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『君たちはどう生きるか』批評
もう8月下旬なのに今年初めてのnoteの更新です!
実は下書きは少し書いていたのですが、多忙を極めているうちにネタが腐ってしまいました。。。
久しぶりの更新は宮﨑駿の10年ぶりの長編映画作品『君たちはどう生きるか』について書きたいと思います。
予告を一切打たないという前代未聞のマーケティング方式にも関わらず、公開初動4日間の興行収入は『千と千尋の神隠し』を超えるなど、大きな話題を呼びました。
月末映画紹介『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』『愛なのに』
久しぶりに映画について書きます。
お時間ある方は是非。
狂気の並行世界を生きる 『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』
量子力学には並行世界という概念があります。並行世界(=パラレルワールド)は今僕たちが生きている宇宙とは似て非なる無数に広がる別の世界のことです。
僕たちは常に大なり小なりありとあらゆることを選択しています。どんな仕事をして、休日はどこで何をして、誰と人間関係
『フレンチ・ディスパッチ(略)』の話
ウェス・アンダーソン監督の最新作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』を鑑賞しました。
これはある視点から見れば、ここ数年で最も素晴らしいと思える映画でした。
ウェス・アンダーソン監督は、アメリカの映画監督で『ザ・ロイヤル・テネンバウムス』(2001)『ダージリン急行』(2007)『ムーンライズ・キングダム』(2012)『グランド・ブタペスト・ホテル』(201
月末映画紹介『DUNE /デューン 砂の惑星』『ひらいて』批評
『DUNE /デューン 砂の惑星』は何が素晴らしく、何が嫌われてしまったのか
あらすじ
アトレイデス家の後継者、ポール。彼には未来が視える能力があった。宇宙帝国の皇帝の命令で、その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる、過酷な《砂の惑星デューン》へと移住するが、それは罠だった・・・。そこで宇宙支配を狙う宿敵ハルコンネン家の壮絶な戦いが勃発。父を殺され、巨大なサンドワームが襲い来るその惑星で、全宇
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』批評〜過去作と共にクレイグボンドを振り返る〜
映画史にシリーズ作品、007の25作目になる『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が度重なる公開延期を経て、10月1日に公開された。実に1年半以上の公開延期を経てのファン待望の最新作であり、2006年の『007 カジノ・ロワイヤル』から今作含めて5作に亘ってジェームズ・ボンド役を務めてきたダニエル・クレイグのボンド役引退作です。
007を見たことない人にも伝わるように007シリーズと『007/ノー・
月末映画紹介『シャン・チー/テン・リングスの伝説』『君は永遠にそいつらより若い』 批評
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』アジア文化の集大成
ディズニー+問題
MCU初のアジア文化映画作品。MCUは『ブラックパンサー』(2018)でアメリカ黒人社会の文化やアフリカの歴史を描き、『ブラック・ウィドウ』(2021)では女性を主演にした大作映画を製作した。『ブラック・ウィドウ』は DCEUの『ワンダーウーマン』(2017)に女性のスーパーヒーロー映画としては先を越され、構想の練り直しも
月末映画紹介『プロミシング・ヤング・ウーマン』『サマーフィルムにのって』批評
女にとっての地獄の悪夢とは? 『プロミシング・ヤング・ウーマン』あらすじ
30歳を目前にしたキャシー(キャリー・マリガン)は、ある事件によって医大を中退し、今やカフェの店員として平凡な毎日を送っている。その一方、夜ごとバーで泥酔したフリをして、お持ち帰りオトコたちに裁きを下していた。ある日、大学時代のクラスメートで現在は小児科医となったライアン(ボー・バーナム)がカフェを訪れる。この偶然の再会こそ