【詩】何千回も繰り返す

──何千回も繰り返す
──ずっとずっと何千回も

きっと今回が無事の舞台ならよかったのに
ほらやっぱり笑顔の裏側のような雨雲が
撫でるように母親のように撫で襲う
だから今回も頽廃、きっとずっと

何でもない石にあからさまに躓いて立ち上がり方など知らなくて
何か壊れたような何か零したような
転がるように転がるように

見えない夜終わらない夜だから
おとなうう者のない夜だから
あなたにその凍えるあなたに聞こえるうたを確かにつぶやいてくれ
明日が懐かしい明日が懐かしい光を思い出すための
まったく知らない暖かいそのうたを
闇に生まれたやっと生まれたそのうたを

──ずっとずっと何千回も繰り返す

月を失った夜の大きさに戸惑うならば
でもそれがあなたをくるむ毛布ならば
ひとつの命さえ大事にできないのなら
せめてひとつの命さえ守れるように壊さないで
聞こえるうたを何度でも何度でも
昨日と同じ明日の舞台の上に



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