【繁盛戦略読本】『心がぽっかぽか<サービスアイデア集>』
小さな心遣いが、お客さまを感動させます。時には、商品・サービスを超えて、お客さまに喜んでいただけます。すると、お客さまはお店のファンになります。いつもご利用いただけます。ずっとおつきあいできるようになります。そこに、ぽっかぽかのサービスがある限り……。あなたのお店の“ぽっかぽか”創りのヒントにしてください。
サービスアイデア集をお読みになる前に。
あなたは、「サービス」という言葉の意味を深く考えたことがおありでしょうか。値段を安くしたり、おまけをつけたりすることがサービスだと思っていませんか。
本来の意味は、「無料の奉仕」です。奉仕は、見返りを求めない活動・気持ちのことです。これをすれば、買ってくれる。あれをすれば、また来てくれる。そう考えながらのサービスは、本当のサービスではありません。もちろん商売ですから、来店・購買につながらなければいけませんが、その前にお客さまに“喜んでいただく”という気持ちを忘れてはダメです。喜んでいただいた結果が、商売繁盛なのです。
このアイデア集では、まずお客さまに喜んでいただくということを実践しているお店の事例をご紹介しています。心からもてなす気持ちが、お客さまの心をぽっかぽかにしています。
ぽっかぽかは、他にも伝染します。どんどんひろがります。やがてお店は繁盛し、もっと大きなぽっかぽかになります。
■手みやげをお渡しする。
ある温泉旅館のサービスです。
お客さまがお帰りになる時に、
竹の皮で包んだ、おにぎり・漬物・ゆで卵を
手みやげとしてお渡ししています。
“お昼にでもお食べください”と言って、手渡します。
お客さまは、まずビックリします。
そんな旅館は他に無いからです。
そして、その心遣いに感謝します。
やがて、感動がじわじわとやってきます。
「終わり良ければ、すべて良し」
という言葉がありますが、
まさにこの旅館は、そんな印象を与えます。
お客さまとしては、とてもうれしい気分になり、
なんてすばらしい旅館なんだと、
そのおにぎりをかみしめます。
■100円傘をプレゼントする。
お客さまがお帰りになろうとする時に、
雨が降ってきました。
もしくは、降りそうです。あなたはどうしますか。
何もしませんか。置き傘を貸して差し上げますか。
でも、戻って来ないかもしれませんよ。
だとすると、躊躇してしまいますよね。
あるお店では、
100円均一で売っているビニール傘をたくさん用意して、
そんな時は、気前よくお客さまに差し上げています。
買わなかったお客さまにも差し上げます。
お客さまは、喜ばれます。
借りたんじゃないので、返しに行く手間もありません。
でも、お客さまは次回のお買い物で、
このお店にやって来ます。
■新メニューを味見してもらう。
ある飲茶専門店でのことです。
店主らしき女性が、
“これ新しいメニューとして考えているんですけど、
味見していただけませんか?”と言ってきました。
うるさいグルメ評論家なら、
「そんなもの客に出すな!」と言うところでしょうが、
一般の人にはうれしいことです。
自分の言った感想が
新メニューに活かされるかもしれないのです。
しかも、タダで一品食べられるのです。
メニューづくりに参加しているような気持ちになります。
すると、お店に親近感を持ち、しばらくしたら、
そのメニューがどうなっているのか、
また来たくなります。
深読みをすれば、すでに味は決まっているメニューを
新発売前に宣伝しているのかな?とも考えられますが。
でも、お客さまにとってはうれしいものです。
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