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死にたいとき死にたいと言える人はいますか。『いちばんすきな花』5話感想

どんなときに死にたいと思うだろう。たとえば人から拒絶されたときは、とりわけ強くなる気がする。恋愛でも友人でも仕事関係でも。

あるいは孤独をうっすらと感じているときは、朝起きたときうっすらと死にたいと思いながら過ごしている。

そんなとき、死にたいと思ってることを話せる人がいるとどれだけ楽になるだろう。

ドラマ『いちばんすきな花』5話で、神尾楓珠が高校時代のクラスメイトに再会し、かつては自分が見下していた相手が自分よりも優れた絵描きになり、自分にはいない親友がいることで、打ちのめされ、死にたいと思う。

神尾楓珠はそのクラスメイトが友達がいないことをいいことに友達のフリをして話すかけて、優越感に浸っていた、という同情する余地のないエピソードなのだが、それでも裏切られたことと自己嫌悪もあるだろう、たしかに死にたいと思っている。それは事実だ。

神尾楓珠は松下洸平に電話をし、死にたいを「お腹痛い」に言い換えて、お腹痛いときどうすればいいのか、という。松下洸平は「お腹痛いときにお腹痛いってわかっている人がいて、わかっている人がいるとちょっとだけマシみたいなことはあるから」と伝える。

死にたいと思っているとき、そのことを話せて、自分が死にたいと思っているということをわかってくれる人がいる。それだけで死にたさは薄れる。シンプルだけど、人間というのはそういうふうにできているらしい。

神尾楓珠にとっての松下洸平やほかの2人は、ある種のセーフティネットだ。死にたさを感じたとき、そんな話ができる人が何人かいたらもっと生きやすくなるはず。

死なないためにセーフティネットは自分自身で予め築いておきたい。死にたいと思うことの多い人は特に。

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