【詩】何よりも透明に

何も持たず燃やせず灰になれない私は
せめて透明になりたかった
風より切なくシャボン玉より軽く
光より刹那で雪より儚く
畢竟何者にもなりたくなかった

所詮借りたもので構成された体と心
埋めつくしても歪なまま
埋めつくしても空っぽのまま
元より純粋でいられない
そういう風に作られた

何より悲しいステンドグラスから差し込む灯
その灯に唆され歩くことが生活
生活のなかで得たもの壊れたもの
言葉
せめて人の会話を行いたいが
ロボットの方がそれらしいじゃないか
そりゃそうか
1000年来の眠りについていた私の言葉は
言葉としての機能を失って
音だけ生まれるだけなのだから
本当はあなたと話がしたかった
そんな簡単なことでさえ最早失われる
馬鹿らしいな最早ああ馬鹿らしいぜ

失敗しない黒色の計画を
二度と後悔しない計画を
みじめな私を1粒残らず滅してしまうか
幾重の足跡を消してしまえ

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