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イトシマメグル #11

伝統を引き継ぎ、伝える心


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あっという間に3月になった。今日は大濠能楽堂に地元の福井神楽保存会の舞いを見にいってきた。正月に夜神楽を見て以来、神楽に興味を持つようになった。

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「かぐら」の語源は「神座」(かみくら)が転じたとされており、神座は「神の宿るところ」を意味しているそうだ。そして、神楽は、宮中の御神楽(みかぐら)と、民間の里神楽(さとかぐら)に分けられており、福井神楽は里神楽にあたる。

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それにしても正月に見た夜神楽はすごい迫力だった。

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元日未明の白山神社、舞台上で繰り広げられる先人より脈々と受け継がれてきた神々の舞に見る人も吸い込まれていく。

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迫力ある動きとその神秘的な雰囲気が相まって思わず引き込まれてしまった。なかでも地元の学生のエネルギッシュな舞いが特に印象的だった。

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舞いが終わり舞台を降りると、舞手はいつもの地元の人の顔に戻っていた。少しまだ高揚感が残るなか、やりとげた笑顔が印象的だった。伝統ある神楽が地域のみなさんによって支えられ、伝えられている。 地域で伝統が受け継がれていく尊さを感じた一日だった。

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そして今日の大濠能楽堂。演目である「弓の舞」で使う装具の重さは約7キロもあるそうで、今回から保存会の40代の舞手がこの演目を引きついだそうだ。40代でもまだ若手らしい。演舞が始まると切れのいい動きや、独特の音楽にすっかり魅了された。

3弓の舞

公演が終わったあとに保存会のみなさんに話を聞くことができた。保存会のみなさんは仕事や勉強の合間に集まって練習を重ねているそうだ。親から子へ、先輩から後輩へ、地域で大切に引き継がれてきた神楽を、自分たちが絶やしてはならないという強い決意を持っていることが、ひしひしと伝わってきた。

能楽堂0141

情熱的な舞いを見て、また舞台を下りた後の保存会のみなさんの生き生きとした姿に接することで、僕もこの伝統の一端を担いたいという気持ちが芽生えた不思議な感覚になった。ただそれがそう簡単なものではないことは、舞いを見て伝わってきた。新たに芽生えたこの気持ちが、これまで1年間糸島で生活してきたことで生まれたものかはよくわからない。ただ一層糸島を深く知り、糸島と繋がっていきたいという気持ちが強まったのは確かだ。

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これからこの伝統の神楽とどのようにつながっていけるかはわからないけど、まずは5月に白山神社で行われる神楽の写真を撮って記録を残すことで少しでも地域とつながっていけたらいいな。

#12 へメグル

(協力:公益財団法人 福岡文化財団)

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DJ 栗田善太郎



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