自分を締め付ける呪いの鎖。べき思考|メンタルクエスト冒険の書#5 見えない敵①
あれしなきゃ。これもしなきゃ。
ああっ、○○すべきなのに…できてない。
日頃、こんな言葉を口に出したり、
考えているときに頭の中で言ってたりすることはないだろうか。
自分は、それはもう頻繁に使っていた。
だが、それが見えない敵のしわざで、生きづらさにつながっていたとは。
わかっていたようで、わかってなかった「べき思考」という見えない敵。
さあ、正体をあばいてやろうじゃないか。
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あらすじとメンタルクエスト全体像
メンタルクエストは、人生ハードモードの生きづらさからの脱出方法をRPGの冒険をするようにわかりやすく解説してくれている本。
生きづらさを感じるハードモードな闇の世界を抜け出し、生きやすく安心できる世界へたどり着くプロセスはシンプル。
メンタルクエストの書では、明確にステージ分けされている。
Stage1 ▶ 人生ハードモードの闇の世界のメカニズム
Stege2 ▶ 自分というキャラクターを知る
Stage3 ▶ 頭に巣食う「見えない敵」
Stege4 ▶ 実践編。攻略のヒントとキーアイテム
前回、ついやりがちな思考や行動のクセである「見えない敵」の概要をまとめた。
今回から、見えない敵の詳細とその対策。
まず最初の見えない敵は「べき思考」。
べき思考とは?
「べき思考」とは、
● こうしなければならない
● こうするべき
● これはすべきではない
といった英単語でいうところの
「MUST」を自分にゴリ押ししてしまう思考のクセ。
日々、この「べき」に無意識に強い絶対服従を強いられていて苦しくなる。
この「べき思考」は家庭環境、学校、職場などの他者から押し付けられたケースが多い。
「こうしなさい、こうあるべき」と言われて育ってきている人が日本には特に多いだろう。自分ももれなくそれに該当する。
「べき思考」の罠にハマってしまうと、
「あるべき状態にない自分を許せなくなる」。
自分が許せない「自分にNO」の状態になると自己肯定感が下がる。
すると自分を必要以上に責めてしまい苦しくなるというループに入ってしまう。
今まで生きてきた中で、余計な「べき」が無意識に、しかも大量に刷り込まれてしまっているからなかなか厄介だったりする。
自分の中の強い「べき思考」を思い出す
メンタルクエストの書には、わかりやすい事例に
売上目標98%を達成して苦しむ営業職の女性の事例が挙げられている。
目標の98%をも達成しているのにも関わらず、
「目標達成率99%でも未達成のゼロと同じ」という上司の考えを押し付けられて、
0点の自分を責めている女性の話。
普通なら、ここまで過剰な例はさすがにね…と思う人が多いのだろう。
だが、自分はほぼ同じことを経験していて、
「え!これ自分のことか?!」と本気でびっくりしてしまった。
それは、
「99点は0点と同じ」という言葉。
自分は、小学校と中学校時代、母親から
「90点以下は0点と同じ」と毎回言われて育ってきた。
母は単純に公立の小中学校ならテストは100点とって当たり前だと思っていただけらしい。
だが、実際は91点以上でもダメ。
100点以外は正座させられて怒られる。
なぜ間違えたのか、次間違えないためにどうしたらいいのかを詰問された。
99点は一番最悪で、なぜあと1点取れなかったのかと責められる。
そんなことを小中の9年間続けたので
「毎回100点とるべき。常に完璧でなくてはならない」
という思考が体に染み付いてしまったのだ。
ここできちんと言っておきたいのは、母は全然毒親とかではないし、母親との関係が悪いとかではない。むしろ親子仲はいいほうだと思う。
ただ、母は高卒で学がないからこそ、自分の子供にはしっかり勉強させたいと思っていただけらしい。
そして、怖かったのは超スパルタ英才教育ママだったからではない。
母が怖かったのは、任侠ものの映画と吉本新喜劇が好きで喧嘩っ早く、強気でパワフルで、見た目が黒髪の神取忍みたいに強そうだったからである。
たしか、小学生時代にテストで60点台を取ったことがある。
その時は、ひどく落ち込んで自分は生きていてはいけない子なんだと思い、当時住んでいたアパートの12階のベランダから飛び降りるべきかをずっと考えていた記憶は残っている。
なぜ、踏みとどまったのかは覚えていない。
たぶんお腹が空いてご飯になったから部屋に戻ったんだと思う。
ただ小中学生時代のこの経験で、自分はゴリゴリに強い「べき思考」の完璧でなくてはならないが刷り込まれてしまったのは間違いない。
べき思考は爆発的な力を発揮できる呪いの装備
「べき思考」は、爆発的な効果を発揮させてくれる秘めたるチカラがある。
そして自分はその甘い蜜を散々吸いまくって生きてきた。
だから、メンタルクエストの書に記載されていたこの文を読んだ瞬間、
うああああああっ!そうだぁあぁ!!と珍しく叫びそうになった。
そう、「べき思考」は「呪いの装備」だったのだ!
