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エンタメレビュー

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本・映画・漫画・アニメ・ドラマ・音楽・その他カルチャーやコンテンツについて、批評や考えたことを書きます。
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記事一覧

殺人事件を通して描かれる、青春とその終わり。『牯嶺街少年殺人事件』映画評

GWの中日、早稲田松竹でエドワード・ヤン監督の『牯嶺街少年殺人事件』を観に行った。12:30の…

恋の瞬間をリフレインしてしまう人のための映画。『ビフォア・サンライズ』

失恋するたびに思う。恋なんてただの幻想だ、と。所詮は脳のバグから生まれる感情、勘違いのよ…

『14歳の栞』映画評。ただの中2の日常なのに、なんでこんなに忘れられないんだろう

中学2年生のあるクラスの、なんてことのない日常を撮っただけの映画なのに、なんでこんなに忘…

アカデミー賞美術部門総なめの理由を解説。『哀れなるものたち』映画評

ヨルゴス・ランティモス監督の最新作『哀れなるものたち』。2024年の第96回アカデミー賞で主演…

辻村深月『傲慢と善良』書評。マッチングアプリでの出会いの本質を抉る小説

9月3日、理沙29歳、広告代理店。ヘッドフォンを持ち歩いてるところが良い。仕事好き。通勤しな…

おじさんの自撮りはなぜ痛いのか?嵐・二宮和也の自撮りに見る、自己愛と社会的成熟の…

嵐の二宮和也が銀髪自撮りをアイコンにして、「痛いおじさん」と言われているというネットニュ…

いつかオードリー若林になりたかった

昔からずっと日陰を歩いてきた人間だった。根暗、陰キャと、表現の違いはあるが、日の目を見ないタイプ。 小学校の頃は運動が嫌いだったせいで、昼休みはゲームの話ができる友人とずっと話しているか図書室にいた。中学の頃は卓球部に入るも1年で辞め、ゲームとアニメと漫画に興じるというオタク街道を突き進んだ。中2くらいまで女子と話すことも苦手意識があった。 そんな少年時代を送っていると、必然的にネガティブな思考を持つようになる。それは学校というヒエラルキーの中で、常に自己否定的な感情に晒

創作をしている人は必ず読むべし!クリエイター漫画5選

クリエイターを描いた漫画が好きだ。自分自身が映画を作っていたことがあったり、最近は「こと…

初DJ披露で世界が広がった。自分と誰かの「好き」でつながる素敵イベントに出演して思…

僕が住んでいるソーシャルアパートメントで、SAカルチャーフェアというイベントが開催された。…

イケてるのに気取らない福岡のバー「Citadel」が最高すぎて通いたい

福岡・大名にあるバー「Citadel(シタデル)」。1年前に友人に教えられて行きたいと思っていた…

30代半ばだけど、孤独なときの行動が『ライ麦畑でつかまえて』と同じ

強い孤独を感じたとき、誰でも良いから会いたいと思っていろんな人にLINEしてしまうことがある…

死にたいとき死にたいと言える人はいますか。『いちばんすきな花』5話感想

どんなときに死にたいと思うだろう。たとえば人から拒絶されたときは、とりわけ強くなる気がす…

男女の友情は本当に成立するのか。『いちばんすきな花』5話感想

成立すると思う。ただし、お互いが友人としての魅力は感じつつも、異性として見てなくて、性的…

社交性という仮面を被って生きていくことは悪なのか。『いちばんすきな花』3話で思ったこと

「本当の自分」を曝け出して、理解し合える気の合う人と出会えることは尊い。昨日、そういうnoteを書いた。 だが一方ではこうも思っている。 それって、「本当の自分」を他人が受容できるように、良い感じに伝えられる社交性があるからできることだよね。 僕はかつて付き合っていた恋人に、僕のことをわかってよ!と碇シンジくんばりに、自分がいかに陰キャ人生を歩んできたか、いかに弱い人間かを曝け出したことがある。 当時の自分は全く客観視できていないが、おそらくあまりにも卑屈で、コンプレ