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「#創作大賞2023」の最終結果を発表します

2023年4月25日〜7月17日に開催した「創作大賞2023」には、33,981作品のご応募をいただきました。中間選考を通過した202作品を協賛メディアとnote運営事務局で選考し、各編集部賞、テレビ東京映像化賞、審査員特別賞、note賞、入選、読者賞が決定いたしました。「#創作大賞感想」企画のベストレビュアー賞とあわせて、ここに発表いたします。

あらためて、たくさんの作品を投稿し、コンテストを盛り上げていただき、ありがとうございました。

賞について

  • 編集部賞・テレビ東京映像化賞:記念品・賞金10万円を贈呈し、書籍化や映像化、メディア掲載に向けて各協賛社との話し合いを進めていきます。

  • 審査員特別賞・note賞:記念品・賞金10万円を贈呈し、メディアに紹介するなどのサポートを行います。

  • 入選:記念品・賞金1万円を贈呈します。

  • 読者賞:記念品・賞金1万円を贈呈します。

  • ベストレビュアー賞:Amazonギフトカード3,000円分を贈呈します。


受賞作品

※クリエイター名はすべて敬称略

光文社文芸編集部賞/テレビ東京映像化賞

私の死体を探してください。|星月渉[ミステリー小説部門]

選評:光文社文芸編集部
インパクトのある冒頭、テンポよく物語が進み、各話の最後に引きがある。次々と先を読みたくなるサスペンス小説。とにかく読者を楽しませようという気持ちが強く伝わってきたのが一番の高評価のポイントだった。キャラクター造形もうまく、特に三島正隆のダメ夫っぷりがよく描けていた。ただ、WEB小説という形式のためか、展開を急ぎすぎで細部の書き込みが不足している箇所も多く見られた。書籍として販売するにはその点が課題か。

選評:テレビ東京
ブログから始まる冒頭でグイグイと引き込まれ、読みだしたら止まらない小説に久しぶりに出会いました。変わる視点、次々と明らかになっていく真実。ミステリーの正統のようでいて、とても工夫された舞台設定。そして巧みに描かれる人間の恐ろしい心理。「触れてはいけないもの」「放ったら取り返しのつかない言葉」というものがあります。それによって関係性が壊れてしまうような何か…。芝居巧者の俳優陣と是非映像化してみたいと強く思いました。

新潮文庫nex賞

祈願成就|霜月透子[恋愛小説部門]

選評:新潮文庫nex
婚約が決まった主人公の元に、幼馴染の訃報が届く。それから不吉な出来事が次々起こり——。本作「祈願成就」は、恋愛小説のドキドキ感、先の読めないホラー展開、そしてイヤミス的な味付けもあり、読者を一瞬たりとも飽きさせない非常に面白い作品でした。読み手のことを隅々まで意識して書かれた小説であるということを評価したく、新潮文庫nex賞に選ばせていただきました。

朝日新聞出版賞

クリームイエローの海と春キャベツのある家|せやま南天[お仕事小説部門]

選評:朝日新聞出版
せやま南天さんの「クリームイエローの海と春キャベツのある家」に編集部賞を授賞したいということ、選考に関わった編集部員の満場一致で決定しました。商社で働いていたものの過労に倒れ、家事代行の仕事を始めた永井津麦。彼女の勤務先となった6人家族の父子家庭・織野家との交流を描く本作は、「仕事」と「生活」、そして「育児」に少しだけ疲れたなと思っているすべての人にやさしく寄り添ってくれる物語です。

別冊文藝春秋賞

ナースの卯月に視えるもの|秋谷りんこ[お仕事小説部門]

選評:新川帆立(特別審査員/小説家)
秀逸な設定、専門知識、読みやすい文章、優しい世界観、どれをとっても素晴らしい!!! 静かな文体が作品の雰囲気に合っていて、各話とも希望の持てるラストになっている点もすごく良いです。読者さんに愛されるタイプの、優しくてまっとうな小説を書けるのは、とても貴重で輝かしい資質だと思います。沢山の読者さんがあなたの作品を待っています。どうかこのまま、誠実に、まっすぐ、丁寧に書き続けてほしいです。

