2月:祝福のシュークリーム【短編小説】1300文字
「好きだよ」
桃色の唇がうっすらと開いた。4文字で蕾が花開くような、甘い囁き。
あぁ!この気持ちをどう伝えよう。
どう言えばこの想いがちゃんと届くのか、願わくば相手の心に響いて揺らいでくれるような。
やっぱり、頭で考えるより、ストレートなこの言葉には叶わない。
「私も・・・好きです」
先輩の顔を直視することができず、二人の間にある雑誌に目を落とす。
午後の勤務開始まであと5分。
この季節には珍しく太陽の光がカフェスペースいっぱいに降り注がれて、窓際の席に座っている先輩の細く長