君の眼球を舐めたい
彼女の眼球が好きだ。
多分痛いだろうからしないけど、本当は眼球をぺろぺろ舐めたい。
でもストレートに「君の眼球を舐めさせてほしい」なんて言ったら「お前頭トチ狂ってんのか」とドン引かれるに違いないので、どうにかしてやんわりと伝えどうにかしてぺろぺろ舐める方法を模索している。
何か良い方法はないだろうか。
そうだ。彼女が夜ご飯を作っている最中に後ろから抱きしめて、考えうる最大級の愛の言葉を伝えた後にぺろっとするのはどうだろう。多少痛くても「も〜(笑)」で許してくれるのではないだろうか。
無理である。絶対に許してくれない。
きっと「危ねえだろうが」と一喝されて終わりだ。
やはり就寝前だろうか。
ダラダラとくだらない話を展開し彼女の眠気を誘ったところで、考えうる最大級の愛の言葉を伝えた後にぺろっとするのはどうだろう。これなら多少痛くても「も〜(笑)」で許してくれるのではないだろうか。
そんなわけない。許されるわけがない。
きっと「は?」と威嚇され、掛け布団を剥がされベッドから蹴落とされるに違いない。
もしかすると、一周回ってストレートに伝えるのが良いのかもしれない。
仕事終わりに彼女の家へ行き、玄関のドアを開けた瞬間に伝えるのだ。
「ただいまー。ねえ、眼球舐めさせて」
「えー(笑) いいよ」
「ありがとう。ぺろぺろ」
これか。これが正解なのか。謝罪も愛の告白も眼球ぺろぺろカミングアウトも、全てストレートが正解。ド直球こそ正義である。
この狂気とも呼べる彼女の眼球への執着は他でもない僕の性癖である。そして性癖とは、愛なのである。愛ゆえに歪み、愛ゆえに狂っていく。
そもそも僕の愛の根本には「愛しい彼女と一つの生命体になりたい」という叶わぬ願望が存在している。
だから眼球を舐めたいし、鼻かみティッシュも口にしたいし、最近はドクターフィッシュになって彼女の足の角栓を食べたいとすら考えている。
分かっている。鼻かみティッシュを食べようが角栓を食べようがセックスしようが、本当の意味で彼女と一つになることはできない。
あー。どうにかして一つの究極生命体になりたい。
愛が深すぎる故に頭がおかしくなるほど嫉妬することが多々ある。不安になることがまぁよくある。
もう26歳にもなるのに、恋愛のことになると赤ちゃんレベルにまでIQが下がってしまうのは何故なのだろうか。
僕のnoteは彼女にバレたので、きっとこのエッセイもいつか読まれるに違いない。その時のために書いておくよ。
ねえ、眼球舐めさせて。
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