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70.3人の税理士に相談した結果

イタリア移住に必須な滞在許可証。
留学生として留学ビザで移住したものの、ほかのタイプに変更しようとこれまでにさまざまなチャレンジをしてきました。
まずは婚活して配偶者用、次に購入物件を探して居住用。
そして求職用が出たので、ついに強制的に就労用の滞在許可証を目指すことになりました。


コンメルチャリスタってなに?

ブラッチャーノ旧市街の1400年前の物件に賃貸で住むことになり、家を購入すると発行されるというディモラ、居住用滞在許可証の線は消えました。
なので、引っ越してしばらく経ったころから、Commercialista(コンメルチャリスタ)の元をたびたび訪れ、どんな仕事なら私でも就労資格を得ることができるのが模索することになります。

イタリアでCommercialista(コンメルチャリスタ)と呼ばれる士業ですが辞書を引くとこのように出てきました。

1.商学士(経済・商学部の卒業者)
2.会計士
3.(商法上の事件を専門とする)弁護士

小学館伊和中辞典より

今さら知りましたが、コンメルチャリスタとは税理士のことだと思っていたら会計士のようです。
でも、監査というより、税務関連の書類の作成や申告手続きが主な業務なので私の感覚的には税理士の仕事に近いと思います。

イタリアで税務番号を取得し税金を納めるにはコンメルチャリスタの支援が必要なので、何か事業をするには必須な存在です。
どのコンメルチャリスタに頼むかによって、その後の展開が大きく変わってきます。

腕利きと評判の税理士

私にとって初めてのコンメルチャリスタ、税理士は元大家さんに紹介してもらった人です。
ブラッチャーノで腕利きと評判の税理士で、お店を経営している元大家さんも彼に頼んでいるので相談してみたら?と、わざわざ一緒に行ってくれたのが最初でした。

彼の優秀なところは、経済と法律、2つの学部を卒業しているところだと元大家さんは言います。
そのため、商業上における法の抜け道をたくさん知っているのだそうです。

その税理士が私に提案したのは3つの職種でした。

1.Presentatrice dei prodotti italiani(イタリア製品の紹介人)
2.Insegnante del corso della cucina italiana(イタリア料理教室の先生)
3.Custodine del chiave(鍵の管理者)

最初の2つはともかく、「鍵の管理者」とはいったいどんな職業なのでしょう?
税理士曰く、B&Bの鍵を管理してオーナーに代わって滞在者を案内したり、旅行者のためにレストランを予約したり、観光スポットやお店などの情報を提供したりする仕事だと言います。

なかなか面白いことを言う税理士だと思いました。
何の資格もない中途半端な私が、なんとなくブラッチャーノで始めた仕事を的確に表しているし、さすが2つの卒業資格を持つ税理士だと感心したのですが。

彼の最大の難点は、アイディアは良いけれど実行に移すのに時間がかかるし、そもそも物忘れが激しくアポイントメントを取ることすら難しい、ということでした。
話がまったく前に進まないので、求職用滞在許可証のリミットまでに間に合うかどうか、ものすごく不安です。

友だちの信頼する税理士

知人のイラン人を通じてナゾの弁護士ロマヌスを紹介してくれた友人が、自分の税理士がとても優秀なので頼んでみると良いと言います。
でも、そのオフィスがブラッチャーノではなく、オリオーロ・ロマーノという離れた場所にあったので気乗りしませんでした。

しかし友だちは税理士オフィスに行くことなんてそんなにないし、自分が連れて行くから大丈夫、とにかく彼女は優秀だから1度一緒に行ってみようと言うのです。

その税理士オフィスはオリオーロ・ロマーノ旧市街にありました

こうして半ば強引に連れていかれたオリオーロ・ロマーノのオフィスで、ブラッチャーノの税理士から勧められていた「鍵の管理者」のことを話したら、そんなのぜんぜんダメダメ!と一蹴されます。
そして、観光ガイドと通訳を勧めるのですが、その2つの職種は資格保持者にしか認められていません。
それを伝えるとしばらくパソコンの画面を見て、今度は「Accompagnatore(アッコンパニャトーレ)」があると言います。

アッコンパニャトーレとは、旅の同行者のような職種でそのことは私も知っていました。
しかし、以前に調べたところ、やはりそれにも資格が必要だったのです。
それを税理士に伝えましたが、そんなことはない、大丈夫だから、時間もないしこれで書類を作ってしまおうと、税務番号申請をしてしまいました。

彼女はその次の日から夏休みに入ることになっていたのです。
そして、夏休み明けに私に電話をしてきました。
やはりアッコンパニャトーレには資格が必要だったと。

そんな展開になることは予想していたので、彼女の夏休み中に私は第3の税理士を探し始めていました。

友だちのお客さんだった税理士

私はおしりに火がつかないと動けないタイプなので、今度こそ本当にダメかもしれないというシーンに何回も遭遇しています。
そして、なかでもこの時の滞在許可証更新手続きはトップ3に絶対に入る展開となりました。

第3の税理士が見つかったのは9月に入ってからです。
ご主人が車の整備をしている友だちが、ご主人の顧客に税理士がいるから紹介する、ということでした。
鳴り物入りで紹介されたこれまでの2人に比べると、なんだかとても軽くて薄い感じのつながりですが、この時の私には道はそれしか残されていません。

9月1日にオフィスを訪れ状況を説明し、2人目の税理士が作った申請を破棄し、新しく税務番号申請をし、友人だという滞在許可証申請書類の作成業者にむりやり最速でアポイントメントを入れて、期限切れだった9月4日の夕方までに無事にすべての書類を郵便局から移民センターへ発送することができました。

どのような手続きを踏んでここへ至ることができたのかは、また別の機会に書こうと思います。
とにかく煩雑で話しが長くなるし、興味のない人には面白くもなんともない内容になるはずなので。

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