選評:別冊文藝春秋
看護師・卯月咲笑には、死にゆく患者の「思い残し」が見える──という設定がまず絶妙です。患者の枕元に立つ「思い残し」(それは少女だったり若い男性だったりする)が抱える事情や事件を推測し、解決に向けて奮闘するというストーリーラインとキャラクターの魅力、文体の味わい、すべてが有機的に結びついているのもいい。看護師の日常業務や医療従事者の「生態」も面白く、お仕事ミステリーのお手本のようだと思いました。

JUMP j BOOKS賞

才能と夢のありか|谷山走太[イラストストーリー部門]

選評:JUMP j BOOKS
お題イラストの二人を「かつて絵の道を志したものの挫折した教師」と「周囲を委縮させるほどの圧倒的な画才を持つ学生」と解釈して作った対比の構図が、才能の差による嫉妬という普遍的なドラマに繋がり、心を掴む作品になっている。お題の場面を物語の不穏さ・緊張感が最高潮となった瞬間に設定し、そこに向かう過程を丁寧かつ共感性高く組み上げた手際も鮮やかだった。葛藤を乗り越える展開にも説得力があり、筆力の高さを感じた。

Palcy賞

こちら後宮、華の薬湯屋|優月アカネ[漫画原作部門]

選評:Palcy
中華風世界への転移ものとして非常に安定感のある構成でした。男装やモフモフなど、ファンタジー読者の心を掴む要素を抑えつつも、作者自身の薬剤師という経歴を生かしたアイデアが光っています。冒頭3話では、まだヒーローの華遼が登場していないため、これからヒロイン・海里とどのような恋愛模様を繰り広げるのかとても楽しみです。特に海里に思いを寄せることになるサブキャラ・楊星との、エモさ溢れる三角関係に期待します!

マンガMee賞

イケメン俳優の弟に成り代わりってアリですか?|あむだ前歯[漫画原作部門]

選評:マンガMee
主人公の挫折から男装を始める流れが丁寧かつ必然性があり、心が掴まれました。また、バレエをしていたから2.5次元の舞台でも活躍できるという説得力のある設定に加え、両者の違いも見せて課題を提示できているので今後の展開への期待が膨らみます。応援したくなる主人公と、続きが読みたくなる展開が受賞の決め手になりました。これから、マンガMee編集部が作品作りをサポートさせていただけたらと思います。宜しくお願い致します!

文藝春秋コミック編集部賞

恋せよ社畜、三十路の黄昏マリアージュ|ぽんぽこ[漫画原作部門]

選評:文藝春秋コミック編集部
お仕事に忙殺されながらも「食べること」に楽しみを見出し、できる限りご機嫌に日々を過ごそうとする主人公は好感度が高く、とても魅力的でした。文体には読んでいて思わずニヤッとしてしまうようなにぎやかさがあり、読み手に元気を与えてくれそうです。薬剤師ならではの詳細なエピソードを足すなど、お仕事ものとしてよりリアルな側面を見せられると、大人の読み物としてさらに面白くなるかと思います。

メディアワークス文庫賞

パパと私|伊藤亜和[エッセイ部門]

選評:メディアワークス文庫
淡々と語られながらも、溢れ出る感情や情景が読み手であるこちら側に真に迫ってきて、ただただ圧倒されました。途中で目を逸らすことが出来ない──そんな力強さを文章から感じますし、"私"と"パパ"の一言では表せない関係を、"私"にしか書くことが出来ない言葉で書かれた内容にも、心を揺さぶられました。 これからも伊藤さんの紡ぐ言葉を楽しみにしつつ、本作を編集部賞に選出させて頂きます。

幻冬舎賞

うしろめたさを味わいに、1人で高級ランチを食べに行く|斉藤ナミ[エッセイ部門]

選評:幻冬舎
設定はそれほど特異なものではないにも関わらず、軽快でテンポの良い筆致によって、すぐに作品の世界に引き込まれました。自身の感情への深い洞察と的確な情景描写は、読者の想像力と共感を掻き立てます。作品で登場する2つの場面は「うしろめたさは蜜の味」というテーマでしっかり繋がり、構成力も素晴らしい! エッセイという表現方法の持つ魅力が詰まった作品だと感じました。

