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風がキラッと吹いたとき 各話の<前書き>、<プロローグ>


<前書き>


「菜々ちゃん、何読んでるの?」

「綾ちゃんたちの話とか、わたしたちの話とか」

「あぁ~」

「あっちの世界に有る色々なものが、こっちの世界に無いから、書いてないんだって」

「へぇ~(書いて無ければ、わからないよ)」

「わたしたちが動いているのが見え始めて、あ、顔は見えないらしいんだけど、どうにか書いたらしいよ」

「あ~、随分色々と聞かれたよ(物好きだよね)」

「文字のデジャビュも見ていたんだって。書き直すうちに消したのも有るらしいけど」

「ふ~ん(自分も送ったかも……)」



Ⅰ. piu vivo (しまいこんだ歌)   

<プロローグ>

 わたしは子守歌をきかせている。


 ずっと忘れてしまっていた。

 奥に仕舞い込んでいた。

 そのことも忘れていた。

 どこに?

 そのことすら覚えていなかった。

 

 ふたたび歌えるようになるなんて、

 思ってもいなかった。



Ⅱ. rhiza, fos (つなぎとめる何か)

<プロローグ>

どこかに千切れて飛んでしまわないように

どこかで漂わないように

必死に自分を繋ぎ止めていた。


繋ぎ止めてくれる誰かが現れた。


境目が曖昧であっても……。

透明であっても……。




Ⅲ. macaron (キッカケ)

<プロローグ>

閉じ込めたものを

自分で開くときも有れば、

誰かが開けることも有る。

あの時、何が聞こえたのか。

今、何を見ることができているのか。




Ⅳ. frater (時をこえて、夢のなかで)

<プロローグ>



 よく”ここ”に来ている。

 今回は、(多少)、目的が有った。

 自分の目的ではないけど、自分の目的でもあって。


 


Ⅴ. subito (そして続いていく)

<プロローグ>


この一連の話はここで終わりになるはずで、

でも、物語は続いていく。

最後に、しあわせなだけの話をもう一つ。


覚えていてもいいのに忘れていて、

決めていてもいいのに決めなかった。

すぐ傍に居てくれたから。



※ どれからお読み頂いてもよいですが、ⅠかⅡかⅢからがわかりやすいです。

※ Ⅰ,Ⅲがわかりやすいですが、ⅡーⅣも推しています。



<続き>


Ⅵ. 青空と桃(rheo)

<プロローグ>

王女さまもお年頃になった。
当の本人は、それどころではないらしい。


そうこうしていても、
流れていく。

こっちだよと声をかけられながら。

思い出しながら。



<後書き>




いいことが起こりますように。




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