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悲鳴が聞こえて、お風呂屋さんへ【エッセイ】1300文字

我が家の築年数は十年以上です。
中古で購入して約七年。元からあった設備がいつ悲鳴を上げてもおかしくない状態ですが、悲鳴が聞こえるまで事前に私たちにできることはたぶんなく、その時が来たら対応しようと思っていました。
そして、まずは小さな悲鳴が聞こえました。

「シャワーのお湯が熱いよ」
子供たちと一緒にお風呂に入っていた旦那が言ってきました。
旦那がまだ服を脱いでいるとき、先に入っていた娘がシャワーを出したのですが、熱くてきゃあきゃあ言っていたと。
子供たちは熱さに敏感なので、まぁいつものことだろうと思って旦那もシャワーを出したところ、確かに熱かったんだと。
その後、温度は落ち着いたようでしたが、旦那は原因が私だと言い出しました。

「温度、上げたでしょ」
あぁん?!温度変えてないし。私が違うと言っても納得していないようでした。
でも、私も何かが引っ掛かる。

その数日後、給湯器のリモコンにエラー表示が出たためすぐさまお客様センターに電話することになりました。
その日は土曜日。来てくれるのは翌週の水曜日。
突然お湯が出ない生活になったのです。

取説を見てエラー表示から原因を確認していると、何やら温度管理をしている部分での異常のようで。
そう、シャワーが熱かったのはこの異常が始まりつつあったからなんです。
で、思い出しました。
朝、いつもぬるま湯で顔を洗うのですが、お湯が熱くて水を多めに出していたような気がすると。
ん-、悲鳴聞こえなかった!無視しちゃってた。

土日は同じ県内に住む旦那の実家に急遽お泊りすることにし、平日の月曜日と火曜日は近くのお風呂屋さんに行こうということになりました。
いざお風呂屋さんを検索したのですがあまりなくて。
スーパー銭湯はあるのですが、平日の夜、子供たちの寝る時間もあってのんびり過ごすこともしないのに、一人1000円近く出すなんて。
大きな湯舟が一つだけあれば十分。
旦那が車で数十分のところに大人一人400円のお風呂屋さんを見つけ、平日はそこに行くことにしました。

「ほら、ツウっぽい人がお風呂に入る時に持ってるようなもの、欲しいね」
旦那の言うことはわかります。
洗面器やカゴに大きなシャンプー類を入れてお風呂屋さんを訪れるやつです。
故障した給湯器は保証期間が危うくて交換部品がすぐ手に入る確率は低い、と旦那はみていました。だから長らく通うことになるだろうと。
なので、私は100均一でカゴやボトルを調達し、せっせと詰め替えをしました。

外は真っ暗な夜にみんなで車に乗って出かける。それだけでワクワクしました。
お風呂屋さんには2,3種類のお風呂があったので娘と一緒に制覇し、サウナにも挑戦し、娘の水風呂チャレンジを見守って(彼女は水風呂に全身浸かりたいみたい)、行って帰って一時間半ぐらいですが、非日常を味わいました。
結局、給湯器は修理に来てくれた方の車に交換部品が積んであったためすぐに直り、お風呂屋さん通いは二日だけでした。
全取り換えなら50万円以上の出費だったのですが、修理費約3万円+お風呂屋さん料金約1200円×2日ぐらいで済んでよかったと思っています。

これから寒くなるのですが、この給湯器が故障したのは10月半ば。
まだ夜がそこまで冷え込むような時じゃなくてよかったです。
次に悲鳴が聞こえるのは、あなたかもしれない・・・

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