美術部と決めてたのに吹奏楽部を選んだ訳
美術部に入部する予定が……
自分は幼少期から絵を描くのが好きで、自然と自由帳に毎日絵を描いてきた。
図工の授業も、絵の具や色塗りは苦手ではあったものの、自分の好きな事や世界観が活かせて楽しかった。当時ハマっていたポケモンや創作キャラクターをテーマに描いたり作る事もよくあった。
アニメクラブにも5年・6年に所属していた。好きなイラストや漫画を描くクラブだ。
主にポケモンやカービィなどのゲームの二次創作を、シャーペンや鉛筆で執筆していた。
荒削りではあるが、長編ギャグ漫画を描いててノート3冊は超えた事もあった。
中学生になっても絶対に美術部に入る。
自分も周りもそう確信していた。
ところが……
入学式の日、入場の瞬間。
吹奏楽部の演奏が始まった。
音の迫力とハーモニーの美しさに感動し、
一瞬にして心を奪われた。
退場曲は、
https://youtu.be/EHVx1yyzjlI?si=xfkFbOna1LmAPR30
自分がポケモンにハマっていたのも相まって、更に感動した。
どちらの曲も編曲も吹奏楽にとても合い、最高であった。
『すごい!私も演奏してみたい!!』
と、強く思った。
更に、校長先生のお話で『チャレンジする心』という言葉に感化された。
しかし、もちろん美術部も諦め切れず、正直相当迷った。
まずは仮入部に参加。
フルート、ドラム、グロッケン、トランペット、クラリネット、トロンボーンを試奏するも、あまり音が出ず、上手く弾けず。
唯一、トロンボーンが音が出しやすかった。
リコーダー等とはまた違った、
金管楽器特有の唇への振動、音が胸に響く感覚も新鮮で、驚いた。
放課後の野外コンサートも聴きに行ってみた。
19の『あの紙ヒコーキくもり空わって』等、当時流行りのJ-POPに
などなど。
壮大で格好良い演奏のあまり、次から次へと感動が止まらない。
吹奏楽部への入部は決定的なものとなった。
いざ入部すると
トロンボーンの吹きやすさと直感で、
第1希望トロンボーン、
第2希望チューバ、
第3希望ホルン。
だったのだが、宿題忘れた居残りでオーディションに参加出来ず……
必然的に第2と第3どちらかを選ぶ事に。直感でチューバを選んだ。
毎日の朝練に腹筋、
週一の裏山への走り込み、
運動場での声出しに合唱…等々。
今思うと、昔から体力もなく運動音痴な自分にしては相当ハードだった。
チューバは最初はかなり重たかった。部室から練習場所へ持ち運ぶのも一苦労。手にはマメができた。
音が低いので、唇への負担は少なく音が出しやすい。
代わりに音が揺れたり割れやすいので、かなり腹筋を使う。
簡単なリズムが多いが、低音の大黒柱と言われてるだけに音のパワーが強い。
少しでも音がズレたりミスすると音が目立ってしまう。
簡単そうで難しい。
楽譜も読めず、運指や運指表の読み方も全く分からず。
直属の先輩から、楽譜の読み方を丁寧に教えて頂いた。
同じ練習場所のユーフォニアムの同級生に、
楽器の形やピストンが似ているという理由で運指をしつこく何度も尋ね、
「だーかーらー、G(ソ)の運指は1と2!」
等、渋々ながらも教えてもらったりもした。
(中1の頃は良くも悪くも鋼のハートな所があった……)
更に中等度の発達障がいの為、
・人より疲れやすい
・慣れたり、飲み込みが遅く、忘れっぽい
・聞き取りが苦手。人からの指示がきちんと聞けない上、曲を音のまとまりか、一回に一つ程度の楽器しか分からない
・空気が読めない、人との距離感が掴めない、人付き合い、協力や足並み揃える方法や比喩表現等が分からない
・興味ありなし、得意不得意の差が激しい
・個人練習中、すぐ集中力が切れる
・2時間以上もどう個人練習すれば良いか分からない
・演奏中すぐ猫背になる
・先輩や顧問にそれらを聞いたり相談する発想が無かった
(発達障がいを知られてなかった時代なだけに、的確に答えられるか何ともだが…)
※自分の場合です。特性は個人差が大きいです
周りのお蔭で何とか慣れてきて、ある程度楽譜も読めたり演奏できるようになった。
しかし、自分の特性上では、吹奏楽部は明らかに不向きであった。
当時は自分が障がいがある事も、改善方法も全く解らなかった。
(30歳を過ぎて親に知らされた)
先輩方には度々同じ事を尋ねたり何度も注意させてしまったり、
同級生部員に馴れ馴れしく接して鬱陶しがられたりしながらも、
若さ故か謎の勢いと、有り難い事に先輩方・後輩達に励まされ、
思う所があり度々退部したくなりつつも、何とかギリギリ引退まで続けられた。
手のかかる自分に何だかんだでお付き合い頂き、本当に感謝極まりないです。
高校でも同じ楽器を続けていたが、特性上、驚く程の飽き性が祟ったり、
周りに馴染めず熱心さに着いて行けず、練習方法や更なる上達方法も、
後輩への教え方やまとめ方も分からず、
自分なりに工夫しても苦痛で仕方なく、高2で辞めてしまった。
その後は美術部に入部し、最初から掛け持ちしていた文芸部と曜日が被る事もなく続けていた。
中学校の文化祭で美術部の作品展示を毎年観に行った時、絵画や漫画やアニメのイラスト等を拝見してて『皆好きな絵を描かれてて、凄く楽しそうだなぁ……』と羨望の気持ちもあった。
高校でも授業中に描いたり寝る間も惜しむ程、絵を描く方が好きだった。
最初から美術部に入部すれば良かったかな、と後悔した事もあった。
学生時代は障がいがあるとは言え、部員や顧問の皆さん等の足を引っ張ったりと、多大なる迷惑をかけてしまい大変申し訳無かったです。
高校になり、故郷の吹奏楽団に見学にも数回足を運んでたが、
学校との両立や、フルタイムでの仕事後クタクタで行くのが困難で断念……
勿論、良かった事もある
・楽譜が読めるようになった
・挨拶やお礼等、少し礼儀は身に付いた
・当時ある程度体力が上がった
(マラソン大会で中1は46位→中2で15位→中3では11位に伸びた)
・人見知りな故、多少ではあるが様々な部員と交流できたり、様々な趣味に触れられたりもした
大人になった今、思うと
・吹奏楽に限らず、音楽関係の演奏会を鑑賞する趣味が定着した
・故郷や地元の吹奏楽団の方々数人と繋がり、交流や音楽の情報交換が出来た
・作曲技術が上がったり、アイデアや知識が増えた
・朝日作曲賞(全日本吹奏楽コンクールの作曲部門)に応募したい、という巨大な夢が出来た
(案の定、悪戦苦闘している。生きてるうちに一曲は達成したいな……)
今の生活が落ち着いてきたら、地元の吹奏楽団で自分のペースで、
今度は楽しく演奏や上達が出来ると良いな、と考えている。
自分なりに少しはコミュ力も上がり視野が広がってきた、と信じたい。
難易度は上がるものの、パーカッションが様々な楽器が弾けて、
特性的に向いてるかな?と思い検討中である。
様々な事を抜きに考えてみると、
吹奏楽に挑戦して良かった、と今なら思える。
最後まで読んで頂き、誠に有難う御座いました。
宜しければサポートお願いいたします🙇♀️頂いたサポートは生活費や作品制作の費用に使わせていただきます!