オレンジページ賞

ちかごろのわかい娘と「かわいい」|西アズナブル[コミックエッセイ部門]

選評:オレンジページ
ささっと読めるんだけど、あとからじんわりと心が温かくなる秀作でした。一話読むと、次も読みたくなる魅力があります。日々の娘の言動と行動を、父親が最大限の愛を持って、でも努めて冷静に表現していることに好感。子供あるあるネタと、想定外テーマの緩急が絶妙で、描き過ぎない点にもセンスを感じます。なんでもない日常の尊さを思い出させてくれる作品として、「ちかごろのわかい娘」の成長をともに見守りたいと感じました。

幻冬舎コミックス賞

鼻血が止まらずオランダ救急病院で泣いた話|樫山ひか[コミックエッセイ部門]

選評:幻冬舎コミックス
「オランダ」と「鼻血」。全くイメージがかみ合わないタイトルにまず心惹かれました。 漫画を読み進めると「え、大丈夫⁉」と心配になるくらい切迫した状況なのに、作者さんのツッコミや柔らかい絵柄で笑ってしまい、すごく続きが気になる。オランダという場所で起こった、身近だけど恐ろしい体験に臨場感が感じられました。4コマ漫画(8コマで1ページ扱い)としてきちんとページごとの区切りをつけて構成している所も読み手に対する技術、気遣いを感じます。体験型コミックエッセイとして痛そうなのに楽しい、楽しいけど不安になる塩梅がよく両立していると思います。

審査員特別賞(北森サイ)

母の宗教に困っています|ネコ山[コミックエッセイ部門]

選評:北森サイ(漫画家)
宗教二世のお母さんを持つ作者さんの経験を元にしたエッセイ漫画。まず冒頭が上手いと感じました。
自分の結婚式に、母が来ない。
その理由が「宗教上」ということでたった6コマの中に、宗教二世の母親に対する娘と父の辛さ、お母さんの苦しさまでにじみ出ていますし、宗教がどれだけ家族を奪っていってしまうものなのか端的に表現されています。そこから過去に戻って、母がどのように一度は棄教したはずの宗教に戻っていったか、作者ネコ山さんのシビアな目線で淡々と、丁寧に描かれており、とても読みやすく、経緯の無駄も無く、分かりやすいです。
作品としてはまだ途中ながら確かな筆致と目線で、最後までしっかりとした構成の作品を描いてくださるだろうと思い、この作品を選びました。エッセイ漫画の面白さは残酷なほど「いかに自分自身をさらけ出し、読ませる形に作りなおせるか。」にかかっていると思います。ネコ山さんはその点において本当に素晴らしいです。ぜひ最後まで描き切ってください。続きを楽しみにしております。

note賞

レトロな喫茶店を作る|御猫様と座布団[オールカテゴリ部門]

選評:note
「え、本物?」と目を疑うほどリアルなミニチュア作品。床板の経年感や革製ソファーの風合い、煉瓦の壁など、レトロな喫茶店の再現度が非常に高かったこの作品を選ばせていただきました。制作にかける熱意や背景ストーリーが作品の魅力を引き立て、つくることの楽しさが伝わってきます。ミニチュアだからこそ表現できる特別な世界観、ぜひ多くの人に見ていただきたいです。

富士見L文庫賞

該当作なし

ポプラ文庫ピュアフル賞

該当作なし

ポプラ社文芸編集部賞

該当作なし


入選(23名)

殺人小説の書き方|古池ねじ[ミステリー小説部門]

ハイライト|山羊的木村[ミステリー小説部門]

一泊二日|花丸恵[恋愛小説部門]

庭を造る|栗原ちひろ[お仕事小説部門]

硝子の鳥籠|翔花里奈[イラストストーリー部門]

Deity of the Dead|ネクラマンサーごっつァんです[イラストストーリー部門]

