マガジンのカバー画像

102
自作の詩篇をまとめています。 お気に入りを見つけてみて下さい。
運営しているクリエイター

2024年6月の記事一覧

【詩】スローリーダウン

【詩】スローリーダウン

 落ちていく
 僕等はゆっくり落ちていく。

 それは安らぎか
 それとも悲しみか。

 月夜の水面に写る顔
 ゆらゆらと揺らめく反射は消えた。

 それは笑っているか
 悲しんでいるか。

 永遠かと思える刻は重なり
 僕等はそこに生きている。

 いずれ来る終わりは
 何も言わずに忍び近づく。

 そこに遺った骨だけは
 世界の隅に置いといてくれ。

 月夜は迷いを示す
 僕等はずっと落ちてい

もっとみる
【詩】自分共和国と世界

【詩】自分共和国と世界

 自分が生まれた時
 自分の国が生まれた
 君が生まれた時
 君の国が生まれた

 195では収まらない
 80億の国々
 日々協定を結ばれては
 戦争が起こる日常

 言語も
 文化も
 思想も
 希望も
 バラバラに散らばって
 パズルの様に収まらない

 だけど
 それが常識であって
 慌てふためく範疇にさえ
 存在しない

 だから僕達は
 笑顔で手を繋ごうと願う
 バラバラならば
 くっ

もっとみる
【詩】澄み切った死

【詩】澄み切った死

 「夜」という字を勢い良く書けば
 「死」という字に似てくる。
 「澄み切った夜」「澄み切った死」
 僕は素敵だと思った。

 後腐れ無く
 そして、悔い無く
 この世界から去れたなら
 どれほど気持ちの良い事なのであろう。

 死生観を語る口に
 偽りはあるか分からない。
 だけど、筆は語る。
 無意識の表れなのか。
 それとも……

 澄み切った夜の下
 僕は今夜も
 独り
 詩を書いている。

【詩】点描

【詩】点描

・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・

 数は限られている。
 それは
 確かな数列の中で
 何も言わずに拘束されている。
 呼吸する事も
 自由を願う事も出来ず、
 ただ彼らは
 一つのオブジェクトと化した。
 有機ELでも表現

もっとみる
【詩】鵜

【詩】鵜

 バシャ
 バシャ

 穏やかな川で
 鵜は魚を捕る

 バシャ
 バシャ

 何羽も群れて
 鵜は魚を捕る

 穏やかだった川に
 波紋が広がる

 魚は死ぬ
 飲み込まれたからだ

 生命のサイクルの中
 抵抗出来ないモノは淘汰される

 波紋上の思考内に
 弱者を悼む心は無い

 弱肉強食
 水面に写る

 バシャ
 バシャ

 次は
 誰が喰われる?

【X投稿詩】2024年5月

【X投稿詩】2024年5月

 こちらは、Xにて投稿した詩のまとめです。タイトルは後付になります。

「太陽を食べる」

 水分を含んだ
 太陽を食べたら
 食道に
 苦しい痛みが走った。
 グツグツ
 煮えたぎる太陽は
 怒りの感情に似ていた。

(2024年5月7日投稿/修正済み)

「文学の研究」

 一つの作品に
 数多な論文が重なる。
 けど多ければ多いほど
 良いって事じゃない。
 どれほど読まれ
 どれほど愛され

もっとみる