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2022年4月の記事一覧

2022年4月23日土曜日 酒。読書。観劇。それだけ

2022年4月23日土曜日 酒。読書。観劇。それだけ

私の「note」のプロフィールは、『酒。読書。観劇。それだけ』とそっけない、というか投げやりな一文だが、それで充分説明に足りている。

たとえば、2022年4月23日……

10:15 映画『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~』 @新宿武蔵野館上映期間延長に感謝。
前日の時点で私が最初のネット予約客だったので心配したが、とんだ杞憂で、この時間の上映にも関わらず、多くの観客が

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映画『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~』

年をとるのは、いいことだ。

映画『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~』(信友直子監督、2022年。以下、本作)及び、前作『ぼけますから、よろしくお願いします。』(同監督、2018年。以下、前作)を観た感想としては、いささか違和感を持つかもしれないが、それが私の実感である。

もちろん、「痴呆症」「老老介護」「看取り」を扱っている本作を観て、両親や自身に対する不安が募る部分

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酒造りに携わるの全ての方に想いを馳せて~映画『吟ずる者たち』~

映画『吟ずる者たち』(油谷誠至監督、2022年。以下、本作)。
『吟ずる者』ではなく『吟ずる者たち』というタイトルには大きな意味がある。

主人公の永峯明日香(比嘉愛未)は、東京で夢破れ広島の造り酒屋の実家に戻ってきた。
その直後、蔵元である父(大和田獏)が倒れ意識不明となる。
明日香は意識が戻らない父の代わりに日本酒造りを始める……という、王道ストーリーで、明日香と残された蔵人たち『吟ずる者』の

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「私たちは、世界の片面"すら"見えていない」~映画『やがて海へと届く』~

「私たちは、世界の片面"すら"見えていない」~映画『やがて海へと届く』~

映画『やがて海へと届く』(中川龍太郎監督、2022年。以下、本作)は、とても良く出来た物語だ。
無駄な挿話やセリフ、シーン、カットが一切ない。
それは、全ての物語、セリフ、シーン、カットが意味を持ち、有機的に繋がっていることを意味する。

物語は、東日本大震災から5年後の東京の高級ホテルのレストラン(とおぼしき店)で働く真奈(岸井ゆきの)が、たまたま一人旅に出掛けて津波にのまれてしまった親友・すみ

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