化の速度が高くなって不確実性が上がった社会ではルールが社会に追いつかないんで、法令遵守してれば何でも良いの精神よりも、自分の中に確固たる美学・美意識を持ってビジネスしよう、みたいな話です。VUCAとかよく言いますしね、そんな感じの本です。
この本の内容がそうなのかは分からないですが、これからドンドン変化のスピードが早くなると思うので、速さを上げるよりも、変わらないモノを勉強したり鍛えていきたい気持ちはありますね。。リベラルアーツをちゃんと勉強したい。。。
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はい!以上!なんとか間に合った!
こういうのは終わらせるのが大事なんでね。(毎月言ってる気がする)
結構分量多くなっちゃうとnote書くのもダルいし、どうしようかは検討中です。とはいえ、読書記録つけることで読める冊数も上がってる気がするので続けたいよね〜。
あとデザイン以外部門は3冊とも友達にオススメされた本なのですが、そういうのって自分の認知の外側から入ってくる刺激なんでめっちゃ良いなって思いました。知人各位、お互いにオススメの本をオススメし合う飲み会やりましょう。
終わりデース(ペガサス)
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