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【まち村】買い物難民が本当に求めているのは、「ネットスーパー」ではない。

日本全国の過疎地や高度成長期のニュータウンでは、徐々に買い物する場所がなくなり、買い物難民が増加している。

社会問題となっていることから、ネットスーパーや移動販売の復活など、さまざまな取り組みが行われている。これにより、まだまだ充分ではないが、少しずつ不便さは解消の方向に進んではいる。

だが私は、これらの取り組みは、本当の意味での問題解決にはならないと捉えている。確かに、不便さは解消されるだろうが、それだけが買い物難民の抱える問題ではない。

買い物難民には、場所柄、高齢者が多くいる。高齢者が求めているのは、“不便なくものを手に入れること”ではなく、“買い物をする場所”なのである。

買い物をする楽しさを味わいたいのである。

歳を取って、遠出することもできなくなった高齢者は、“たかが買い物”を非常に喜ぶ。さまざまな商品を自分で見てまわり、
手に取り、選びたいのである。

そして、そこで出会った知人と話がしたいのである。店が社交場となるのである。

それが、高齢者の願い。本当に求めていることなのである。

ネットスーパーや移動販売も必要なのだが、たまには買い物に出掛けたいのである。

元気で長生きしてもらうためには、ささやかな楽しみが欠かせない。買い物に連れて行ってあげる取り組みが必要なのではないだろうか。

一部では実施されていることだが、スーパーと行政が共同で、送迎バスを運行している地域がある。週に何度か、数カ所の乗り場を巡回している。このバスは無料となっているが、有料でも構わない。

ときどき買い物に行けることは、高齢者を笑顔にする。

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