手に余る彼女たち【短編小説】
目の前にはケーキが3つある。
1つは、ツヤツヤした黒茶色のドーム型に星屑が散りばめられている。
そこに赤紫の線が虹のようにドームをまたいでいる。
もう1つは、箱型に真っ白のクリームで模様が描かれている。
その上には何種類ものフルーツが盛られていて、海賊の宝箱のよう。
最後の1つは胡桃色のクリームが山のようにぐるぐると渦巻いている。
頂上には今にも転がり落ちてきそうな黄金の栗が輝いている。
そしてケーキを見つめる彼女たち。
駅前に小洒落たケーキ屋ができた。
有名なパティシエが