マガジンのカバー画像

アニミストのひとりごと

37
昔の日本人が普通に持っていた自然信仰のものの見方で、現代の諸々を見て思うことをつらつら書いてみます。
運営しているクリエイター

#熊野

もっと知りたいディープな熊野    ~学びたい人のための参考資料リスト~

もっと知りたいディープな熊野    ~学びたい人のための参考資料リスト~

東京から熊野へ移住して5年目の私。
熊野には、オトナたちにも子どもたちにも来てほしいと願っています。
大きな子どもでもいいし、小さなオトナでもいい。

子どもというのは、誰に教えられなくても、理屈でなく本能や感性で、熊野から“何か”を受けとってくれる人のこと。
オトナはオトナで、熊野から受け取ったよくわからない不思議な感覚を、後から頭脳で探求するという遊びができる人というイメージです。

そんな訳

もっとみる
母のこと

母のこと

 母が死んだ時のことを今でもよく思い出します。うつ病のどん底にあった私を心身ともに支えてくれた人でしたが、50才くらいの時に乳がんを発症していました。摘出手術がうまくいって、しばらくは普通の生活を送っていたのですが、10年ほど経ってから転移が見つかって、数年の闘病の後に亡くなりました。

 母が亡くなった当時、私は不動産会社勤務で終電ギリギリまで働くような生活をしていました。勤め始めて半年経たない

もっとみる
はじまりのハワイ2

はじまりのハワイ2

ハワイ島から日本へ帰る途中、私はひとつの寄り道をしました。“死と再生”のハワイ島リトリートのおかげで、すっかり忘れてしまっていたけれど、もともとの私のハワイ旅の意図は「フラで表現されているハワイの自然を実際に見たい」だったのですから。せっかくならば本場のフラも見てみたいということで、滞在を数日延ばしてオアフ島へ移動し、プリンスロットフラフェスティバルというフラのイベントを見てから帰国することにして

もっとみる
うつ病とアニミズム2

うつ病とアニミズム2

アニミズムはうつ病の癒しになりえるのか?そこに、もうひとつ観点を加えてみるならば、存在を感じる、という言葉になるでしょうか。まずは、私自身の経験から、お伝えしてみましょう。

私のうつ病の種となったものは、おそらく他者の存在を感じることへの疲れだったろうと思います。他人の目に自分がどう映っているのか。ちゃんと役に立つ人材だと思ってもらえているだろうか。いつかお前など不要だと言われてしまったらどうし

もっとみる
うつ病とアニミズム

うつ病とアニミズム

私が最初にうつを発症したのは、社会人になって5年目くらいのことでした。目標を達成できないダメ営業だった私は、部署異動によって事務職となり、「今度こそ周りの人の役に立たなくては、自分の居場所が無くなってしまう!」という強迫観念のもと、過剰な頑張り方をして心身のバランスを崩したのが原因だったのかなと思います。はじめは体調不良で会社を休みがちになり、身体が重たくて出社することもできなくなった頃に、休職し

もっとみる
熊野木挽き歌

熊野木挽き歌

木挽き、という職業がかつてありました。
この国の建物のほとんどが木で造られていた頃、建築現場のあちこちで丸太を鋸で挽いて、板や角材に仕上げていた人たち、それが木挽きさんです。
今ではもう無い職業のようですが、熊野には、その木挽きさんの在りし日の姿をうかがい知ることのできる「木挽き歌」が伝わっています。
その歌詞から、木挽きさんの暮らしの一端を覗いてみましょう。

「流れ谷」:現在の三重県熊野市飛鳥

もっとみる
熊野比丘尼の熊野紀行-熊野の入り口編-

熊野比丘尼の熊野紀行-熊野の入り口編-

本命の熊野紀行、第1弾!(何弾まであるんだろう? 笑)
このシリーズを始めるにあたって、「熊野は捉えどころのない聖地だ」と書きましたが、わかりにくさのひとつとして「熊野エリアの入り口は複数ある」ということも、挙げられるかもしれません。
そこで、熊野紀行は、まず、入り口編からスタートしたいと思います。

熊野初心者の三択多くの方にとって、熊野旅の始まりは海の近くになります。
紀伊半島では、空港も鉄道

もっとみる
熊野比丘尼のこと

熊野比丘尼のこと

この2-3年、いろいろと面白い旅をしてきたので、ひとつひとつ思い出しながら、書き起こしていこうと思っています。
題して、熊野比丘尼の〇〇紀行。
と、思い立ったはいいものの、そう言えば「熊野比丘尼」が何なのかをまずお伝えしなくては。

熊野のストーリーテラー“熊野比丘尼”比丘尼と書いて「びくに」と読みます。
「尼」という字で表される通り、女性の仏教僧、つまり尼さんのこと。
元々はサンスクリット語だか

もっとみる
私の愛する限界突破集落 あかぐら

私の愛する限界突破集落 あかぐら

昨年に続き、今年の夏も奥熊野へお邪魔しました。
(上の写真は、赤倉の雨滝です。)

雨、川、汗、滝、温泉、海、清水、雲。
ありとあらゆる種類の水の恵みを、溢れんばかりの大盤振る舞いでくれる熊野という土地が大好きで、10年ほど前から通い始め、去年から今年にかけてはもう7~8回ほど(笑)、すっかり通い詰めています。

熊野ってどこ?ここ数年、誰彼かまわず熊野をオススメしまくっていますが、よく聞かれるの

もっとみる
紀勢線が好き!

紀勢線が好き!

私はちょくちょく旅行で熊野へ行きます。交通手段はいろいろあり、熊野のどこへ行くかによっても変えるのですが、一番多く利用しているのが鉄道です。私は東京在住のため、紀伊半島までは長時間の列車旅にはなるのですが、これがまた楽しいのです。

東海道新幹線~紀勢線 この国の形を概観する列車旅東京駅から新幹線で名古屋へ。熊野への旅の最初の部分では、車内の乗客にはビジネスモードの方も多く、旅行者としてはちょっと

もっとみる