杉田庄一物語 その66(修正版) 第六部「護衛」 ヴェンジェンス作戦
ところで、暗号解読によって連合艦隊司令長官が前線視察をするという絶好の機会を得た米軍は、どのように作戦を計画し、実行したのだろうか。
「提督ニミッツ」(E・B・ポーター、フジ出版)によれば、米軍太平洋艦隊無線部隊が最初に山本長官視察に関する無線を傍受したのは四月十四日早朝となっている。米軍情報主任参謀のエドウィン・レイトン中佐は、「耳を疑いたくなるような無線傍受に成功した」という連絡を受けた。解読され、翻訳された日本の通信文に書かれていたのは、山本長官が前線を視察すると