無敵の人と女子高生|休太陽[イラストストーリー部門]

ムーンライトエイリアンズ|茜染[漫画原作部門]

EMDM|アマイカヲリ[漫画原作部門]

ハナバト!|コマリ[漫画原作部門]

地雷系祓い屋と霊感ホスト|日部星花[漫画原作部門]

毎週水曜はうちの夫を捨てる日です|ふくだりょうこ[漫画原作部門]

夫婦別居を決めたら起きた変化|かよ[エッセイ部門]

いつか映画監督になるキミへ|Garashi,[エッセイ部門]

今が我が家のベスト|バニラファッジ[エッセイ部門]

「ここで働かせてください!」をアラブの本屋で言ってみた|フウ[エッセイ部門]

預金資産ゼロの父が倒れた話|エェコ[コミックエッセイ部門]

サマー・サマー・エンジェル|つきえ あん[コミックエッセイ部門]

増えた12kgの脂肪は黒歴史か青春か|ふくにしりお[コミックエッセイ部門]

OL漫画家のスリル|ミナミナミ[コミックエッセイ部門]

三島由紀夫をもう一度|yuhkitakada[コミックエッセイ部門]

「黒鉄の魚影」聖地巡礼八丈島完全マニュアル(劇場版名探偵コナン)|タケ[オールカテゴリ部門]

【育ててみた】甲子園の土で野菜はできるのか?|まるやま[オールカテゴリ部門]


読者賞(3名)

【現代】うらしまたろう|あずきみみこ[オールカテゴリ部門]

「ビリギャルは、元々頭が良かったんだよ。」|小林さやか[オールカテゴリ部門]

あした死のうと思ってたのに|吉本ユータヌキ[オールカテゴリ部門]


ベストレビュアー賞(9名)

秋谷りんこ コージー ゼロの紙 名瀬口にぼし ハスつか はそやm 豆島 圭 もつにこみ 笑い猫(細村 誠)

※ベストレビュアー賞とは……「#創作大賞感想」をつけて、創作大賞の応募作品への感想や応援コメントをnoteやX(旧Twitter)に投稿し、クリエイターを応援してコンテストを盛り上げてくれた方から選出しました。複数投稿してくださった方も、代表的な記事にリンクを貼ってご紹介しています。


※連載や書籍化、映像化に関する具体的な内容・手続きに関しては、別途、各受賞者の方々へご相談させていただきます。
※受賞者の作品にかかる著作権に関しては受賞者に留保されます。
※入選作品の作品の発表・宣伝を目的とした使用についてはnoteおよび関連する協賛編集部に無償で許諾いただくものとします。またその際、レイアウトの都合上の改変をすることがあります。

協賛メディア・noteからの総評

朝日新聞出版

せやま南天さんの「クリームイエローの海と春キャベツのある家」に編集部賞を授賞しました。また入選作「ハイライト」(山羊的木村さん)、メディアワークス文庫賞に決定した「パパと私」(伊藤亜和さん)も高く評価しました。それぞれ、まったく作風は異なる書き手の方たちなのですが、この人が書く別の作品も読んでみたいと思わせる個性を持っていらっしゃったと思います。エッセイ部門の投稿作に関して、俯瞰的、客観的な視点で再検証して自分に起きた出来事を捉え直して書かれているかどうかが、評価の大きな分かれ目になりました。事実の面白さに引きずられ過ぎない書き方を模索していただきたいと感じる作品がやや多かった印象です。

オレンジページ

(株)オレンジページからは、オレンジページ賞1作品、入賞として2作品を選出させていただきました。選考対象として拝見した作品は、いずれもいい意味で自由奔放。まさに「note」というステージだからこそ、出会えた作品が多かったと振り返ります。編集者が介入しないメリットを感じたとともに、「この作品と組んで、こういう展開も見てみたい!」という編集者魂も湧いてきました。今後も今回の入賞作品を超える創作に期待します。

