イノウエツバサ|映画レビュー

ライター。映画やエンタメ作品のレビューとエッセイを書いてます。マーケ会社勤務。以前は出…

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ライター。映画やエンタメ作品のレビューとエッセイを書いてます。マーケ会社勤務。以前は出版社・オウンドメディア支援会社で編集者、音楽系芸能事務所でマーケ。作家性の強い映画・アニメ・漫画、踊りたくなる音楽が好き。

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7年前に好きだったあの子からの手紙

引っ越しのための片付けをしていると、7年前の手紙が出てきた。差出人は当時好きだったあの子。7年前の夏、僕は恋をしていた。あの頃の僕は進路に悩むどこにでもいる高校生で、彼女は別の高校に通う中学の頃の同級生だった。 まさか7年後、再び将来に悩むことになろうだなんて、あの頃には思いもしなかった。僕は新卒で入った会社を辞めたばかりだった。文書を書く仕事がしたくて、小さな広告制作会社にコピーライターとして就職した。仕事はとても忙しく、日に日にストレスが積み重なっていった。ある日、カー

    • 【月報】2024年3月の振り返り。春を前に好転してきた

      3月の振り返りです! noteも書けたし、発信軸が定まった気がするし、インプトットも増やせて、まあまあ好転してきた気がします。 今月のTopicsReal Soundアニメ記事執筆 Real Sound映画部で2024年春アニメおすすめ記事を、主題歌という観点で書きました! 仕事で執筆ができて嬉しい! 2回目のDJイベント出演 お誘いいただき、2度目のDJイベントに出演しました! このイベントからDJをするのが楽しくなって、その後、シェアハウスでも3回ほどDJをしまし

      • 『14歳の栞』映画評。ただの中2の日常なのに、なんでこんなに忘れられないんだろう

        中学2年生のあるクラスの、なんてことのない日常を撮っただけの映画なのに、なんでこんなに忘れられないんだろう。 2021年に公開され、毎年春に上映されているドキュメンタリー映画『14歳の栞』。Xでバズっていた予告動画に心を掴まれて、その日のうちに観に行った。 なんてドキュメンタリー映画だ。観ているあいだ、中学生の頃の思い出がひっきりなしに呼び起こされる。スクリーンに映る生徒たちと、自分の思い出で脳内が大渋滞していた。 映画館を出たあと、雨が降る池袋の街を歩きながら、エンド

        • 友人の結婚式に出席したら、結婚する意味がわかった

          先日、友人の結婚式に出席した。僕と歳が近く、これまでに恋愛の話を何度も語り合ってきた友人だけに感慨深い。 挙式でのガチガチに緊張した友人を見ていると微笑ましく思えたし、結婚の誓いを立てたときは、家族や友人の前で一生の愛を誓うことが純粋にすごいなと思った。披露宴での幸せに満ちた光景は、胸に迫るものがあった。 正直なところ、僕は結婚することの意味をはっきりと、腑に落ちる形で理解していなかった。 ライフステージを前に進めるため? それはたしかにある。実際に先を越されたと思っ

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          アカデミー賞美術部門総なめの理由を解説。『哀れなるものたち』映画評

          ヨルゴス・ランティモス監督の最新作『哀れなるものたち』。2024年の第96回アカデミー賞で主演女優賞、衣裳デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、美術賞の4部門を受賞した話題作だ。 本作を鑑賞したとき、細部までこだわり抜かれた完璧なビジュアル、すなわち映画美術と衣装と映像美に目を奪われた。それも、ただ美しいだけではないのだ。物語と関連した意味がある。 なぜ本作は、映画美術、衣装、メイク、ヘアスタイリングというアカデミー賞の美術関連部門を総なめできたのか。その理由を解

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          辻村深月『傲慢と善良』書評。マッチングアプリでの出会いの本質を抉る小説

