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ビジネスにおけるアート思考のインストール方法とは

先日、日経主催のイベントにご招待いただき、行ってきました。
昨今聞く機会も増えているような気がする「アート思考」について、ぴんと来ていないのもあり、『「なぜ今アート思考か?」そして「アート思考をどう活かすか?」について語り尽くします。』という絶好のイベントだったのでぽちっとしてきました。

イベントはこちら

オフィシャルレポート

<セミナーを受けての雑感>

たくさんの方がレポートを書かれているようなので、私は主に、自分が向き合う日常業務にビジネス観点でインストールできそうだと思ったポイントをメモとしてnoteに残したいと思います。

✔時代の変遷とともに変化したビジネス思考

ビジネスにおける思考は時代変遷とともに変化してきたという。

ロジカル思考 → デザイン思考 → アート思考

マスが優遇された昭和の時代は、解釈の多様性を残さない、「みんなが理解できる」ことが求められていため、ロジカル思考が優遇された。
ロジカルの究極は「六法全書」。誰が読んでも同じ理解が出来る。そこには感情や熱量が一切入らない。

一方、アート思考は対極にあり、熱量が高ければ高いほどイノベーティブなアウトプットになると言える。説明がつかない部分があるから、課題解決に慣れている人にとっては「もやっとする」のがアートとも言える。

わたしのマガジンでも書いたことがあるのですが、これは、起業家、スタートアップベンチャーのCEOが求められるマインドであり、それについて言及されていたのでなるほど感がありました。

✔起業家に求められるマインドセットと繋がる


起業家に共通していることとして、原体験やコンプレックスがあるかどうか。そういう人は強い。コンプレックスや原体験などそもそも莫大な熱量持っていて、投資家の判断基準もそこに置かれていたりします。

これは私が以前投稿したnoteにも共通していた内容だったので良かったら参考までに。

✔「ミッション・バリュー」を考えるうえで、大事なフレームワークになりうる。

デザイン思考は課題を考察し、解決策はなにかのwhatを表現するのに有効。
アート思考はなぜ、それをやるのかのwhyを表現するに期待を持っているというお話でした。
そもそも~の思考で捉えことで、色んな人と共通言語で会話できるようになるのでは、と考えているそうです。

「なぜやるのか」
「それをやるのはなぜ他でもなく自分たちである必要があるのか」

Whyを深掘るのは大事…
これはまさに今、本業で直面している会社課題だったので、共感度MAX。
組織に所属している人ほどそう思ったんじゃないでしょうか…

「上が決めたことをやればいい」というマインドだと、ヒトは成長しないし、事業衰退の道を歩むばかり。一方自分ゴト化して取り組めるヒトを育成するには、一貫してブレない「ミッション・バリュー」が浸透していないと難しい。

いま企業は他者の価値を重視しすぎているから、中の人間が自分たちがなぜそれをやるのかが見出せなくなってしまってる。これではモチベーションは上がらない。もっと自分たちのこと、本来自分たちが大事にしなければならないことに立ち返る必要があるなと感じました。

✔企業の新規事業にありがちな落とし穴

アートの個別性と普遍性と、ビジネスにおけるニッチとスケールについては似ている。
理解されることに時間がかかるのがアートだが、いつかは理解されたり称賛されるのもアートである。それゆえ、個別性が重要だとしても独りよがりではなくそこには普遍性のエッセンスがあるかどうかが重要になる。
ビジネスにおいても同じ。
皆がやっているビジネスは陳腐化してスケールしない。

今では「なんでも買える、すぐ届く」生活のインフラになりつつあるAmazonも、最初ニッチから始まった。
ユーザーは「ニッチなレア本を買いたい」がために、ハードルが高かったクレカの番号入力も厭わない。そういうニッチなターゲットにフォーカスしたことで、Amazonは大きくなっていった。

同じ「ニーズ=1」だとしても熱量のある方に集中するからスケールする。
そのニーズを満たすために「お金を払うかどうか」
企業にありがちなのは最初からレア本ユーザーを着目すると、それって市場のパイ、全然ないじゃん、と判断されがち。

新規事業に向き合うと、当然売上を求められるが、市場を作るのはそう簡単ではないし、目先のことだけを考えていては、イノベーティブな創造性は見いだせないなと改めて実感したのでした。

もちろん、新規事業はイノベーションだけじゃない。
ゼロイチばっかりだと、不確実性高すぎてリスク。だから、同じ新規事業だとしても、企業としてどの領域でどういった成果を求められるのかをしっかりと見極めることが重要だと思います。

✔アート思考だけがすべてを叶える魔法ではない。

新しいフレームワークなどがインストールされると、ついこういう志向に陥りがちだが、そうではない、というエクスキューズ。

成功する=スケール=結局行く先はマス。前述のとおり、マスに行くときにロジカルシンキングが必要で、アート思考だけで成功事例になることはない。戦略や事業の方向性をを考えるうえで、もっと深く入って検討してみよう、というときの手段としてアート思考を使ったり。
思考の領域は、適宜取捨選択するのが良いのかなと感じました。

ロジカル、デザイン、アート。それぞれは思考の深度ともいえる。
より抽象度を高めて概念で考察するときにはアート思考が役立つ。それを具体化して事業計画や戦略に落とすには、ロジカルが必要。

この使い分けが現場で出来るようになりたい。


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