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けがれた者達の歌 冬景

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冬の季節に書いた 冬の詩と物語の在り処 #雪ん子 #お化けの子 #妖 #柊 #白い狼
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#視線

それは…

それは…

見えない所に
本物が有る様に

牙に欲望を
背中に邪気を
視線に不埒さを

それは穢くて
それは醜くい

僕の本質か

内面に
本当が隠れている様に

血に甘さを
肉に靭やかさを
骨に強さを

それは綺麗で
それは美しい

僕の嗜好か

甘さと香り

甘さと香り

君の存在が

思考に焼け付く様な痛みと
記憶に甘さを残し

神経に焦げ付く様な痛みと
拭えぬ香りを覚えていくのだ

視線を
僅かに反らしてしまうのは

私の心を眼から
覗き込まれている様な
気がするからだ

妖

此の白い仮面の下

見つめる視線があるの
気付いているのか

お前の影に潜み夢に潜り
密かに側をすれ違う

身体に原因の分からぬ
引っ掻き傷に
気付かなかったか?

近頃は僅かな血の味では満足できぬ

此の白い仮面の私と
視線が合ったなら

覚えの無い傷から
血が流れ出てるはずだ

無意識

無意識

此処は

硝子越しの無機質な君等と

大きな硝子瓶が
十数列分、並んでいて
生臭さが漂い

悪意ある意識と

張り詰めた空気

足元を掬う罠がある

僕にレッテルを貼ろうとする視線に

今日迄だから
そんなモノ要らない と

僕が気付いて無かった
無意識の癖を
言ってきた者に言う

癖

隙を見せぬ様に振る舞い

他人が僕の何を見て
何を思うかなんて分からない

右利きの僕に

『紙を数える時は左
そして利き目も左ですよね?
そして、それは…
誰に教わったのですか?』

なんて意味深な目で
問い掛けて来る

僕は視線に気付いていたが
観察されてたとはね と、

僕は笑った

卑怯

卑怯

僕は卑怯だから

君の視線が

僕に向く様に

君の前で

泣いて見せるんだ

泣いている理由も

僕は君のせいだ!って

僕は

君に言うんだ

言いなりなのは…

言いなりなのは…

視線が合えば
つい逸らしてしまう

きっと
その手を触れる事も
実際には
儘ならないはず

唇に触れるなんて
此方からなんて
本当は無理なんだ

それ位に
あなたに
心を囚われた身では
言いなりなのは
此方の方。

視線

視線

瞳が合った気がして
気のせい?かな、と

声を掛けられた気がして
勘違いだったかな?と

見られてた気がして
自意識過剰だったかな?と

考えてしまうけど
やっぱり
気のせいなのかな

醜い心

醜い心

今の私の
心や姿が醜くく
言葉や仕草さえも
不快に思え
触れるものも
汚し散らしてしまいそうだ

『今の私は
誰にも見られたく無い』と、

思っているのに
視線の高さまで来て
私の顔を
覗き込むモノがいるのだ