【詩】片割
あんなに遠いお月様 この夜は自慢げに満月
貴方といっしょになれたなら
貴方の白光に私の呼吸を重ね
揺れて滲む仮初のワルツ これが世界なら
大きな夜の空ろに迷子の犬
例えば貴方のつくる私の影 そこに私はいるの?
鏡のように遠い貴方の声をきかせて
こんな願いもきっと叶わず ひとりでなくの
欠く日も満つる日も貴方は貴方を続けている
貴方を続ける貴方の意味はどこ?
・
貴方の光は強すぎて私をどうにも弱らせる
殺されかけた私のなかの私の光 そこに私を見つけられる?
仮初の私 輪郭なく灯る光
そこにあるのはひとつの確かな私?
朝がくる
命の全てを使った一歩 迷子のまま
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