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84.イタリア移住にビザは不要?

84~100までの17項目は移住に必要な情報や具体的な方法について書いていく予定です。
私の経験に加え、当時とは変わっていることもあるので現時点での最新情報も盛り込んでいきます。
これを書き終わるころには、私もプロのイタリア移住コンサルタントになってるかも。


ビザと滞在許可証の違い

移住を考えるようになるまで人生にまったく関係なかったのでこの2つの違いについて考えることもなかったばかりか、同じことだと思っていました。
しかし、2回目の留学ビザを取るために行った東京のイタリア大使館で「2年目以降は改めて留学ビザを取るためにここに戻ってくる必要はない、現地で更新手続きができるから」と言われてその違いについて考えることになります。

ナショナルビザ

イタリアに91日以上滞在する場合はナショナルビザを取得しなければなりません。91日以上の滞在を希望する方は渡航目的に沿ったナショナルビザを申請してください。なお、ナショナルビザを利用した渡航の滞在期間は365日までに限られ、1年以上の滞在を希望する場合はビザの延長ではなく現地で滞在許可を更新する必要があります。

イタリアのビザ申請方法 | ETIAS application site (etias-web.com)

EU加盟国へ入国するのに必要なものですが、シェンゲン協定加盟国である日本パスポートを持っていれば90日以内の滞在であれば免除されています。
それ以上になると必要になるのが「ビザ」ということになります。
目的によって種類が異なり、留学、就労、家族用が一般的です。

滞在許可証

日本のイタリア大使館で発行してもらった留学ビザでイタリアに入国したら、それで終わりとはなりません。
ビザを持ってクエストゥーラと呼ばれる中央警察署へ出頭し、イタリアに滞在するための許可証の発行手続きが義務付けられています。
これが、「Permesso di soggiorno(ペルメッソ・ディ・ソッジョールノ)」と呼ばれる滞在許可証です。

ビザはイタリア国内でのみ有効ですが、滞在許可証はEU全土で効力を発揮します。
たとえばイタリアに入国後90日以上経ってからドイツやフランスへ行くとき、ビザやパスポートだけでは入国できませんが、滞在許可証があれば可能です。

労働許可証もある

今回ビザと滞在許可証について深掘りしていたら、労働許可証の存在を知りました。

外国人が、連続する6カ月間のうち90日を超えてイタリア国内に滞在して労働する場合、イタリアの入国管理当局に労働許可証を申請し、イタリア労働局から許可証を取得しなければならない。
労働許可証を受領後、自国内のイタリア大使館や領事館において、労働目的の入国ビザを申請し取得する。入国ビザを取得後、当該ビザをもってイタリアに入国する。
イタリアに入国後、滞在許可証の申請を郵便局で行い、警察から滞在許可証を取得する。

外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用 | イタリア - 欧州 - 国・地域別に見る - ジェトロ (jetro.go.jp)

初めから就労目的でイタリアに渡る場合に必要になるそうです。

ビザがなくても滞在許可証があればOK

イタリアで暮らしている分にはビザの出番は一切ありません。
2年目以降はビザで発行してもらった滞在許可証を延長していくだけの手続きとなるからです。

そして、この滞在許可証を更新していくことによってのみ、イタリアに住み続けることができます。
すなわち、移住です。

ビザと混同しがちですが、移住に必要なのはあくまでも滞在許可証。
EU圏内への移動はもちろん、日本との往復便の乗り継ぎがEU圏内になる場合も必須。
有効期限切れの滞在許可証だと出ていくことはできても、その後90日経過しないとEU圏内に再入国することはできません。

滞在許可証の失効

滞在許可証を維持し続けるために気を付けなければいけないのは、長い期間イタリアを不在にすることと期限切れです。
その場合は延長や更新がされず失効となります。

Il permesso di soggiorno non può essere rinnovato o prorogato se si è interrotto il soggiorno in Italia, permanendo all’estero, per un periodo continuato superiore a 6 mesi, o superiore alla metà del periodo di validità del permesso di soggiorno, a meno di gravi motivi (servizio militare e simili).
(滞在許可証はイタリアでの滞在を中断し外国に滞在している期間が連続6ヶ月を超える場合、または有効期間の半分を超える場合は更新または延長することができません)

Permessi di soggiorno in scadenza o scaduti, cosa fare? (integrazionemigranti.gov.it)

兵役など免れることのできない理由がない限り、イタリア不在期間が連続 6 ヵ月を超える場合、または保持している滞在許可証の有効期間の半分を超える場合、滞在許可証の更新や延長はできません。

Quali sono i diritti dello straniero nella fase di rilascio o rinnovo del permesso di soggiorno?
la richiesta del rilascio del permesso di soggiorno sia stata effettuata dal lavoratore straniero all'atto della stipula del contratto di soggiorno, ovvero, nel caso di rinnovo, la richiesta sia stata presentata prima della scadenza del permesso, o entro sessanta giorni dalla scadenza dello stesso.
(滞在許可証の発給または更新の段階における外国人の権利とは?
滞在許可証の発給申請は、外国人労働者が滞在契約締結時に行うか、更新の場合は、許可証の失効前または失効後60日以内に行う)

Permessi di soggiorno in scadenza o scaduti, cosa fare? (integrazionemigranti.gov.it)

こちらの情報によると失効後でも60日以内に更新手続きを行えば、どうやら再発行してもらえる権利を主張できるようです。
権利はあるし主張できるものの、確実に再発行とは書かれていないところがミソと思われます。
失効後、61日以上経つとその権利すら無くなるということです。
いずれにせよ、更新手続きは期限切れの60日前から行うことができるので早めにすることをお勧めします。

ブラッチャーノ旧市街のお店にいた看板犬
ちなみにピアディーナ専門店です

内容と全く関係ありませんが、あまりに事務的だったのでブラッチャーノ旧市街で撮った写真を載せてみました!

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