          9月3日、理沙29歳、広告代理店。ヘッドフォンを持ち歩いてるところが良い。仕事好き。通勤しながら音楽をディグってる。こだわりが強い。 外見7、性格7、価値観7、恋愛観7、趣味8、生活スタイル7、総評7.2。仕事をしっかりしていて、趣味も合う。好きなタイプ。 9月15日、志保31歳、IT営業。あまり自分がなく、趣味が合わない。仕事もなんとなくやっている。 外見4、性格5、価値観3、趣味3、生活スタイル2、総評3.8。スパイスカレーの店でバターチキンカレーを頼んでいたこと、

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          変わらない日常を後退と感じてきたので、2つの新たなことを試みる

          なんでもない日。いつもと変わらず、朝起きて、朝食代わりにプロテインを飲み、歯を磨き、ストレッチをして、ワーキングスペースに降りる。コーヒー豆を挽いてコーヒーを淹れ、ノートPCから出勤を押して、リモートワークを始める。 昼になると、いつもと同じ蕎麦をつくる。雨が降っているが、特に気にせず、歩いて1分のコンビニへ行き、サラダチキンを買う。蕎麦を食べて、午後も仕事。気づいたら、夕方になり、勤務を終える。 その後、個人でのライター仕事のために、企画案を考える。うまく出てこない。小

          変わらない日常を後退と感じてきたので、2つの新たなことを試みる

          DJという新しい体験。苦しさを乗り越えたら、楽しさが待っていた

          先日、二度目のDJイベントに出演した。以前、ソーシャルアパートメントのイベントでDJをしたときに、同じくDJとして出演した人に誘ってもらったイベントだ。 はっきり言って前日まで、出るのが嫌でしょうがなかった。失敗したらどうしようというプレッシャー。 当日の朝はプレッシャーがさらに増す。昼からDJの練習をし、夕方に家を出た。会場の機材が使えなかったときのために、自分の機材を持って新宿へと向かう。会場に入ると、前のDJがすでに回していた。おしゃれすぎる会場にびびりながら、自分

          DJという新しい体験。苦しさを乗り越えたら、楽しさが待っていた

          土曜日の朝、美容室でパーマをかけた

          朝から美容室を予約しているので、土曜の朝なのに早起きをした。つい6時間前まで最悪の気分だったので、目覚めた瞬間から大きなため息が出た。 昨晩は酒を飲みながら、新しくつくったプレイリストでDJの練習をしていた。あまりにもつなぎがひどすぎる。明日に迫ったイベントでは、前のプレイリストでプレイするしかない。スマホを見てインスタを見て、ストーリーズを開くと楽しそうにしている知り合いが流れてくる。DJもうまくいかない。死にたくなる。 電車に乗り、渋谷へと向かう。朝の渋谷は比較的、人

          土曜日の朝、美容室でパーマをかけた

          交通機関の移動中の会話は、喫煙所の会話と同じ

          いま住んでいるシェアハウスの友人が新しいシェアハウスに引っ越したので、数名で遊びに行く。東京の湾岸にある埋立地。電車からバスに乗り換えて向かう。 バスを降りると、海の先に煌びやかなタワマンが並び立っている光景が飛び込んでくる。これはたしかに栄華の象徴だ。「東京」を感じる。少し歩くとららぽーとがある。車道の幅が広い。タワマンが並び立つ光景とは売って変わり、このあたりの景色は日本のそこら中に存在する郊外のように見える。 鳥の目と虫の目なんて言うが、栄華とは鳥の目で見た景色にし

          交通機関の移動中の会話は、喫煙所の会話と同じ

          ボイトレ体験レッスンへ行った

          仕事を終えて、予約していたボイトレの体験レッスンへと向かう。ボイトレは昔から興味があったけど、なんとなく予約してみた。隣駅の雑居ビルの中にあって、おお……と思ったが中はきれい。 最初に悩みや伸ばしたいことについてカウンセリングがあった。歌のレッスンだけど、日常会話での声の通りの悪さを改善したいこと、歌では声の発声方法を身につけたいこと、ミックスボイスを出せるようになりたいこと、を伝えた。 体験レッスンがはじまった。講師の方は男性でほぼ同い年で話しやすい雰囲気。僕の話し声を

