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🌿もちよる詩集/詩の朗読

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詩が好きです。そして「声に出して読む」ということの大切さに気づく日々です。 詩の力を借りて、音読する。そうしているうちに詩が生活の一部になれば。詩の朗読会など、少しずつはじめてみ…
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#琉球

『琉球譚』(Luchu譚)ショートショート〜創作へ至る道程と、心理状態を振り返る〜

『琉球譚』(Luchu譚)ショートショート〜創作へ至る道程と、心理状態を振り返る〜

立て続けに起こる島のつらいニュースに打ちひしがれています。
「慰霊の日」までは、と踏ん張っていました。が、それ以降もなかなか浮上できずにいます。
(個人的な事情にも追い討ちをかけられ精神的に参っています…)

連日の理不尽があまりにもしんどくて…
気を紛らわせるように想い(憂い)を箇条書きにしていました。
最近読んだ『カフカ断片集』の影響もあると思います。
最初は詩のような感じだったのが、だんだん

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Luchu 譚

Luchu 譚

幼な子の手
しっかりとつなぎ合い
丘をゆっくりと歩く
長らく刈り込まれた
異国のような芝生面は
やっと息を吹き返し
足元を島の植物が歌っている
しばらく抜けなかった轟音空耳は
今はなりをひそめ
戻ってきた鳥の声だけが響く
遠くに見える海からの風が頬をなでる

かつて
あそこに整然と並ぶフェンスがあった。
(未撤去の箇所には蔓性ゴジラ植物)
村の水源の音が聞こえる。
幼な子はもうすぐ学校がはじまる。

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呼び声

呼び声

Luchuの民よ
いつの日か
貧しくとも
自身の足で立とう

悠久に思えるその果てに
かならずや真の自治は来る

悲願は叶う 
問題は その時
以色列になってはいけない(2023〜)
(結局は
こんなマインドを後ろ盾にする基地に
囲まれているのだ
入植されているのだ
侵食されているのだ
わたしたちの島は…)

島が苦しく 島を後にした者よ
それでいい

ただ
島に残った者が
「流浪」を許している

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