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農家視点の「美味しい」とは?

こんにちは、だいきです。

今回は、小田原の若い農家さんから現代美術家まで、
幅広い題材を用いて、
私が考える「美味しい野菜」を探求したいと思います。

「一物全体」という考え方がありますが、
(一つのものに必要がすべて含まれているという考え方です。)
今回のテーマにもつながるので、
ぜひ頭の片隅に置きながら、読み進めてもらいたいと思います。


1.情熱とバイタリティーが、人をつくる



とある農業サイトの記事で、
小田原でレモン農家になった若い女性の話が取り上げられていました。

・なぜ農家になったのか?

・これからどのような農家を目指していくのか?

などなど、

彼女の葛藤が織り交ぜられながら、
今までとこれからのストーリーが描かれていました。

彼女は学生時代から、農業関連企業でインターン生として働き、
様々な人的ネットワークを構築していきました。
また、農家を目指すようになってからは、
小田原の農家さんの下で、研修を受けました。

農家になってからは、
夏の暑さや収穫物の運搬で、
時には、虫刺されや軽トラが廃車になりながらも、
持ち前のバイタリティーを活かして
こだわりの詰まったレモンを作っています。

彼女は、最初からレモン農家になろうとしたのではなく、
情熱やバイタリティーが、レモン農家へと導きました。


2.たった一杯にすべての美しさがある



彼女は、農家の人口を増やすことや、
耕作放棄地を減らすことを目標に掲げていましたが、

私たちは、農を生活の一部に取り入れてもらい、
自然とのつながりを意識して、
環境にも目を向けて、
地球を取り巻く状況を考えていきたいと思っています。

自然界を考えると、
人類の力だけでは到底作れない
美しい天然の水や石、土の上で
人は活動を続けています。

あらゆる自然に目を向けたとき、
得も言われぬ美しさが胸に飛び込んできます。

これは、

「たった一杯のコーヒーの美しさ」

と同じものであると思っています。

たった一杯のコーヒーに、
香りやコク、酸味や苦みなど、
コーヒーのすべてが詰まっています。

その背景には、
コーヒー豆の産地の風土や歴史があって、
背景に思いを馳せるだけで、
世界がひらけてくる感覚があります。

3.歩き方にも「美しさ」は表れる



また、人の身体にも美しさはあって、
「歩く」という行為を一つとってみてもわかるものです。

普段、意識していないことに意識を向けると、
新たな発見があるもので、
歩くという行為も、意識するだけで感覚がハッキリと変わります。

人は歩くとき、どこを中心に動いているかというと、
仙骨という骨を動かして歩いています。

仙骨は身体の中心にあるので、
仙骨を意識して動かすだけで、
身体の中心軸がブレない美しい歩き方になります。

どれだけ自然に近づけたか、
そのものが本来持っている状態や
理想の状態を生み出せるかどうかが、
美しさを決める物差しになると思います。

「美しさ」というのが自分の中の基準としてあって、
どの世界にも、突き詰めた先に美しさがあると思っています。

美しさを感じたいと思う心が、
美しさを生み出す身体に変わっていき、
ハッキリと外界を知覚した身体が動くことで、
美しいものが生み出されていきます。


4.美の感性が「美味しい」に息づく


極論ですが、
美味しい野菜を作ろうと思ったら、
美しいと感じる、感じたいと思う心を養う必要があります。

私は、休みがあれば、
美術館や博物館に行きますが、
それには、美の感覚を養って、
自身の取り組みにつなげたいという思いがあります。

以前、現代美術家の蔡国強氏の展覧会に行ってきました。

展示室に入ってすぐに、目に飛び込んでくる感動があり、
ずっとこの作品群の美しさに浸りたいという思いになりました。

そのスケール感と作品に対するエネルギー量に圧倒されて、
のめり込むように作品を鑑賞していました。

蔡さんは火薬を使ったパフォーマンスをしていますが、
火薬を爆発させるときに生み出されるエネルギーは不定形であり、
予測不可能であるからこそ、
自然の美しさがダイレクトに作品に反映されます。

「美しい」とは何だろうか?

そう自問自答する日々が、
美味しい野菜への起爆剤になります。


5.心の状態と野菜の美味しさはリンクする


美術館には、人が作った美しい絵や工芸品が飾られてあり、
博物館には、自然が生み出した美があります。

両方とも大事な要素であり、
自然を美しいと感じる心と、
美しいものをつくりたいと思う心が調和したときに、
美味しい野菜を作ることができるようになります。

共通の思いを体現する方法が違うだけで、
農を取り巻く人々は、
皆、同じことを想い、思考しているのではないかと思います。

これからも美しい味とは何かを探求し、
未来につなげていきたいと思います。


・・・

補足


冒頭で、「一物全体」の考え方をご紹介しましたが、
大根を例にとると、
大根の葉っぱまで丸ごと食べることで、
葉っぱに含まれている栄養素も摂取できるので、
健康的な身体に近づいていくと言われています。

紙は細部に宿ると言いますが、
部分だけを摂るのではなく、
すべてを取り込むと、野菜の微細な栄養まで、
身体全体に行き渡らせることができます。

ぜひ日頃の食生活の参考にしてみてくださいね。


それでは、良い一日を。


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