ひとつの貴方が

ひとつの貴方が此処にいるよと呼んでいる
それですべての理由になるのなら

鉛のような青空に呼吸を奪われて、
生暖かい風に背中を撫でられて、
最早 (あぁ…) 終わりが遠いこと
命の数ほど始まりを呪う、呪う

ひとつの私が此処にいるよと呼んでいる
それがすべての理由になるのなら

月影滲むデジャブの夜
生きていることに殺されかけて、
畢竟 (おや?…) この身は止まらないなら
これからも絶望の延長だろうと、
貴方が私の命なら

ひとつの貴方が此処にいるよと呼んでいる
それをすべての理由にするのなら
呪った命の意味に気づいた気がするのなら

何もおとなう者のない晴れ渡る闇の中
貴方の声がこんなに近く、貴方を心に感じとる、鏡のように遠くにいる私を抱き寄せ、
それだけが、それだけが、
唯一の事実、呪いの果実

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