          ボイトレ体験レッスンへ行った

          アイデアがまるっきり浮かばないので、ジムに行った

          『ブルーピリオド』を1巻から読み返していたら、対象を見てデッサンをするということは創作において特に重要なことのように思えてきたので、文章でデッサンをしていこうと思う。 言ってしまえば日記なのだが、できるだけ情景描写を中心に書くことで、デッサンらしくなるはず。純粋なデッサンなら客観的な事象だけを書き、心理的な描写は書かない方がいいのかもしれないが、たぶん僕は書いてしまう。 アイデアのためにジムへ。石鹸の香水で気が散る今日もいつもの毎日と変わらず、シェアハウスのワーキングスペ

          アイデアがまるっきり浮かばないので、ジムに行った

          おじさんの自撮りはなぜ痛いのか?嵐・二宮和也の自撮りに見る、自己愛と社会的成熟の問題

          嵐の二宮和也が銀髪自撮りをアイコンにして、「痛いおじさん」と言われているというネットニュースが流れてきた。酷い話だ。 日本の男性アイドルの中でもトップクラスの人気を誇る二宮が、自撮りをあげただけで、なぜ痛いと言われなければいけないのか。ビジュアルの問題だろうか。だが、該当の自撮りを見ても40歳とは思えないほどのイケメンだ。 たしかに20代のイケメンと比べると、おじさん感は否めないだろう。加工などもしていないナチュラルな写真なので、年齢による老けはより顕著に見える。だが、4

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          【月報】2024年2月の振り返り。アウトプットに力を入れた月

          2月は2日足りないからか、終わるのが早かったですね。信じられない速度で、時間が過ぎていきます、本当に。2月を振り返ります! 今月のTopics「アニプレックス」スクリプトルームライター応募 アニプレックスがスクリプトルームライターを募集していたので、2/29締切当日に脚本を仕上げて滑り込み応募しました。800字×16ページで8500字くらい。 アニメにするとしたら描きたいことを盛り込んだシナリオが書けたので、ひとまず満足です。作品を1本仕上げるだけでえらい。もちろん、引

          【月報】2024年2月の振り返り。アウトプットに力を入れた月

          シェアハウスに2年住んで、「コミュニティは生き物だ」と実感した話

          ソーシャルアパートメントに住んでから、4月で2年になろうとしている。月日が経つのがあまりにも早い。 先日、共有部のラウンジにいると、新しく入居した人がほとんどだった。このときにしみじみと思った。コミュニティというのは生き物だ、と。 気づいたら、ラウンジのメンツが9割入れ替わっていたおそらく、1年前と比べても、すでにメンバーの半数以上が入れ替わっているだろう。体感では、メンツが9割近く入れ替わっているように感じる。 ラウンジに降りてメンツが入れ替わった様子を見て、少し寂し

          シェアハウスに2年住んで、「コミュニティは生き物だ」と実感した話

          小説や映画を摂取する時間が全然取れなくなったので、朝活は半分やめます

          今月に入ってから、小説や映画といったカルチャー関連のインプットの時間が全く取れていない。なぜなのか振り返ると、朝活をはじめたせいということに気づいてしまった。 もちろん、新しく「ことばの学校」に通い始めて、その課題などがあること、イベントでDJをするために練習しなければいけなかったことなど、プラスアルファの制作や練習が必要だったことも大きい。 そもそも、時間の使い方が悪い。 現状のしたいこと・しなければいけないことは、 1.仕事 2.個人の制作・発信 3.それ以外の制作

          小説や映画を摂取する時間が全然取れなくなったので、朝活は半分やめます