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詩などをつくって此処をすきに漂う意気込み

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【詩】farewell note

本当にさようなら さようなら 私はこれまでの私を呪い続けるから 始まりのお前に渡す詩を 始まりのお前を祈る詩を 月を失った夜は心のようで, 無くした跡に形を知る, ひとりは寒く寒くて, ぼろぼろの体をまだ擦る, ぽろぽろ零れる言葉で暖をとれたら。 無理か 無理だよな。 こんな夜なら終わっても   花も勝手に枯れるなら 本当にさようなら さようなら すべての始まりに私の意志はなく 私はこれまでの私を呪い続けるなら 始まりのお前に渡す詩を 始まりのお前を祈る詩を ひとつ 

    • ひとつの貴方が

      ひとつの貴方が此処にいるよと呼んでいる それですべての理由になるのなら 鉛のような青空に呼吸を奪われて、 生暖かい風に背中を撫でられて、 最早 (あぁ…) 終わりが遠いこと 命の数ほど始まりを呪う、呪う ひとつの私が此処にいるよと呼んでいる それがすべての理由になるのなら 月影滲むデジャブの夜 生きていることに殺されかけて、 畢竟 (おや?…) この身は止まらないなら これからも絶望の延長だろうと、 貴方が私の命なら ひとつの貴方が此処にいるよと呼んでいる それをすべ

      • あたたかな陽だまりのなか

        あたたかな陽だまりのなか スロウに眠る老いた犬の 穏やかな春の流れをわすれてしまうなら ほんとうのやさしさに包まれながら 最後の花束みたいに眠る犬の 夢はいったいどんなだろう だんだん古びゆく生活にも 1粒のよろこびと一滴のかなしみを だんだん薄れゆく景色にも 切ない希望ととっておきの絶望を

        • 【詩】片割

          あんなに遠いお月様 この夜は自慢げに満月 貴方といっしょになれたなら 貴方の白光に私の呼吸を重ね 揺れて滲む仮初のワルツ これが世界なら 大きな夜の空ろに迷子の犬 例えば貴方のつくる私の影 そこに私はいるの? 鏡のように遠い貴方の声をきかせて こんな願いもきっと叶わず ひとりでなくの 欠く日も満つる日も貴方は貴方を続けている 貴方を続ける貴方の意味はどこ? ・ 貴方の光は強すぎて私をどうにも弱らせる 殺されかけた私のなかの私の光 そこに私を見つけられる? 仮初の

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        【詩】farewell note

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        記事

          【詩】(題未定)

          こんな夜にぽつぽつ泣いているあんな遠くのお月様に、ボクはまるで鏡をのぞくようにそっと触れた。 熱く凍える心を、古い風のノスタルジアに忘れてしまったみたい。 どうしようもないよお月様。 ボクらずっと置いてけぼり。 失ったかなしみを夜にそっと仕舞うように、ボクは空っぽを抱えて眠ったんだ。 そしたらおはようって朝がやってきた。 友だちみたいにあまりにも朗らかで切なくて、 ボクのいのちの全部を奪いさろうとしてくるような、そんな心地になったんだ。 ここがどこか分からなくなって、 ボク

          【詩】(題未定)

          しずかにねむる月夜を洗う雨の音

          しずかにねむる月夜を洗う雨の音 閉じ込められた花の名 響く行方なく 何もかも何もかもぜんぶ赦していない ずっとずっとこのまま多分きっと 増えて重なり沈みゆく増えて重なり沈みゆく 幽霊みたいないたずら抱えて深く しずかにねむる月夜を洗う雨の音 闇に揺れる花の影 見ゆる術なく ゆえんなくおちた底で泣きそうな顔 そばに居た友だちみたいに霞む 赦さずに赦されず赦さずに赦されず 簡単な言葉に身を投げうつ勇気など 窓の遠くに雨音うたう 朧にうたう 誰にも知れず朽ちるのか

          しずかにねむる月夜を洗う雨の音

          【詩】何千回も繰り返す

          ──何千回も繰り返す ──ずっとずっと何千回も きっと今回が無事の舞台ならよかったのに ほらやっぱり笑顔の裏側のような雨雲が 撫でるように母親のように撫で襲う だから今回も頽廃、きっとずっと 何でもない石にあからさまに躓いて立ち上がり方など知らなくて 何か壊れたような何か零したような 転がるように転がるように 見えない夜終わらない夜だから 訪う者のない夜だから あなたにその凍えるあなたに聞こえるうたを確かにつぶやいてくれ 明日が懐かしい明日が懐かしい光を思い出すための

          【詩】何千回も繰り返す

          【詩】踏み切り

          ごめんなさいをちゃんと言えたらあなたは笑うかな ごめんなさいって言うからちゃんと言うから 黒色ドス黒い緑色は仕舞うから 透明色の空気を撫でるようにちゃんと言うから あなたがそばにいて欲しい ちゃんと晴れてほしかったのに雨が容赦のない雨が 傘持たない体をしっかり濡らして濡らす だからけっこう冷えて寒くてもういいやってなって 終わってもいいかなって思っている 晴れていたらあったかくてしあわせだよ あったかいならしあわせかな あなたにウソをついてもいいかな あなたは鏡みたいに遠