ドラクエをやった人ならわかるだろう。
呪われた道具は、時にはものすごい破壊力を発揮できることがある。
その短い時間スパンで見れば、ハイパフォーマンスを叩き出せるから、その瞬間は満足できる。
だが、呪いの強いチカラには代償が伴う。
このマンガかアニメを見た人ならば知っているだろう。
呪いの装備による代償がどれほど大きいか。
「チカラガ ホシイカ?」
応じてしまうと、チカラの代償に体と心が蝕まれていく。
盾の勇者のナオフミもびっくりなくらいの呪い装備フルコンボを自分は幼少期に身につけてしまい、ずっと装備したまま大人になっていたのだと気付かされた。
そしてメンタルクエストの書のこの一言が自分の心をグサリと貫いた。
ああ、それは絶対に無理だ。
気づかぬうちに呪いのチカラで窮地を切り抜けてきたことがある。
だがその分、今までに何度も代償を払ってきた。
体も心もボロボロになって、その時「もう次はないな」と悟って全てを切り替えざるを得なくなった経験がある。
だからこそ今があるのかもしれない。
今、この呪いの装備「べき思考」を脱ぎ去るときが来たのだ。
「べき思考」を手放すための3ステップ
リアルの世界では、ゲームのように教会や呪文で一発で解呪できる方法はない。
でもどんなに苦しい呪いの装備でも、時間と手順をかければ外すことができるとメンタルクエストの書には記してある。
ならば、やってやろうではないか。
メンタルクエストの書に記されているやり方をまとめると、
どうやら呪いは3ステップで解けるようだ。
▶ STEP1|自分の持っている「べき」を言語化する
まずは自分がどんな「べき思考」を持っているのか言語化する作業から始める。
自分がどんな「べき」に苦しめられているのかを知らなければ、その先には進めない。
人は自分が大切にしている「べき」が裏切られたときに怒る。
例えば、
列に並んでいるときに、割り込みをされてイラッとしたならば、
「きちんと列に並んで待つべき」という「べき」が自分の中にはあるとわかる。
こういう小さなものでもいいので、普段の生活で違和感やいらだちを感じた瞬間を片っ端から見つけて、その中に潜む「べき」を洗い出していくと、本当に自分を苦しめている親玉の「べき」が見つかる。
▶ STEP2|べきの選択と集中
次に、言語化した「べき」が自分の幸せにつながっているかを考える。
これは今実践中なので痛感しているのだが、本当にそのとおりで無駄な「べき」がなくなると心が軽くなってくる。
そして「べき」の選択と集中に関して、
メンタルクエストの書にはこう書かれている。
全部捨てる必要はなく、本当にとって大切なものだけを残す。
断捨離といえば、やはりこれだろう。
ときめくかどうか。
英語で言えばSpark Joy!
「べき」はいつか使うかもしれないキレイめなクッキー缶と違う。
持っていても自分を苦しめるだけなので、不要ならばサッと捨てて身軽になる方が絶対いい。
▶ STEP3|「べき」を「趣味」に切り替える
さあ「べき」を捨てようと思っても、こびりついた思考はなかなか捨てにくい。
それを一発解決してくれる荒業がコレ。
例えば、こんな風に語尾を変えてみると、すごく軽くなるのがわかると思う。
❌ 待ち合わせ時間は守るべきだ
↓
⭕ 待ち合わせ時間は守るのが趣味だ
❌ 毎日note投稿するべきだ
↓
⭕ 毎日note投稿するのが趣味だ
趣味ならば、やってもやらなくてもどっちでもいいよねという感じで、軽くゆるくとらえることができる。これは他人に対しても効果絶大で、他人の趣味ならば口出しはしないのでイラつくことも減る。
やってみるとこれがものすごく効果があってびっくり。
この「べき→趣味」変換をしていると、気づいたときには不要な「べき」は消えていなくなるので強くオススメしたい。
まとめ
口癖として見えているのもわかりやすいが、
何か考えているときも頻繁に「○○すべき」「○○しなきゃ」と頭の中でも言っていることが多い。
一体、自分の「べき」は何百個あるんだろうか…と、本を読んだときはガクブルしてしまったが、ゆっくりひとつひとつほどいていってあげる時間も大切。
呪いの装備を身に着けていた時間が長いほど、その装備を外すには勇気が必要かもしれない。
ここ最近、自分の中の「べき」を言語化し、選択する実践をしているのだが、少しづつ考え方やものの見方が軽くなって来ている感じがある。
実践して結果が出るまでには少し時間がかかるので、実践内容はまとまってから、見えない敵との死闘編として、あらな冒険の書の1ページとすることにしよう。
ここまでの冒険を記録しますか?
おお 神よ!
この者たちに ひとときの
休息を あたえたまえ!
■ほかに ご用は おありかな?
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