#映画
バカで熱くておめでたい。最高の若者映画~映画『明けまして、おめでたい人』~
あ~、俺が20~30代だったら、絶対泣いてたな。
映画『明けまして、おめでたい人』(ウトユウマ監督、2023年。以下、本作)がエンドロールに向かってがむしゃらに疾走する最終盤を観ながら、あらためて自分が50歳を過ぎたことを実感していた。
読んでわかるとおり、本作は『俳優 山脇辰哉の身に実際に起きた年末の出来事を』『俳優 山脇辰哉』が『俳優 山脇辰哉』役として自ら「再現」する、『こんなに「俺が俺
宇宙人に癒される~映画『みーんな、宇宙人。』~
映画『みーんな、宇宙人。』(宇賀那健一監督、2024年。以下、本作)を観ながら、「最近、皆、考えすぎなんじゃないか」と漠然と思った。
物語は各登場人物につき10分程度のショートストーリーのオムニバスといった構造で、だから登場人物たちが交流することはほぼない。
オムニバスを1つの物語として成立させる「筋」を担っているのが冒頭・中盤・結末に登場するセイヤで、だから彼が一応の主人公ともいえる。
登場
こどもは天使かそれとも……~映画『だれかが歌ってる』/『左手に気をつけろ』
「愛すべきB級映画」である。
みんなが「良い」とは言わないが、しかし、だれかには確実に届く。それは特定の嗜好を持った人という意味ではなく、たとえば疲れている時とか、理由なく入って来るという意味で。
2023年の東京国際映画祭でも上映された井口奈己監督の最新作『左手に気をつけろ』(2023年。以下、『左手』)が劇場公開された。43分の中編映画に、井口監督の過去作『だれかが歌ってる』(2019年。以
映画『トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代』を観て思った取り留めもないこと…(感想に非ず) (追記)
先日、2006年に木村カエラ氏をボーカルに迎え再々結成した「サディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mikaera Band)」のライブ(2007年3月7日。@NHKホール)を見返した。
といっても、ちゃんと見ていたわけではなく、BGV的に流しながら家のあれこれをやっていたのだが、加藤和彦氏(愛称・トノバン)が歌う詞に手が止まった。
本当はそんな歌じゃないし、その時本人もそんな気持ちで
探さないでください 私はどこかにいますから~映画『おらが村のツチノコ騒動記』~
ツチノコは絶対にいる!
映画『おらが村のツチノコ騒動記』(今井友樹監督、2024年。以下、本作)を観ながら、そう確信した。
だって、全国のお年寄りがこぞって、「自分も見た、近所の誰それさんも見た」と、子どもに還ったように目をキラキラさせて興奮気味に話すのだから、これは絶対にいるのだ。
こうした話は昔からある。
「雪男」だの、「口裂け女」だの、その他諸々の都市伝説……
しかしそうしたものと「ツ
映画『ゴースト・トロピック』
以前、別稿にも書いたが、酔っ払って終電に乗れなかったり、乗れても寝過ごしてしまったりして、深夜の街を自宅目ざして歩き続けた経験が、何度もある。
見知らぬ場所ということもあるし、それ以上に「深夜」という要素が大きいのだと思うが、普段は見えない物や人に遭遇することが多い。
間違ってはいけないのだが、それは、昼と夜で街に出る人が入れ替わる、ということではない。
夜遭遇する人も、ドラキュラでない限り、我