          【詩】踏み切り

          【詩】何よりも透明に

          何も持たず燃やせず灰になれない私は せめて透明になりたかった 風より切なくシャボン玉より軽く 光より刹那で雪より儚く 畢竟何者にもなりたくなかった 所詮借りたもので構成された体と心 埋めつくしても歪なまま 埋めつくしても空っぽのまま 元より純粋でいられない そういう風に作られた 何より悲しいステンドグラスから差し込む灯 その灯に唆され歩くことが生活 生活のなかで得たもの壊れたもの 言葉 せめて人の会話を行いたいが ロボットの方がそれらしいじゃないか そりゃそうか 1000

          【詩】何よりも透明に

          【詩】[輪廻が本当にあるのなら]

          輪廻が本当にあるのなら 私は人間にはなりたくなかった 私は人間ではありたくなかった 業が本当にあるのなら 私はさっさと終わるはずだ 私はとっくに終わるはずだ どこまでもかなしくて どこまでもさみしくて 総ては空しいって言う人もいるけれど 否定はしないし肯定もしない だってそれが本当だとしても 知らない方がよっぽどいい どこまでもひとりで どこまでもみんな居なくて 底の底ではみんな繋がっているって言うけど そんなこと言われてもわからない 私の居場所がここにはないから 馬鹿な

          【詩】[輪廻が本当にあるのなら]

          【エッセイ】壊れるほど憎む

          こんな夜に相応しい,誰かが忘れた記憶を呼び覚ます 壊れるほどに自他含む総てを憎んだ過去 あまりにも強すぎて,今でもリアルに付き纏う,強く,強く,未だ癒えぬまま皮膚に心に刻まれた傷 破壊と祈りのこと * 世間が騒ぐ。流行り病に世間が騒ぐ。そのうち何に騒いでいるのか分からなくなる,固体と固体のぶつかり合いはまるで猿みたいで,何かに操られているのかそれとも己の意志なのか,何もわからぬまま,何かを守るためなのか,それとも何かを壊すためなのか,安全に息をするため静かに騒ぐ。 翻弄さ

          【エッセイ】壊れるほど憎む

          【詩】メロディ

          予想外に笑っている顔をしたあなたの そのあなたの顔からなにか残滓を感じ この瞬間を忘れぬように忘れぬように あなたからそっと目をそらす、そうしてしまう もう遠くなったあの瞬間の意味を無くす あるいは壊れるように失う もう遠くなったあの空のさらに向こうから とてもきれいな雪が降る とてもきれいな雪が降る

          【詩】メロディ

          【詩】[銀色の満月よ]

          銀色の満月よ あなたは夜の観測者 爛々と見張るその目の見ているものは? 瞬きひとつせず、私たちを舐めまわすように 飽きもせず、不完全で完全なこの世界に、 何かを探し求めているの? それとも 銀色の満月よ あなたは夜の支配人 あなたに照らされた人が、ほらまた1人、 どこかへ運ばれているよ。 冷たい無言の眼差しは私たちを狂わせる。 いったいこれまで何人を看取ってきたの? 教えて、こそっと 銀色の満月よ あなたは夜の孤独 流されず、ぢいと眺めているだけ。 あなたに見つめられる私

          【詩】[銀色の満月よ]

          【日記】あきらめて生きる 2024/01/18-25

          2024/01/18 今日も特に為すことなく夜が来る。昨日の時点で知っている、もう終わっていること。 変わろうとしないから変わらない。変わらないものを大事に抱えているから変わらない。 変えない限りは変わらない。 灰色の色彩に期待することもなく、違いを生もうとせず、諦めることを賢い行為と決めつけて、もう取り返しのつかないことだけは気づいていて、とめどない流れに身を任すことだけを続けている。 心の声を殺したい。そうすることが生きること、生き抜いていくことだと思いたい。心が煩わし

          【日記】あきらめて生きる 2024/01/18-25

          【詩】[ゆっくり浅く息を吸って、それから、]

          ゆっくり浅く息を吸って、それから、 冷めた夕暮れに溜め息微かにまぜて、 痺れる吐息のような街の灯を通り過ぎ、 キミを傷つけたことを繰り返し、 ぽつぽつり、ぽつぽつり、 音も匂いも遠ざけて、 無関心の夜のなかに、 ただ、煙みたいに、消えてしまいたい。 このまま私を滅してくれないか、月よ。 祈りと破壊を抱いて眠る、 きっとうまくやれたような、 …… 朝の陽はいつだって完璧で、 バカのひとつ覚えのように痛むのは心、 発作のように震える心、 消えたい体と消えない心、 退

          【詩】[ゆっくり浅く息を吸って、それから、]

          【詩】[どっちつかずの冬の曇天]

          どっちつかずの冬の曇天、 使われていない終わった畑、 体を冷やすための雨、雨、雨、雨、 それら全部が心の表象、 それら全部が今は心地よい。 外を歩く予定はある。 人に入る予定はある。 そこは安全な場所かもしれないが、 ここより安全ではないことは確か。 どこへ行ってもここより酷い。 何も苦しくない。 元がとっても苦しいから。 ここが喜ばないから何もかもが苦しい。 ここが泣いているから、 死んだ季節がきっとお気に入り。 目を開けたまま介錯を待つ。 もう精一杯やった。 今はそ

          【詩】[どっちつかずの冬の曇天]