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記事一覧
〈残務なし混み合ふ街に日記買ふ〉ほか俳句5句(『松の花』2023年2月号掲載)
結社誌『松の花』に掲載された、吉田作の5句です。
主宰の選んでくださった、この中での良い句は〈残務なし混み合ふ街に日記買ふ〉でした。
共鳴句、気に入った句などありましたら、コメントなどで教えてくださったら嬉しいです!
※月1、三鷹で句会をやっています。
2022年自選十句(今年の俳句から)
やはらかく墨は磨るべし初御空
立春のふるさとに子の生まれけり
畑焼く日遠くの戦始まりぬ
天へ学帽 お前も我も卒業す
筆止まる窓に日増しの木下闇
夕顔や蕾のドリルめく力
焼きそばの列に花火の始まりぬ
美濃菊や鋏入るればまたにほひ
射る人のごと画家は見る寒牡丹
残務なし混み合ふ街に日記買ふ
自選十句を切り口に、今年を振り返るのをVoicy(音声配信)で行いました。
〈美濃菊や鋏入るればまたにほひ〉ほか俳句5句(『松の花』2022年12月号掲載)
結社誌『松の花』に掲載された、吉田作の5句です。
共鳴句、気に入った句などありましたら、コメントなどで教えてくださったら嬉しいです。
※月1、三鷹で句会をやっています。
〈庭の木を食みしは君か秋の蝶〉ほか俳句5句(『松の花』2022年12月号掲載)
結社誌『松の花』に掲載された、吉田作の5句です。
共鳴句、気に入った句などありましたら、コメントなどで教えてくださったら嬉しいです。
※三鷹で、月1句会をやっています。
2022年晩冬~早春〈春兆す深紅のインク一ダース〉など5句―『松の花』5月号「翠嶺集」掲載の俳句―
結社誌『松の花』の5月号にて、「翠嶺集」に掲載された俳句です。
残業の夜を寒柝(かんたく)通りけり
春兆す深紅のインク一ダース
ポケットに赤ペンの滲み二月尽
畑焼く日遠くの戦始まりぬ
春泥を持ち帰りたる足の跡
好きな句などあればコメントで教えてください^^
三鷹で月1句会やってます!
2022年晩冬~早春〈立春のふるさとに子の生まれけり〉など5句―『松の花』5月号「松の花集」掲載の俳句―
結社誌『松の花』の5月号にて、「松の花集」に掲載された俳句です。結社内では27席でした。
クリスマスローズ咲きぬと葉書書く
ぐりとぐら姪に送らう春隣
山羊の毛の筆をほぐして明日の春
立春のふるさとに子の生まれけり
小さき身のやさしく強き陶器雛
好きな句などあればコメントで教えてください^^
三鷹で月1句会やってます!
自選十句「翠嶺の花」(結社誌『松の花』11月号掲載)
うちの結社に「翠嶺集」という同人の枠があります。各月の巻頭作家になると、数ヶ月後の結社誌で自選十句を掲載してもらえます。
ありがたいことに、8月号で巻頭作家に選んでいただいたため、11月号に、以下の自選十句+近況エッセイを掲載していただきました。
自選十句春一番鋭き解に大きマル
受験子の意志の漲る成の撥ね
籠り居の読書進まず兼好忌
小町忌や借りたる本に付箋あり
紫陽花の糸雨 鷗外荘閉館す
梅
〈筆止まる窓に日増しの木下闇〉ほか自作俳句6句(『松の花』松の花集 9月掲載)
松の花集の掲載5句結社誌『松の花』の2021年9月号に掲載された句です。投句したのは7月上旬でした。
風薫る書風明るき書道展
青き峰ローン三十五年なり
花びらを外し目玉の日輪草
筆止まる窓に日増しの木下闇
侵入の蝿と階下の工事音
風薫る書風明るき書道展→知人の出品する書道展へ、お招きにあずかりました。鳴鶴流天溪会、明るく清らかな書風が印象的な流派でした。東京芸術劇場にて。
青き峰ローン三十五
「泣く人の傍にただ居て六月尽」ほか自作俳句6句(『松の花』9月号「翠嶺集」掲載+α)
『松の花』9月号 同人「翠嶺集」掲載5句2021年6月25日〆切分ですが、編集長の寛大さに甘えて7月になってから投句しました……。
昼寝せる鼾(いびき)と見たる悲劇かな
信長の暴虐を読む外は雹(ひょう)
亡き夫(つま)を九十の夏に綴る人
落雷や命は道理外のもの
泣く人の傍にただ居て六月尽
信長の暴虐を読む外は雹(ひょう)→主宰している吉祥寺古典を読む会で、太田牛一『信長公記』を読みました。天正
〈枝払ふ日の予告ある緑かな〉ほか自作俳句8句(『松の花』8月号掲載+α)
結社誌の『松の花』の8月号、全員参加の「松の花集」に掲載された5句をご紹介します。
2021年5月25日〆切分のため、初夏の句が多いです。
松の花集掲載5句枝払ふ日の予告ある緑かな
大工らにアイスコーヒーお茶に水
棟上げの二階へ梯子夏の雲
嵌め込みの窓の向こうの青嵐
コロナ禍を夫(おっと)着慣れしアロハシャツ
松の花集掲載句へのコメント枝払ふ日の予告ある緑かな→5句中、秀句とされた句です。青々
「小町忌や借りたる本に付箋あり」ほか自作俳句8句(『松の花』8月号翠嶺集掲載+α)
『松の花』8月号 同人「翠嶺集」掲載5句2021年5月25日〆切分です。
小町忌や借りたる本に付箋あり
かすかなるむぎぶえ里は暮まだき
遠雷や太宰渡りし跨線橋
江戸の歌習ふ稽古場青簾
髪洗ふ源氏の姫は月一度
小町忌や借りたる本に付箋あり→小町忌は旧暦の3月18日で、2021年でいうと新暦の4月29日でした。図書館で借りた本に、誰かの学んだ痕跡である付箋が残っていたとき、改めて、多くの人に読み継
「かはづ鳴く千枚の田は靄の底」ほか自作俳句16句(『松の花』2021年7月号掲載+α)
松の花集掲載句5句われの背の倍の花桃つよき紅
養花天ぱんだはのたりのたりかな
熊野へと続く道なり春の雨
鳥曇り内海凪ぎて色もなく
かはづ鳴く千枚の田は靄の底
『松の花』7月号(4月25日〆切分)では、結社誌のメインとなる「松の花集」で第七席に選出していただきました。掲載句はいずれも、年度代わりの頃の三重県・奈良県・和歌山県の旅を詠んだ句で、いい記念になりました。
われの背の倍の花桃つよき紅→実
「春園やしやがむ二歳の目の高さ」ほか自作俳句18句(『松の花』2021年6月号掲載+α)
松の花集掲載句春雨や吉田博の版画展
暮れかぬる空に弦月潔し
春園やしやがむ二歳の目の高さ
昨年(こぞ)の葉とともに吹かるる柳の芽
母の木のひこばえは我が新居へと
春雨や吉田博の版画展→上野の東京都美術館に見に行きました。印象に残ったのが、「東京拾二題 神楽坂通 雨後の夜」など、雨の情景をやわらかく描いた版画でした。折しも展覧会を見に行った日も、春雨の日で、こんな一句となりました。
暮れかぬる空