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【小説】「別れよう」と言われた男(300字ショートショート)

「別れよう」
突然そう言われた時、秀夫は驚きのあまり啜っていたマックシェイクを噴き出しそうになった。
「本気か?」
「うん」
相手は真顔で頷く。
これ以上何を言っても聞いてくれそうにない。
「そっか……わかった」
秀夫は別れない方がいいと思ったが、どうしてもと言うのなら仕方がない。
「連絡してもダメか?」
「諦めた方がいい。もう繋がらないよ」
相手がそう言うので、続いて提案してみる。


「では別れて、別々のルートで探そう。俺は地上のルートで行く。お前は地下街を当たってくれ」

こうして、マクドナルドを飛び出した秀夫と大介は、外回り中に迷子になりスマホの充電も切れているであろう同僚の純平を探しに出かけた。

《終》

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