富士見L文庫

今回の選考では恐縮ながら受賞該当作なしとさせていただきました。
審査した作品の全体的な傾向について。良い点は、扱おうとしているアイディアに多様性を感じられたこと。そのため目を見張る導入や、先々に期待感を感じさせるものが多かったように思います。 他方で課題を感じた点は、物語展開の起承転結です。物語の面白さがどこへ向かっているのかを折に触れて意識されると、描かれるアイディアや登場人物が書籍一冊分以上の力を伴って生きてくるのではないでしょうか。
今後、小説分野の施策に力を入れてnoteが書き手と読み手を増やしていけば、今回我々が審査基準とした既成の小説というハードルに留まらない、noteなりの小説が生まれてくるように感じました。新たなストーリーテラーの沃野となることを期待しています。

メディアワークス文庫

今回初参加となりますが、noteという自由な場所ならではの発想や表現に触れることのできた楽しい選考となりました。新しい作品との出会いに期待し、多くの部門に関わらせていただきました。普段は小説を多く手掛けていますが、今回クリエイターの皆様の生き様やユニークな眼差しを直に感じられたエッセイ部門がとりわけ面白く心に響き、感じるままに編集部賞を選出させていただきました。

幻冬舎

読むのは楽しく、選ぶのは苦しい、そんな選考過程でした。貴重な経験や困難に立ち向かった体験談、日常のちょっとしたドタバタ劇……。PCの前でクスッと笑いながら、時に涙しそうになりながら、全ての作品を拝読しました。その中で、筆致や展開力など文章作品としてレベルが高いと感じたものを「幻冬舎賞」として選ばせて頂きました。今回、ご自身の経験を文章作品にされた、全てのクリエイターの方を尊敬します。素晴らしい作品をありがとうございました。

幻冬舎コミックス

全体的にクオリティが高く、読み応えのある作品が多かった。出来事や自分の趣味嗜好をしっかり読者に伝えたいという意識を感じた。ただコミックエッセイという性質上どうしても体験や心情を伝えようとするあまり、作者の意気込みが優先されてしまい、読み手へのテンポ的な配慮がない作品も見受けられた。題材はどんなものでも巻き込んだ者勝ち、読者へどう伝わるかを意識して少し力を抜いてもいいのではないだろうか。今回、幻冬舎コミックスが選出した入賞作品は、題材のインパクトと共に伝えることと読み手への程よいテンポ感を評価した。

Palcy

Palcyからは編集部賞1作品、入選として1作品を選出しました。審査した作品はどれも「どうしたら漫画としておもしろいキャラや展開になるか」が試行錯誤されており、コミカライズを想像しながら楽しく拝読しました。特に作者の経歴・興味を活かした斬新な切り口の作品が多く、幅広い層が書き手となっているnote主催のコンテストだからこその強みを感じました。漫画原作部門にご応募くださった皆様、素敵な作品をありがとうございました!

光文社文芸編集部

ミステリー部門の候補作は、それぞれキャラクターの魅力を押し出そうという意欲を感じるものが多く、楽しく読めました。しかし、解決のためのロジックなどミステリーとしてのオチは全体に弱く、驚きのある作品は少なかったです。受賞作となった「私の死体を探してください。」は、各話の終わりに次への引きがあり、読者を楽しませようという姿勢が際立っていました。文章のテンポもよく、ストレスなく物語世界に入れるのも高評価でした。

JUMP j BOOKS

うまくお題イラストを生かせておらず「自分が元々書きたかった物語に、お題の場面を無理に付け加えた」ように見えてしまう作品も散見された。一方で受賞作は、物語を通して主人公の心情の揺れ動きを丁寧に描き、自制が決壊した瞬間=ドラマのクライマックスを、お題イラストの場面と重ねて強い印象を残すことに成功していた。今後、創作大賞やJブックス主催の新人賞で同様に「お題」を課された際も、正面から向き合うことを忘れないで欲しい。

マンガMee

魂のこもった応募作に編集部一同刺激を受けました。大賞に選出した作品はその中でも連載に欠かせない応援したくなる主人公と、続きが読みたくなる展開が備わっており、受賞の決め手になりました。マンガMeeは幅広いジャンルの原作に魅力的な作画を組み合わせた作品を多数連載中です。これからも今回のように新しい才能と出会える場に積極的に参加し面白い作品を届けたく思います。この度は貴重な機会をありがとうございました。

