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杉田庄一物語_杉田庄一の生涯についての研究

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杉田庄一は世界のエースパイロットの1人としてスミソニアン博物館に写真展示されていますが、その生涯はあまり知られていません。生誕百年を記念し、杉田の生涯を多くの記録から追っていき、…
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2024年6月の記事一覧

杉田庄一物語 その72(修正版) 第七部「搭乗員の墓場」 第二次ソ作戦

  六月八日、ラバウルの司令部で行われた「ソ作戦」後の研究会で二つの攻撃要領が確認された…

Stonefield
1日前

杉田庄一物語 その71(修正版) 第七部「搭乗員の墓場」 ソ作戦

 六月四日は、「スルミ方面」敵機邀撃戦と戦闘行動調書に記載されていて、四時三十分から八時…

Stonefield
2日前

杉田庄一物語 その70(修正版) 第七部「搭乗員の墓場」 六〇三作戦

 劣勢を挽回するために、ふたたび「い号作戦」のような敵航空兵力の撃滅を図らねばならぬと第…

Stonefield
3日前
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杉田庄一物語 その69(修正版) 第七部「搭乗員の墓場」 ラバウルは搭乗員の墓場

 五月八日、旗艦「武蔵」艦上で連合艦隊作戦会議が開かれた。席上、古賀峯一連合艦隊司令長官…

Stonefield
4日前

杉田庄一物語 その68(修正版) 第七部「搭乗員の墓場」 嵐の前の静けさ

 昭和十八年五月一日、下士官兵の定期進級日である。杉田、大原、中村、中澤、渡辺清三郎など…

Stonefield
5日前

杉田庄一物語 その67(修正版) 第七部「搭乗員の墓場」 連日の出撃

 四月下旬、二〇四隊の「飛行機隊戦闘行動調書」をみると、山本長官遭難の日から四月いっぱい…

Stonefield
6日前

杉田庄一物語 その66(修正版) 第六部「護衛」 ヴェンジェンス作戦

 ところで、暗号解読によって連合艦隊司令長官が前線視察をするという絶好の機会を得た米軍は、どのように作戦を計画し、実行したのだろうか。  「提督ニミッツ」(E・B・ポーター、フジ出版)によれば、米軍太平洋艦隊無線部隊が最初に山本長官視察に関する無線を傍受したのは四月十四日早朝となっている。米軍情報主任参謀のエドウィン・レイトン中佐は、「耳を疑いたくなるような無線傍受に成功した」という連絡を受けた。解読され、翻訳された日本の通信文に書かれていたのは、山本長官が前線を視察すると

杉田庄一物語 その65(修正版) 第六部「護衛」 ブイン異変

 話をもどして、柳飛長の証言(二誌から抜粋)で撃墜時の状況を追ってみる。  柳谷飛長の証…

Stonefield
8日前
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杉田庄一物語 その64(修正版) 第六部「護衛」 山本長官遭難

 四月十八日六時、快晴。ラバウルの東飛行場の輸送機発着所に七〇五空の一式陸攻三機が機首を…

Stonefield
9日前

杉田庄一物語 その63(修正版) 第六部「護衛」 二〇四空、前日の動き

 午後二時ラバウル東飛行場、搭乗員に対して「指揮所前へ整列」の命令が出た。集合した搭乗員…

Stonefield
10日前
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杉田庄一物語 その62(修正版) 第六部「護衛」 山本長官前線視察の電報

<山本長官前線視察の電報>  四月十三日、第八艦隊及び南東方面艦隊司令部より、ブインの第…

Stonefield
11日前

杉田庄一物語 その61(修正版) 第五部「最前線基地ブイン」  X攻撃作戦・Y攻撃作…

<X攻撃作戦>  四月七日、X攻撃作戦初日。二〇四空は、九小隊二十七機の零戦でルッセル島…

Stonefield
12日前
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杉田庄一物語 その60(修正版) 第五部「最前線基地ブイン」 い号作戦

 四月三日、連合艦隊司令部がトラック島の戦艦「武蔵」からラバウルに移された。「い号作戦」…

Stonefield
13日前
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杉田庄一物語 その59(修正版) 第五部「最前線基地ブイン」 潜水艦による補給物資輸送

 三月二十日、二〇四空は、早朝五時から「遭難潜水艦上空哨戒」任務に三小隊九機の零戦で出撃している。おそらく米軍に襲われた潜水艦の救助要請によって出動したものと思われる。指揮官は、野田隼人飛曹長。潜水艦を発見できず、敵とも遭遇せずに九時五十分に基地に戻っている。  前線への補給物資輸送は潜水艦の任務になっていた。本来は、米軍の本国からの戦線への補給物資輸送を断つことに働かねばならないはずの潜水艦が、輸送艦のような任務のために動かざるを得なかった。このことは、戦略的にみれば潜水