新潮文庫nex

今回読ませていただいた候補作は、どんでん返しが仕込まれたミステリ、ゲーム性の高いエンタメ作品、斬新な設定で読ませる恋愛小説、などなどジャンルの幅が広く、それぞれに読者の存在を意識して書かれたクオリティの高い作品ばかりだったので、楽しみながら選考することができました。noteへの投稿という小説発表の可能性を実感しました。

文藝春秋コミック編集部

文春コミック編集部は、原作、コミックエッセイと、2部門の作品を読ませていただきました。創作大賞に応募された作品は、応募するハードルの低さもあってか、良い意味で思いついたことをそのまま形にしたような粗削りな作品も多かったですが、その勢いが好ましかったです。今回は原作部門で編集部賞を選出しましたが、コミックの形で皆さまに読んでいただけるよう、編集部でも力を注いでいきたいと思います。

別冊文藝春秋

〈お仕事小説部門〉と〈ミステリー小説部門〉の作品を拝読。読み始めるなり最後まで目が離せなかったものから、しみじみと味わい深い筆が心地よく、この方とさらなる高みを目指したいと思わされたものまで、実に楽しい選考でした。最終的に四作をセレクト、特別審査員・新川帆立さんと議論を重ね、「ナースの卯月に視えるもの」を〈別冊文藝春秋賞〉に、「庭を造る」と「殺人小説の書き方」を〈入選〉に推薦しました。

ポプラ文庫ピュアフル

冒頭の一文に心掴まれたり、世界観の作り方に唸らされたり、熱量あるタイトルに惹かれたり……。「恋愛」というテーマながら意外にも幅広い小説が集まっており、新鮮な気持ちで読ませていただきました。どれも読みやすく今っぽさがある一方で、書籍化の可能性を考えるとやや物足りなさを感じ、特に読者のイメージがあまり膨らまなかったことから今回は該当作なしという結果となりました。また次回に期待しております!

ポプラ社文芸編集部

当社において未開拓の「ミステリー小説」部門で参加させて頂きました。結果として多彩なミステリ作品が集まり、たいへん有意義な選考となりました。とくに若い世代に向けた野心的な仕掛けを施した作品が多く、読み進める手が止まらなくなることも一度や二度ではありませんでした。ただ、総合的・客観的な判断として受賞に至る作品を選出できなかったことを申し訳なく思います。次回は受賞作を出せることを楽しみにしております。

テレビ東京

今回、テレビ東京賞としては小説を選出しましたが、小説以外の様々な部門の作品を読んでみて、面白い作品が集まるnoteという媒体の将来性を改めて感じました。 テーマやジャンル、バカバカしさも含めてテレ東でドラマ化したら「きっと面白くなる!」と思ったエッセイなども幾つかありましたが、どう考えても強烈すぎて映像化できない(笑) 「どんな人生を送ってるんですか!」と一人一人に会って握手したくなる気持ちが湧き上がりました。

note

第2回となる今回の創作大賞では、前回特に応募が多かった小説、エッセイ、コミックエッセイと、noteの過去のコンテストで盛り上がった漫画原作を、部門を分けて募集しました。結果、協賛メディアの求める作品像を意識しながらも、クリエイターの個性が光る多様な作品が各部門に集まりました。その中でも特に突出した作品が、無事に協賛各社によって見出されたことを嬉しく思います。
オールカテゴリ部門には、自分の趣味を突き詰めた作品、仕事で得た知見をまとめた作品、動画や音楽などテキスト以外の創作物など、幅広いジャンルの作品が寄せられ、noteというプラットフォームの多様性をあらためて実感しました。次回以降も、この多様なクリエイターが集まるnoteという場所を生かした創作大賞を開催できるよう、運営一同努めてまいります。
最後になりますが、作品を投稿してくださったクリエイターのみなさま、作品の感想をお寄せくださったみなさま、協賛メディアのみなさま、特別審査員のおふたりに、心より感謝申し上げます。